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向日葵の丘で。 〜Promise


「ねぇ、つかさぁ〜、ひまわりみにいきたい。」

そうやって俺の周りをうろちょろしてるのは、料理人の娘のつくし。
夏休み、俺たちは、いつものように軽井沢の別荘に来ている。
小学生になってから俺は、英才教育だと言って勉強させられる事が増えた。


「いまからレッスンだからむり!」

「そっか、じゃあひとりでいってくる。」


去年、2人で探検した時に見つけた向日葵の丘。
ちょっと遠いから、1年生のつくしひとりでは行けると思ってなかった。

英語のレッスンを終えて、おやつの時間になってもつくしはオレの部屋に来なかった。


「なぁ、タマ。つくしは?」

「知りませんよ。お庭で遊んでるんじゃないですか。」


庭のいつも遊んでる場所にも、つくしの部屋にも居なかった。


もしかして、本当に一人で行ったのか?
急いで、出掛けようとする俺に、タマは水筒とおやつを包んでリュックに入れて持たせてくれた。


走って、向日葵の丘に向かう途中、念のため教会にも寄ってみる。
やっぱりいない。
そのまま先を急ぐ。


向日葵の丘の手前でつくしを見つける。


「おいっ、つくし〜。」

「あっ、つかさ。きてくれたの?」

「おまえさぁ、ひとりでいったらまいごになるしあぶないだろっ!」

「だって、どうしてもいきたかったんだもん。」

「はあぁ〜。」

「あれ、つかさ。なんかいいにおいがする。」

俺の心配をよそに、クンクン匂いを嗅いでいる。
ぷっ、犬みたい。


「そうだ、タマがおやつもたせてくれたんだ。」

「やったぁ〜!!たべていい?」

「いいぞ。」


2人で木陰の切り株に座って、おやつを食べる。
お腹いっぱいになって、元気になったつくしと一緒に向日葵の丘を目指す。


満開に咲いている向日葵を見て、ぱあっと笑顔になる。

ぷっ、わかりやすいヤツ。
つい可愛くって、チュッとほっぺにキスをする。


「つかさ、だあ〜いすきっ。」


キュッと俺に抱きついてくる。


「なかにはいってみようぜ。」


手を繋いで、迷路のような向日葵の道を歩いて行く。

向日葵の世話をしてる人に出会い、小さめの向日葵を切って持たせてくれた。
しばらく遊んで、別荘に帰る途中で足が痛いとうずくまってしまった。


「しょーがねーなぁ。つくし、おんぶしてやる。」


リュックをつくしに背負わせ、つくしをおんぶする。
5分ほどの距離なのに、つくしは寝てしまった。
寝てるつくしは一気に重くなって、最後はフラフラになりながら、邸に到着する。


タマは俺を見るなり、ぷっと吹き出し、


「あらまぁ、おんぶバッタみたいだね。つくしを部屋まで運べるかい。」


なんとか部屋まで行くと、牧野がびっくりしてつくしを受け取り、ベッドに寝かせる。


「坊ちゃん、つくしがご迷惑をおかけしたみたいで申し訳ありません。ありがとうごさいました。」

「いっしょにあそんでたんだからいいんだよ。」


つくしの持って帰った向日葵は、部屋に大事に飾ってあったらしい。


✳︎✳︎✳︎


あの時につくしの部屋にあった向日葵の種で、毎年別荘の庭に沢山の向日葵が咲くようになった。

つくしは、6月に生まれた紫と一緒に庭に出て、向日葵を眺めている。


「つくし。」

「あっ、司。仕事終わった?」

「ああ。紫連れて散歩に行くか?」

「いいの。じゃあ、向日葵の丘に行きたい。」

「じゃあ、準備するか。」


道中の足元が悪いからベビーカーで行けないので、抱っこ紐を使って胸の前に抱く。


いつものように森を越え、教会の向こうにある向日葵の丘。
今年もあの頃と変わらずに満開の向日葵。


ちょうど、到着したところで寝ていた紫が目覚めた。


「紫起きたの〜?暑いからちょっとミルク飲ませていい?」

「ああ、俺がミルク作ろうか?」

「ん、大丈夫。」


つくしは手際よくミルクを作っている。
基本的には、紫は母乳で育てるんだが、仕事やパーティなどにどうしても出なければならないこともあるから、粉ミルクにも慣らすようにしている。


「司はコーヒーね。」


いつの間に準備したのか知らないが、アイスコーヒーを俺に入れてくれる。

紫のミルクが終わり、荷物を片付けているつくしが、


「ね、ねっ、みんなで写真撮ろうよ。」


嬉しそうにカメラモードにしたスマホを俺に渡してくる。


「なんで俺が…。」

「自撮りだよ。司の方が手が長いでしょ。だからお願いね。」


しょーがねぇから、スマホの画面に俺たちと向日葵を入れ、数枚シャッターを押す。


「ありがとう。あっ、これ紫が可愛く写ってる。」


覗いてみると、少し笑ってるみたいに見える。


「これ、待ち受けにしよーっと。」

「俺にも送って。」

「うん、いいよ。」


つくしに送ってもらった写真を俺も待ち受けにする。


「こうやって写真見たら、紫はおまえにそっくりだな。」

「そうかなぁ。」

「将来、可愛くなるんじゃねぇ。」

そんな話をしてたら、紫が泣き出した。
再び、抱っこ紐で抱いてやり歩き出すと泣き止んだ。

そのまま、ぐるっと散歩をしてから別荘に帰った。


家族が増えても変わらない俺たちの夏。



いつも応援ありがとうございます!

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明日から、中編をお届けしますね。
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コメント

コメント(3)
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2018/08/05 10:35 編集返信
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2018/08/05 11:59 編集返信
くるみぼたん
ありがとうございます♡
悠○様
暑い日が続きますね。
Promise のチビつかつくはこれからも定期的に出していければな…と思ってます(๑>◡<๑)

スリ○○○○様
軽井沢の別荘は2人の思い出たっぷりです(*^o^*)
写真嫌いな司くんも、つくしちゃんに言われたら写真も撮っちゃいますね^ ^
少しずつ家族の思い出が増やしていければな…と思ってます(๑>◡<๑)

くるみぼたん

2018/08/06 07:41 URL 編集返信
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訪問ありがとうございます!

プロフィール

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Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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