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ひと夏の恋 16

2019.08.24 09:00|ひと夏の恋





朝、目が覚めるとやっぱり司の手足はあたしに絡みついていて
整った綺麗な顔が目の前にある。


「わっ、鼻高っ!肌もスベスベだし…。」


昨日、司があたしの前の彼氏のことを聞いて来てたけど…
あたしだって司にこんな風に朝を迎えた女(ひと)がいると思うと面白くない。。


「そんなヤツいねーぞ。」
「えっ??」
「ブツブツ独り言が口に出てるぞ。」


うっ!っと口を手で押さえても時すでに遅し…。


「俺と朝を迎えた女がどうとか言ってただろ?」
「あっ、うん。」

「だからそんなヤツいないんだって。
彼女なんか居たことねーんだからな。」
「嘘っ!!だって司はモテるでしょ?」

「モテるのは否定しねーけど、
ほとんどが見た目と地位に寄ってくるぞ女ばっかりだからな。
関係持ったって、性欲処理だけが目的だから
行為が終わったらシャワー浴びて帰るんだよ。」
「・・・」

「つくしは違うぞ。
一晩中抱いても飽きない自信あるし、
あんなに気持ちいいのは初めてだからな。」
「ちょっと…//」

「朝からなんて話してんだよ。
シャワー浴びて仕事に行くぞ。」


司がガバッと起き上がって、
何も身につけずに裸のままシャワーに向かおうとしている。

明るいところで見ると
めちゃくちゃ均整の取れた身体で
お尻もキュッとしまっている。

そんな身体をした司に抱かれたなんて…//
司がシャワーを浴びてる間に一人で悶絶していた。


司のエッチは凄く激しいんだけど、
あたしに触れる手も唇もすごく優しくて…
何度もイかされてしまった。


そんな事を思い出していると、
司がシャワーから上がってきた。

バスローブを羽織って、
濡れた髪を拭いている姿が色っぽい。


「つくしもシャワー浴びて来いよ。」
「あ、でも…家に帰って着替えなきゃ。」
「服準備してあるぞ。だからゆっくりして行けよ。」

「えっとー、いいのかなぁ。」
「つくしがちゃんと自立してるのも知ってけど、
これぐらい甘えてくれると俺も嬉しいぞ。
あと、ベッドでもな。」

「もうっ////でも、服ありがとう。
言葉に甘えて使わせてもらうね。」
「ああ。」

シャワー浴び終えると
脱衣所には化粧品も置いてあって
、遠慮なく使わせてもらってメイクをして
準備してくれてた服を着た。

ベージュのワンピーススーツ。

シンプルで可愛いけど、
記事の肌触りが良くて上質なものなんだろうな〜って思う。


リビングスペースに行くと、
司はスーツに着替えてコーヒーを飲んでいた。


「司、服とかありがとうね。」
「おっ、似合うな。コーヒー飲むか。」
「牛乳ある?カフェオレがいいな。」


司は冷蔵庫から牛乳を取り出して
レンジで温めてからコーヒーを注いであたしに出してくれた。


「ほら、この辺のもの適当に食って行けよ。」
「ありがと。」


テーブルの上には美味しそうなクロワッサンにヨーグルト、
そしてフルーツなどが置いてあった。

朝ごはんを食べないと力が出ないあたしは
遠慮なくカフェオレと一緒にいただいた。


いいって言うのに、無理やりリムジンに乗せられて会社に向かった。

仕事がやり難くなるから、
あたし達が付き合っている事は内緒にしてて…とお願いした。



司の研修期間は残すところ2週間。
問題無く終われるといいな。









司とは仕事では今まで通りなんだけど…
プライベートでは想像出来ないぐらい甘い。


平日でも、あたしの部屋に泊まりに来て
常にあたしから離れようとせず、
ベッドでは甘く甘く溶かされてしまう。


司が研修に来てから、
実は毎日のように他部署の女子社員が食事の誘いに来ているんだ。

給湯室で、総務部や受付の子達が
『玉の輿に乗るチャンス』だとか騒いでいたから
実行してるんだろう。

あたしとしては、司が普通の人だったら
あんなに悩まなくても良かったのにな…って思うんだけどな。

司は今まで、
『仕事があるから』とか『用事があるから』
なんて言って断ってたのに…
今日は『彼女とデートだから』と断っていた。


皆さんは残念そうにしながらも、
彼女について聞き出そうと必死だった。

あんまり変な事喋らないよ…と心配していたけど、
司は適当にやり過ごしてくれたみたい。

よかった…と思っていたのに、
ランチを食べに食堂に行ったら
総務部のお姉さま方に捕まってしまった。


「ねぇ、牧野さん。道明寺さんの彼女について聞いたことある?」
「いえ、プライベートの事は話さないので。」
「すごく可愛い子だって言ってたのよね。
道明寺さんが、惚れて猛アタックして付き合うことになったって。
羨ましいよね〜。」


