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より速く。 4

部活の帰りに司の家に寄る事にした。


邸に入ると、メイド達が廊下の片付けをしていた。
どうやら司が暴れたらしい。


司の居場所を聞くとトレーニングルームにいるらしい。
トレーニングルームに行くと、音楽を聞きながらひたすら走っている司。


「よう、司。」


ちらっと見るも、そのまま走り続ける。


「ねぇ、司ってば!」

「・・・・・なんだ?」


イヤホンを外し、怪訝そうな顔をしてこちらを見る。


「土曜日の午前中に牧野が俺の邸に来るんだ。司も来ない?」

「はあ?なんで俺が?」

「気づいてないんだ…。とにかく伝えたから。」


ヒラヒラっと手を振り司の邸を後にする。


✳︎✳︎


「土曜日、牧野が俺の邸に来るんだ。」


それだけ言って、帰っていった類。

態々、類がそんなことを言いに来た意味がワカンねぇ。



自慢か?



2人は付き合ってるのか?



くだらねー事ばっかりが、俺の頭の中をぐるぐる巡っている。



✳︎✳︎


土曜日。

花沢先輩に「迎えに行くよ」と言われ、先輩との待ち合わせ場所で待っていると、黒い大きな車があたしの前に停まる。

運転手さんか降りてきてドアを開くと、中から花沢先輩が「乗って」と手招きをしている。


え?あたしも乗るの?


しばらく固まっていたけど、周りに注目されているのを見て慌てて中に入った。


花沢先輩の前に座ったんだけど、リムジン…って言うんだっけ…広い車内で落ち着かない。

20分ほど走ると、武家屋敷のような超和風な門をくぐり大きな玄関の前で車が停まる。


ここが花沢先輩の家らしい…。


運転手さん開けてくれたドアから花沢先輩が車を降りたので、続いて降りる。
玄関に入ると、メイドさん…だったっけ、そんな方が沢山いる。


その中でも年配の方が、「坊ちゃん、応接室に準備出来てますよ」と声を掛けてきた。


「あのっ、初めまして、牧野つくしと申しますっ!花沢先輩には陸上部でお世話になっています。お邪魔します。」


とお辞儀をした。


「牧野、床に頭着きそうだよ。千代さんが困ってるから頭上げて。」


ぷぷぷっと笑いながら、花沢先輩に言われて頭をあげる。


「どうぞ、ゆっくりして行ってくださいね。」

「これ、少しですけどみなさんでどうぞ。」


そう言って、紙袋を差し出す。


「何それ?」

「どら焼きなんですけど…。」

「あ、ドラ○もんの好きなやつね。」

「そうです!」

「千代さん、すぐにビデオ見たいから早めにお茶とか持ってきて。」

「はい。かしこまりました。」


先輩に案内された部屋に入ると、家の外観からは想像できない程の洋風な部屋。

部屋には大きなスクリーンがあって、ちっちゃな映画館みたい。


「適当に座って。」

「はい」

どこに座っていいかわからず、立っていると先輩がソファに座ったので、その反対側に座ることにした。


わっ、このソファ物凄くふわふわだ。


「お茶が来てからビデオ付けるね。早く見たいんでしょ。」

「えっ、そんな…。」


千代さんが紅茶とケーキなどを持ってきて下さり、部屋を出て行ってから先輩はスイッチを押してカーテンを閉め部屋を暗くしてビデオを再生した。




ビデオが始まる。



わ、中学生の道明寺先輩だ。

ちょっと幼い。


スタート前のすっごく真剣な眼差し。


「これは、中1の初めての大会。」


綺麗なフォームで走る道明寺先輩。

やっぱりかっこいい。


結果は3位。
すっごく悔しそう。


「俺たちさ、小さい頃から英才教育受けてるから割となんでも出来たんだ。でもこの大会で、自分達の未熟さを知って、みんな陸上にハマっていったんだ。」


その後も、先輩達の大会の映像を見せてもらう。

出してもらった、紅茶やケーキを食べるのを忘れるほど映像に魅入っていた。



「司の走ってる姿が好きなんだって。」


突然そんな事を言った花沢先輩にびっくりして、スクリーンから花沢先輩が見ている入り口の方に目を向けると、そこには道明寺先輩が…。

ドスドス歩いてきて、あたしの隣に腰をかける。


「えっ、あっ、道明寺先輩、こんにちはっ。」

ああ。そんなんだったら俺が見せてやったのに…。

「えっ?」

「なんでもねぇよ。」


花沢先輩はクスクス笑っている。


「ビデオ見ないのかよ。」

「あっ、観ます!」


道明寺先輩がいるのにドキドキしながらもスクリーンに視線を戻し、そのまま映像に魅了されていった。




あっ、この大会…あたしが初めて道明寺先輩を見たのだ。


僅差で2位だった道明寺先輩。


すっごく悔しそうで、見ているあたしも悔しくて泣きそうになる。



いつも応援ありがとうございます♡
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コメント

コメント(3)
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2018/10/24 11:50 編集返信
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2018/10/24 12:50 編集返信
くるみぼたん
ありがとうございます♡
つく○○○様
します??
このお話、目指してる方向性があって…^ ^
ネタバレになりそうなので、いまは秘密です♡


スリ○○○○○○様
類くん、家にまで呼ぶつもり無かったんですけど、結果的に良かったのかな。
きっと2人を見てて焦れったかったんでしょうね。
次のお話は司くんサイドです(≧∇≦)

くるみぼたん

2018/10/24 20:36 URL 編集返信
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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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