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はじまりのお話 4




腕の中のつくしはガタガタと震えている。

「ごめん、ごめんな…。」

落ち着くように背中をさすり続ける。





「司様、車にお乗り下さい。」


事後処理が終わったSPが声をかけてくる。

「わかった。つくし、車に乗るぞ。」

俺にされるがままに、つくしは車に乗り込む。


「これをお嬢様に…」とSPから受け取ったミルクティーを
つくしに渡すと、一口飲んで、「甘くて美味しい…」とフッと顔を綻ばせた。


「つくし、ごめんな…。俺のせいで怖い目に遭わせちまったな。」


ブンブンと首を振っているつくし。


「なぁ、今度でいいから俺の話聞いてくれるか?」
「・・・・・」

「酷いこと言って、そんな資格ないか。」
「今度じゃなくて、今からでもいいよ…。」

「もう遅いだろ。」
「いい、今聞きたい。」


車の中でする話でもねーから、メープルに向かうことにした。


メープルの地下駐車場に車が停まると、ちょっとオドオドした様子。


「他の奴らに聞かせる話でもねーからここでいいか?
何にもしないから。」
「ん、わかった。」

俺のコートの腕の部分をちょこっと持って俺に付いてくる。


部屋の入り口でも、ちょっと躊躇していたが
ふうっ〜と大きく息を吐いてから俺に着いて来た。


「そこ座っていいぞ。」


ソファにちょこんと座った牧野は居心地が悪そう。


「なんか飲むか?シャンパンでも出すか…って、
酒はダメだったな。
ハーブティーがあるからそれでいいか?」
「あっ、うん。」


ハーブティーを淹れて持って行くと、さっきから微動だにしていない。


「ぷっ、とって食ったりしないから、力抜けよ。」
「……うん。わぁ、いい香り。」


ハーブティーをテーブルに置くと、周りにふわっと香りが漂う。


「飲んでいい?」
「ああ。」


一口飲んで、ふわっと笑顔になった。


「いちご?」
「ラズベリーベースのブレンドティーだ。
つくしこんなの好きだろ?」
「うんっ。ほんのり甘くて美味しい。」


半分ぐらい飲んだ後にカップを置いて、
隣に座ってる俺の方に身体を向ける。


「司、話って何?」
「ああ。」


めちゃくちゃ緊張するな。


「つくし、さっきはごめん。酷いこと言った。」
「うん。」

「簡単に許してもらえるとは思わないけど、
俺のこと聞いてくれるか?」
「いいよ。」


「俺の名前は道明寺司。」


俺の苗字を聞いてハッとしていた。


そりゃそうだよな…


「つくしも知ってると思うけど、
道明寺財閥の御曹司っつーやつで…」

子供の頃から、道明寺の名前と見た目で
俺に寄ってくる奴らは数えきれなかったこと。
思春期を過ぎた頃から、
女達が俺を性的な対象として見てくるようになって、
女が嫌いになったこと。
仕事をしてても政略結婚を目論んでるオヤジや
なんとしても一夜を過ごして既成事実を作りたい女たちに囲まれていて、
人を信じられなくなっていたことなどを話した。


「御曹司って、大変なんだね。」


気の抜けるような反応をするつくし。



友好的な関係を築けていると思っていたのに
つくしが一目惚れだって言ったのを聞いて
カッとなってしまったと。



「最初は一目惚れだったけどね…」

気になり始めたのは、一目惚れだったけど、
一生懸命講義を聞いている姿とか、
友達と話している時の笑顔が素敵で、告白したんだと。


告白して少し距離が近くなって、
ちょっと俺様で強引なところ
優しいところ
ちゃんと自分の話を聞いてくれるところ
知識の広さ
なんかを知ることができて益々好きになったって言っていた。


「俺、つくしのこと…」
「わ、わ、わあ〜!今言っちゃあ〜ダメ!!」


突然両手で口を塞がれる。


「ふぁ〜な〜すぇっ!!」
「今言わない?返事はホワイトデーだよ?」


じっと俺の目を見つめて言うので、
コクコクと頷くとようやく手を離してくれた。


「はあぁ〜。」
「ごっ、ごめん…ね。」


帰ると言ったつくしを遅いから…と引き留め、
俺がシャワーを浴びている間に、ソファで眠っていた。


「…ったく、後30分だぜ。この鈍感女!」


鼻をキュッとつまむと、
「うんーんっ」っと言うものの起きる気配はない。
仕方なく、ベッドに運んでやり、
俺は別の部屋で眠れない夜を過ごすこととなった。




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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
ブログ内のお話等の無断転載、無断掲載は固くお断りしています。

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