皆さん、キャーキャー言いながらも目がハートになっている。


「そ、そうなんですか。」


可愛いって…あたしには当てはまらないでしょ。






**

「ねぇ、司。みんなに変なこと言わないでよね。」
「何がだよ。」

会社帰りにあたしの部屋に寄った司に部屋に入るなり襲われて、
お互い裸のままあたしの小さなベッドに横たわっている。


「彼女のこと聞かれて、可愛いって言ったでしょ。」


あたしを寝ている司の上に引き寄せ、
笑いながら髪を撫でている。


「つくしは可愛いだろ。」
「どこが。」


髪を撫でていた手をそのままツーっと背中を這わせ出した。


「あっ…んんっ…!ダメだってばぁ。」
「普段も可愛いけどよ。
ヤってる時のつくし、すげー可愛いぞ。」


結局、そのまま司に翻弄されてしまった。





いつも応援ありがとうございます!


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ひと夏の恋 15

2019.08.23 09:00|ひと夏の恋




つくしと仕事を一緒にするようになって2週間が過ぎた。

つくしは、仕事中はもちろんだが
それ以外でも一切プライベートを出してこない。

セブ島の最後の夜に身体を重ねた時は
俺も相当がっついた自覚はあるが
つくしからも求められていたと思っていた。


総二郎のように、そのままモノにしたかったが
ブランチには総二郎達が帰ってきて二人にはなれなかったし
その後仕事のトラブルの対応で最後に会うことも出来なかった。


日本に帰ってからもつくしのことが忘れられず
絶対に探し出してやると思っていた矢先につくしに再会した。


チャンスだと思ったが、全く付け入る隙がない。

ようやく食事に誘い出し
付き合おうと言っても
敢えてつくしは俺のことを『道明寺さん』と呼び
距離を置いてやがる。


自分と世界が違うと言って
それだけでフィルターをかけて
俺をちゃんと見ようとしていない。


嫌いかと聞けば嫌いじゃないと言うが
好きかと聞けばわからないと気持ちを濁される。


少し強引に行くか…。


もう一度シようと提案すると
グダグダと反論してくるつくしの手を掴んで店を出た。


リムジンに乗るなり少々荒っぽく唇を合わせた。


「んっ…司っ!」


ガチガチに固められたつくしの気持ちを少し崩せたようでニヤリとする。


態と『道明寺さん』なんて呼んで
俺から距離を置こうとしてるのなんて見え見えなんだよ。





メープルに入り直通エレベーターに乗って
嫌なら抵抗しろと唇を合わせると
初めは俺を押して抵抗していたものの
次第に力が抜けてきて俺に身を任せた。


部屋に入って、帰るなら今だぞ…と言ったら
つくしが俺の首に手を回してキスをしてきた。

どんどん自分からキスを深めてきて
それに答えていたがそろそろ俺がヤバイ…。

つくしの肩を掴んで俺から引き離した。
好きかもしれないと言うつくしから
『好き』を引き出した瞬間
つくしを抱えベッドルームに向かった。





ベッドに降ろそうとすると「シャワー浴びたい」と。

散々焦らされて煽られた俺は
別々に入るなんて考えはなかった。


一緒にシャワーを浴びながら我慢できずに一回。
ベッドにいってからは、抱き潰さないように二回
つくしを堪能した。


つくしの小ぶりだけどツンと上向いた胸も
吸い付くような肌も可愛く鳴く声も
俺のドンピシャで煽られっぱなし。


風呂場でゴムを取りに行こうとした俺に
ピル飲んでるから大丈夫と言われさらに燃えた。

つくしの中に俺はピッタリと収まり
絡みつくように迎え入れてくれ
つくしから与えられ快楽に我慢できずに
俺自身をつくしの中に放った。


「つくし、好きだよ。」


コトを終えて俺に寄り添うようにしてウトウトしている
つくしの髪を撫でているとふと気になったことを聞いてみた。


「なぁ、おまえ前の男ともそのままヤったんか?」
「んー?してないよ。
ピル飲み始めてから半年ぐらいだし、それに…」

「なんだよ?」
「あたし、エッチってあんまり好きじゃなかったんだよね。
意識飛ばしたのなんか、この前のが始めてだったし…。」

「良かったのかよ、俺とのは?」
「…………うん。初めて、もっと…って思っちゃった。」

「じゃ、仰せのままに…」


つくしに覆いかぶさって、キスをしながら片手を胸に持って行く。


「ちょ、ちょっと待って!明日仕事なんだから…」
「抱き潰さねぇから、もう一回……な。」
「絶対だよ。」
「ああ。もう黙って。」

つくしとなら一晩中でも繋がっていたいが
仕事に穴を開ける訳にもいかないから
最後の一回は ゆっくりじっくりと堪能した。

つくしは何度もイきながら
俺の腕の中で可愛く鳴いて
最後は俺と一緒に昇りつめたまま果てて眠ってしまった。




すげー可愛いつくし…
もう手離さねぇよ。





いつも応援ありがとうございます!


