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願いごとひとつ。 〜つくしんぼさんからの頂き物


ブログ開設1周年のお祝いに『春のつくしんぼ』のつくしんぼさんよりお話をいただきました♡



********************






「……こっちかな」

つくしは姿見の前で服を合わせながら
うーん、と悩む。


道明寺とのデートに着ていく服を選ぶ

あたし達はデートが成功した試しがない。


だから、あいつがちゃんとした
初デートがしたいと言い出した。

あたしよりもロマンチストだからな……

つくしは小さくため息を吐く

今日のデート用の服を送ってこようとした道明寺に
初デート前に彼女に服を贈る彼氏は居ない!と
言って断ったために今に至る。

思い起こせば

一回目は道明寺の言った言葉が理解できず
あたしは大雪の中アイツを4時間待たせた

しかも、エレベーターに閉じ込められるおまけ付き。

……いや、あの頃は互いに嫌いあってたし
まさかデートに誘われてるとは思わないというか



次、TOJの後のクリスマスに誘われて
アタシは龍を連れていった……

いや、あれはしょうがなかったのよ!!

……何かアタシが原因みたい?

次、Wデートで優紀の彼氏を殴る

これはアタシが悪かった


次……楽しかった制服デートの次の日アイツは消えた


それから色々あって……

地味にトラウマかも、デート


「……大丈夫、絶対」

つくしは鏡に映る自分を見ながらニコッと笑う

ダメだ。ひきつる……
頬の筋力下がってそう…

思考がマイナスへと傾き始めたので
気持ちを切り替えようと
服を手に取った。


可愛いって……言ってくれるかな

白いハイネックのセーターと
赤いチェックのスカート

優紀が言うにはセーターは
胸が大きく見えるらしい

いや、別に……変な意味じゃないから!!!















「遅い」

待ち合わせ場所のカフェの中で
何度も時計を見て、次第に足が揺れてくる

イライライライライライライライラ

明らかに機嫌が悪い男は腕時計に目をやる

もうぜってぇ!!待ち合わせしねえ!!