ひと夏の恋 14

2019.08.22 09:00|ひと夏の恋






司が美波商事に研修来るようになって2週間。


病欠した時は、山口さんのお節介によって
司が部屋にお見舞いに来たりしたけど…
特に関係は変わってない。


仕事の面では
あたしが教えることなんて無いんじゃない…ってぐらい完璧で
何のために研修に来てるんだろうって思う。


珍しく、一緒に仕事を上がれた日。


「なぁ、飯食いに行こうぜ。」
「いいよ。」


断る理由も無かったので、一緒にご飯を食べに行くことにした。
ご飯を食べながら他愛もない話をしていたはずなのに…


「なぁ、俺と付き合ってくれないか?」
「付き合うって、どこかに一緒に行けばいいの?」


司の言葉が瞬時に理解できなくて
この後どこかに行きたいのかと思った。


「違うって。俺の彼女になってほしい。」
「冗談はいいってば。
そもそもあたしと道明寺さんは釣り合わないよ。」


セブ島で呼んでいたように司とは呼ばず
あえて道明寺さんと呼んだ。

「道明寺HDの道明寺司じゃなくて
俺自身を見てくれよ。」
「それに、道明寺さんはいつもあんな風に遊んでるんでしょ?
めちゃくちゃモテてたでしょ。
あたしなんかと付き合わなくても選り取り見取り…でしょ。」


自分でも、若干八つ当たり気味だとは思ったけど
口から出てくる言葉を止められなかった。


「なぁ、つくし。俺のことが嫌いか?」
「嫌い……じゃない。」

「なら好きか?」
「・・・・・わかんない。」


司には惹かれていると思う。
だからエッチだってしちゃったんだけど…。


「なぁ、もう一回ヤってみるか?」
「何を?」

「セブ島の最後の夜にシたこと。」
「えっ!!」

「つくしは真面目だからグダグダ頭で考えてもどうせロクな答え出さないだろ。店出るぞ。」


司は突然立ち上がって、あたしの手を引いてお会計を済ませて店を出た。


「ちょ、ちょっと待ってよ。」
「待たねーよ。」
「でっ、でも…月曜日だし。」
「関係ねー。」


リムジンに乗せられ、性急に唇を合わせられる。
嫌でもセブ島の夜を思い出してしまう…

「んっ…司っ!!」


司は唇を離してニヤリと笑った。


「態と道明寺さんなんて呼んでんじゃねーよ。」


司にはあたしの気持ちなんてお見通しなのかもしれない。


「だって…。」
「俺が道明寺司だと知って尻込みしてんだろ。
だっても、でももねーだろ。
もっと自分の直感を信じろよ。」


そんな話をしているうちに
リムジンはどこかの地下駐車場に入った。


「降りるぞ。」


あたしが逃げないように手を繋がれ
エレベーターの中に引き込まれた。


「嫌だったら思いっきり抵抗しろ。」


ぐっと引き寄せられキスをされた。
手で突っ張って押し離そうとしても
全然力では敵わず…
そうしてるうちに深くなってきたキスに身体からの力が抜けていった。


「抵抗は終わりか…?」


エレベーターが到着した先には扉があって
そのまま司は部屋の中に入っていった。


「ここって…」
「メープルだ。いつも俺が押さえている部屋だから心配するな。」
「そっか…。」
「そんな事気にするなんて余裕じゃねーの。」
「うっ・・・。」
「で、どうするんだ。帰るなら今だぞ。」



帰る………




帰りたくないのかも。




自分の気持ちを確認する為に
司の首に手を回してキスをした。

司の唇を合わせると
もっと欲しくなりさらに深く唇を合わせた。

キスを続けているうちに下半身が疼いてきて……。


その時、司があたしの肩を掴んでグッと引き離した。


「つくし?」
「あたし司のこと好きかもしれない…」
「かもじゃねーだろ。」
「だって、分からないけど、司とキスしたら……。」
「欲しくなる……か。」
「…………うん。」



「俺のこと好きなんだよな?」



「………好き。」



あたしが好きって言葉にした途端
司に抱きかかえられて部屋の奥に連れていかれた。






いつも応援ありがとうございます!


ひと夏の恋 13

2019.08.21 09:00|ひと夏の恋






俺が研修に行き出してから1週間経った頃
つくしが熱を出して仕事を休んだ。


今日は午後に一件アポがあったはず。

つくしのパソコンを立ち上げて
資料をプリントアウトする。


美波部長に報告すると、


「道明寺さんが行ってくれてもいいけど…流石に1人じゃマズイか。
伊藤君、午後からの牧野さんの案件お願い出来るかな。
今日は朝から伊藤君と仕事して下さい。

「わかりました。」

「伊藤さん、14時にAZマートです。
よろしくお願いします。」

「ああ。了解。」


チッ、何で俺が…なんて文句を言っている。


こいつはつくしが成績を上げてきた時に
色仕掛けしたとか言ったヤツ。
気にいらねぇが、こいつの実力を知るチャンスだ。


午前中は、伊藤さんの営業に同行した。

アポを取っている所を2件回ったが
どちらも契約が取れず。


そりゃそうだよな。


相手の希望と勧めている商品が合ってないんだからな。



一旦社に戻って、昼飯を食べてから
準備しておいたサンプルなどを持って
AZマートに伊藤さんと向かった。


AZマートに到着し、店長に会議室に案内された。


「今日は牧野が病欠で、代わりに担当させて頂きます山田と申します。
よろしくお願いいたします。」


眼鏡をかけて道明寺と名乗らなかった俺に伊藤さんは驚いた表情をしていた。


「そうか…残念だな。牧野さんにはいつも良くしてもらっててね。
毎回、希望以上の商品を提供してくれてるんだよ。」

「今回も、牧野の提案に沿って進めさせていただきます。」

「そりゃ楽しみだ。」


つくしの準備していた資料を元に話を進める。

店側の希望と、バイヤーのオススメ
商品管理から見る今の流行り
そして海外で既に流行っているものなど
バラエティーに富んだ商品展開になっている。


「今回も面白いね。これと、これは即決だな。
後はもう少し考えてもいいかな。」

「かしこまりました。」


注文書を作成し、店長のサインをもらった。


商談を終えたAZマートからの帰り道


「いつも牧野さんってあんな簡単に契約取ってるのか?」

「そうですね。
皆さん色々と悪口言ってますけど…
何度も足を運んで相手の希望を聞いたり、
商品部やバイヤーともよく話をしてますよ。
それにこれ…」


つくしの作成した資料を伊藤さんに見せた。


「こんな事までしてるのか…。」


どれだけつくしが努力をして契約を取っているか知った事だろう。
これでつくしへの悪口などが無くなればいいけどな。


仕事を終え、つくしの住んでいるマンションに向かった。

念のため言っておくが、勝手に調べたわけじゃねーぞ。
お節介な営業事務のおばさんが
つくしの見舞いに行けとご丁寧に住所を教えてくれたんだ。


少し古めのマンションの3階の角部屋。

オートロックじゃねーし、
こんな所に住んでて大丈夫かと心配にもなるが
古い割には共用部分は綺麗に掃除もされている。

部屋の前まで来てチャイムをを押すとしばらくして
「ハイ……えっ何で?」と声が聞こえた。

モニターを見て俺だと気づいたんだろう。

「ちょっと待って」と言ってインターホンが切れ、
少ししてガチャっと鍵を外す音がしてドアが開いた。


「なんでここが?」
「営業事務のおばさんが行けって。」
「ああ、山口さんね。ホントにお節介なんだから…。」


熱があるのか、いつもより覇気がない。


「ここじゃしんどいだろ。
すぐ帰るから、上がっていいか。」
「あ……うん。どうぞ。」


部屋の中に入ると、つくしの香りで満たされている。


「大丈夫…じゃないみたいだよな。熱は?」
「少しあるのかな。」


熱のせいか赤らんだ顔をしていて、
ベッドの中でのつくしを思い出した。

ってか、こんな時に何を考えてんだ俺は。
邪な気持ちに気づかれないように話題を変えた。


「メシは?」
「食べようかと思って起きたところ。」
「プリン食うか?それとも…何だこれ?」


袋の中からドラッグストアで店員に勧められるがままに購入したパウチされたパックを取り出した。

「それお粥だよ。それとプリン食べていい?」
「おお、いいぞ。」


キッチンで鍋に入れて温め、皿に入れて持ってきて食べ始めた。


「飯食える元気があるなら大丈夫か。
今日、AZマートの契約行ってきたぞ。
2商品は即決で、後は検討するってさ。」

「ごめん。ありがとう。
即決の2商品って?」

契約した商品を教えると
その2つは大本命だったから良かった…と呟いていた、


飯を食べ終え、薬を飲んだのを確認してから俺は帰る事にした。