その時、店内にカランコロンとベルの音が響く

足音と気配で待ち人が来たのが司には解った




彼の座る席だけ若い女性に囲まれていて
店に着いたのは良いが近寄りがたい

「何名様ですか?」

店員さんに聞かれて、「いや、待ち合わせで……」

つくしが小さな声でそういった瞬間

「てめぇはあれか?俺を待たせるのが趣味か?」

「見つかった……」

「あ?!」

店内がザワザワとしはじめる

つくしが気まずいな、と思っていると

ボフ、っと頭から何かが被さってきた

「何これ」

「着てろ」

今日はそんなに寒くないからと
コートを着てこなかったつくしに
司が自分のコートを渡す

「良いよ…あたし、さむく「黙って着てろ」

威圧するように言われて
せっかくお洒落したのに……と思いながら
これ以上機嫌を損ねるのもな、と
つくしは素直に従って袖を通していく

その間に会計を済ませた司が
「行くぞ」とつくしの腕を掴むと
二人は出ていった。


後には司の行動にハートを鷲掴みにされ
蕩けた表情の女性達だけが残っていた。














「さみー」

店を出た途端そう呟いた司に
つくしがコートを脱ごうとすると

「お前はそれ着てろ」と止められる

待たせていた車につくしを乗せ、運転手にはお気に入りのブティックへ行くように指示を出した。




「……ねぇ、あたし寒くないんだけど」


車内でつくしが彼を見上げながら言う

まるで大人のコートを着ている子供状態で
デートなのにこれは何?とつくしの眉間にシワができる


「見てるコッチがさみぃんだよ。んな格好でうろうろしてんのはお前か類くらいだ」

「あー、いつも非常階段で寝てるしね。花沢類」

「…」

自分で話題に出した癖に、つくしが言うのは
気に入らない。

理不尽なのは解っているが機嫌が悪くなる

「……」

そんな司を見ながら
今日はアタシが大人にならねばと
つくしは司の大きな手に自分の手を重ねる

そのまま、司とは反対方向を向いたが
彼がジッと自分を見ているのがわかって
居心地が悪い

顔が熱い。
まさに火を吹きそうなくらい

司は耳まで赤くなったつくしを見たあと
その手をぎゅっと握り直す。

「……こっち向けよ」

「何で?」

「顔見てえ」

「あ、あたしはいい!!」

「お前の意見なんか聞いてねぇよ」

「な?!俺様!!」

つくしがそう言って司の方を向いた瞬間
手を引かれて唇が重なった

そうなってしまえば後は司の勝ちで
つくしは従うしかなかった。












「いらない、って言ったのに」

はぁ……とため息を溢すつくしの横で
司は機嫌がいい

「あんたもう3月だよ?」

「うるせぇな、今日は寒いだろうが!!」

「……寒い?うーん」

確かにが日が沈めばまだ寒いけど……

司がつくしにプレゼントした
クリーム色のチェスターコートは軽くて
肌触りが良い上に暖かい

我が家にある掛け布団より遥かに暖かい


「今日の記念」

司がそう言って嬉しそうに笑うから
つくしもありがとう、と笑う


「行こうぜ、とりあえず飯」

差し出された手を掴むと

「お腹ペコペコ、どこにする?」

「俺サバティーニ行きてえ」

「…却下。絶対高いもん」

「……お前な」

さっきまで自分が着ていたコートを着ている
司を見上げる

服とは不思議な物だ

彼の香りがして自分は着ているだけなのに
まるで抱き締められているようだった。

そんな事を考えて顔がボンッと赤くなる

「ふーん。だったらこれお前にやるよ」

「へ?」

「さっきからぶつぶつ喋ってるから」

可愛すぎる彼女の格好が他の男の
目に触れるのが嫌で無理やり着せたが
彼女からこんな事が聞けるとは……と
司が笑顔になる。

対象的に、つくしは赤くなったり
青くなったりと忙しい

「うそ、嘘って言って」

「いっつもそうやって可愛けりゃなー
あー!だからお前上着着てこなかったのか」

嬉しそうな司に対し、顔が真っ赤になった
つくしがうるさい!違う!と彼を鞄で殴る

「照れんなって。ふーん」

「もう!しつこい!!」

ぷいっとそっぽ向いてしまった
つくしの肩を抱き寄せた

「悪かったよ。怒んなって」

好きな彼女からの告白ともとれる
言葉を聞いた彼の機嫌は最高に良かった

「反省してる?」

「してる」

つくしの髪にキスをする

「バカ!人前で何すんのよ!」

「今さらだろうが!何か願い叶えてやるから
言え」

「何でも?」

「おー、俺様に不可能はねぇよ」

「……いや、それはどうだったかな」

「あ?」

「そうだ!!アタシ行きたいとこある!」

「……何か嫌な予感するぞ」

そう言って顔をしかめた司の手を引いて
つくしはまずは腹ごしらえだ!と歩き出した。










「夜の学校何かに来てどうすんだよ」

自分で来たいと言ったくせに
司にしがみついて震えるつくしを見る


「うるさいな、見たいものがあるのよ!」

「昼間じゃだめなのか?」

「多分、ダメ」

そう言って3年の教室がある場所を目指す

「アンタのクラスってどこ?」

「知らねえ」

予想はしていたが本当に知らないとは
思わなかったつくしは若干呆れる

「何だよ。仕方ねぇだろうが授業出たことねぇし」

「いや、良いよ。そうかなって思ってたし」

だから予め先生に聞いておいた

司の彼女だと有名なつくしに聞かれたら