「つくし、連絡先教えとけよ。
夜中でもなんかあったら連絡していいから。」
「あっ、うん。」

ベッドサイドからスマホを持ってきて
ロックを外して「ん」と俺に渡してきたので
電話帳に登録し、俺にワンコールかけて切った。


「じゃあ、帰るわ。鍵閉めてゆっくり寝ろよ。」
「態々ありがとう。」

つくしの部屋を出て、ちゃんとロックがかけられたのを確認してからドアから離れた。




いつも応援ありがとうございます!

ひと夏の恋 12

2019.08.20 09:00|ひと夏の恋





「今日回る営業先の資料です。目を通しててもらえますか。」

「はい。」


受け取った資料は営業先の事が綺麗にまとめられてて
売りたい商品とセールスポイントや使用例などが事細かく書かれている。



へぇ、こいつ仕事できるんだ。




研修先に美波商事選んだのは偶然だった。


最近、輸入食品部門が伸びているからと研修先に決めた。

次のステップに進むために
系列会社に研修に行くことは道明寺HDでは珍しいことじゃない。

俺が御曹司だからといって、例外じゃなかっただけだ。


受付で担当者を呼び出してもらうと
程なくして迎えに来たのは
3日ほど前にセブ島で俺が溺れた女だった。


こんな偶然もあるのかと思ったが、
これはもう運命じゃねーの。


自己紹介をした俺の言葉をほとんど聞いていない様子のつくし。

まぁ、ゆっくりと俺のことを知っていけばいい。


エレベーターで営業部に上がり、再び自己紹介をしたところで
つくしは俺が道明寺司だと知ったようだ。


びっくりしすぎだろ。


落ち着きのない様子のつくしに


「なぁ、おまえは俺の名前に興味ねーの?」


と彼女にだけ聞こえるように言うと
俺を睨みつけ、ため息をつかれた。


「仕事する気がないなら担当から外れますが…。」


せっかくのチャンスを棒に振るわけにはいかない。
素直に謝って、ちゃんと仕事をしに来た旨を伝えた。


午後からつくしに付いて営業先に行った。

営業先はアジアンレストランで
つくしはメニュー展開のアイディアを交えながら
数点の商品をアピールしていった。

料理長には好印象で、すぐにでも契約が取れそうな雰囲気だったが、
レストランのオーナーが顔を出した。


「おや、司君じゃないか。」
「井上オーナーご無沙汰しています。」

「今日はどうしたんだい。」
「今、美波商事に研修に来てまして。」

「そうか。司君の応援も込めて全部お願いしようか。料理長いいよな。」
「はい。」

井上オーナーの一声で契約が決まった。


「ありがとうございます!」


つくしは笑顔で注文書を作成し、
料理長と数量や価格の相談をしている。


俺は、つくしの少しぎこちない笑顔を見て
何とも言えない気持ちになった。
レストランからの帰り道、つくしの顔は沈んだままだった。


社に戻って部長に契約の報告をした時
ボソッと「道明寺さんのおかげです」と呟いた。

つくしの沈んでいる原因は俺だった。
なんで気づかなかったんだよ。


自分の足で探した営業先に
あれだけ下調べをして商品の売り込みに行ったのに
美味しい所だけ俺が掻っ攫った形になったのだ。

俺が道明寺司じゃなければ
つくしの仕事の邪魔をする事はなかったのに…と
自分の浅はかさに気づいた。


どうしたらつくしの邪魔をしないか考えた結果
眼鏡をかけて営業に回ることにした。


翌日からは営業中は道明寺司と名乗らず
眼鏡を掛けてつくしと客先を回るようになった。


それでも、新規のお客さんが取れたり、
既存のお客さんも追加注文が取れたりして、
営業成績が上がったつくしを周りはよく思わないらしく


「どうせ道明寺司を使って契約してるんじゃないか」

とか

「色仕掛けしてるんじゃないか」


とか言われているのを聞いて無性に腹が立った。



つくしは、営業が終わってみんなが帰ってから資料を作ったり
サンプルの手配をしたり
商品管理部に顔を出して話をしたり
ホームページの商品説明を更新したり
商品を使ったレシピを提案したりと
地道な努力を積み重ねていったのが実を結んでいる結果だった。







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くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
文才もなく、のんびりペースですがよろしくお願いします。

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