クラスと席の場所くらい簡単に教えてくれた


「ここ!アンタの席だって!」

窓際の一番後ろにある机と椅子はどう考えても
この男には不似合いだ。

つくしが座ろうとすると司が阻止する

「俺が一回も座ってねぇのに
お前が座っても仕方ねぇだろ」

そしてつくしを抱き抱えた

「なにこれ、思ってたのと違う」

「知るか。他の男の席にお前を座らせるわけに
いかねえだろうが」

「どこにヤキモチ妬いてんのよ」

そう言ってクスクスと笑う

「制服着て貰えば良かったかな」

「勘弁しろよ。あんなダセェもん
何回も着れかっよ」

「アタシは毎日着てますけど」

「おー!お前には良く似合ってる」

「ムカつく」

そう言いながら軽く唇を合わせると
司が聞いた

「で?ここで何がしたかったわけお前」

「ん?特に無いよ。ただ、あんたと人目を気にせず学校を歩いて見たかっただけ」

「変なやつ」

「アタシが座るかも知れないね」

そう言ってつくしが愛しそうに机を撫でた

「……何だかんだ俺らも卒業だしな」

「うん」

「寂しいか?」

「全然」

「可愛くねえ」

「上等よ」

つくしの言葉に司がクックッと笑う

「ちょこちょこコッチ来るし
お前も来いよ」

「げ……やめてよ。アンタが来ると女子達がうるさい」

「じゃあお前が来い」

「それもなぁ……」

建物が変わるだけで、同じ敷地内に居ることは
変わらないわけで

「絶対来い。命令だ」

「命令って……」

「今みたいにゆっくり会えなくなるしな」

「……なんで?」

司の言葉につくしは不安になる

「んな、顔すんなよ。襲うぞ」

「真面目に答えて!!」

「焦りすぎ。会社の仕事、ちょっとずつ
覚えなきゃなんねえんだよ。一年かそこらで
お前との事終わらせれる分けねえだろ」

「……道明寺」

「俺が力つけなきゃ守れないからな」

「生意気言わないでよ。アンタに守ってもらわないといけない程弱くないから。二人の事でしょ
一人で決めないで」

「あぁ、頼りにしてる」

「任せて、仮にアンタが無職になっても
全然大丈夫だから」

「バカ不吉な事言うな」

ぎゅっと抱き締められて、つくしも司の胸に
頬を寄せた

「絶対にお前と結婚する。覚悟してろよ」

「うん。あんたも覚悟してよね、アタシに
貞淑な妻は無理だから」

「お前が大人しいとか想像つかねぇ。
絶対無理だろ」

「絶対?!やれば出来るわよ!!」

「辞めろ、そんなんお前じゃねえ」

司はつくしの髪を撫でると、再びぎゅっと
腕に力を込めた。

「お前らしく俺の隣に居てくれたら良いから」

囁かれた言葉に「それは任せて」と
つくしが頷いた。



今はまだ、幼い恋人同士の約束だとしても

それは自分達の手で必ず叶えてみせる




「帰るか。弟が心配するだろ」

「うん」

校舎を出てつくしをアパートへ送っていく

本当は離れがたいけど
彼女の気持ちが決まるまで待つと約束したから

初デートって自分で言った手前
がっつくのもな

今日はもう充分だ

司がそう思っていると

「いつか、同じ家に帰れる日が来ると良いな」

何となく車窓に映る景色をみていたつくしが呟く

「お前誘ってんのか?」

「は?」

「人が必死で我慢してんのに。マジでタチ悪いなお前。」

司は運転手に電話をかけると、行き先を邸に変更させる

「ちょ、ちょっと待って!何急に!!」

「お前が悪い」

「意味がわかんない!!ねぇ!ちょっとアタシ帰ります!!」


「大人しくしろッ!!!!」


「ギャーッッ!!!!!」




二人の願いが必ず叶うと信じて……………





fin
━━━━━━━━━━━━






くるみぼたん様
祝!一周年(*´ω`*)
おめでとうございます♥️
いつも無茶ブリに快く対応して
下さって感謝の気持ちで一杯です(´;ω;`)
これからもたくさんの素敵なお話
楽しみにしています🍀♥️




****************
『2人の初デート』をリクエストさせて頂きました。
喧嘩してるっぽいけど、イチャイチャしまくってる2人♡
テンポのいいつくしんぼさんのお話大好きです!

つくしんぼさん、素敵なお話をありがとうございました♡






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コメント

コメント(2)
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2019/01/20 12:28 編集返信
くるみぼたん
スリ○○○○○○様
2人のデート…原作では、
ほんとロクなこと無かったですよね。

そんな2人に楽しい思いをして欲しくてリクエストしちゃいました♡

そう、つくしんぼさんにしてはかなり甘めに仕上がってて
ニマニマしちゃいました(≧∇≦)

ポンポンと交わされる2人の会話の中にもお互いへの愛が溢れてますよね^ ^

くるみぼたん

2019/01/20 20:44 URL 編集返信
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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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