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好きになって…。19






前回は出張だから泣く泣く断念したらしく、
今回は有給をとって司は妊婦検診についてきた。


受付を済ませ、トイレで検尿を出してから待合室に行くと、
前回の検診で出会った早苗さんがいた。


「こんにちは、早苗さん。」


顔を上げた早苗さんは、司を見て顔がこわばった。
そして、早苗さんを見た司も固まっている…。


「司、もしかして早苗さんって…」
「ああ、元婚約者だ。」


前に会った時もそうだったけど、
早苗さんはすごく疲れているように見える。

司に抱き寄せられたあたしを見て、
ぷるぷると体を震わせながら言葉を発した。


「司さんの隣は私の場所だったのに…。。
私なんか一度も抱いてもらえなかったのに
なんであんたが妊娠してるのよ!!」


周りの人達が好奇の目で見ている。


「ふざけんなっ。こいつは関係ないだろっ。
それにお前が先に浮気して子供を作ったんだろう。」

「セレブな生活が続くはずだったのに…なんで私ばっかり・・・」


早苗さんの言葉を最後まで聞かずに司は、
「病院を変えるぞ」とあたしを連れて
受付で母子手帳をもらって病院を出た。

車に乗ってどこかに電話をかけてから車を走らせた。


「ねぇ、司?」

「ああ、巻き込んでごめんな。気分悪いよな。」

「大丈夫。どこに行くの?」

「道明寺総合病院。連絡入れてあるから。」

「ん。わかった。」


病院に行くと優しそうな年配の女医さんで司も取り上げたって言ってた。


「もう胎動はあるのよね?」
「はい。」

「性別は知りたいのかしら?」


司の顔を見ると、興味津々で体を乗り出している。


「司、聞いてもいいですか?」
「ああ。先生お願いします。」


エコーを動かして、一箇所を行ったり来たりしている。


「女の子ね。角度を変えても見えてこないから。」


女の子かぁ〜、司に似たら美人さんだろうな。


帰りの車で、司はニマニマ…いやニヤニヤしている。


「司?どうしたの?」

「女の子だってよ。つくしに似たら可愛いんだろうな…と思ってよ。」

「えー、司に似た美人さんがいいのに…。」


「「・・・ぷっ」」

お互いの手を見合わせて笑った。


「楽しみだね。」
「ああ、そうだな。」







**


妊婦検診に行った時、
少し気分が優れなくて俯いていた所に
「大丈夫ですか?」と声をかけられた。

顔を上げると、同じように検診に来ていた人。
人懐っこくて、つくしさんって名前だった。


ああ、私とは違って幸せそうだな…。



私には婚約者がいた。
見た目も財力も申し分ない人。


でも、一度も私の方を向いてくれることは無かった。

何度かベッドに誘っても最後までする事は出来ず、
自分に魅力がないのかと思っていた。


そんな時に、親戚の集まりで
久しぶりに会った従兄弟の圭人と
勢いで関係を持ってしまった。


求められる事が嬉しくて、
関係を続けた結果…圭人の子供を妊娠した。

圭人に話すと、「結婚しよう」と言われて嬉しくて司さんと別れた。


別れて圭人と一緒に暮らし始めたのは良かったけど、
道明寺からの業務提携が無くなり、
銀行からの融資も打ち切られ会社は一気に窮地に陥った。


会社を立て直すために奔走していた圭人は、
そのうち家に帰ってこなくなった。
会社に寝泊まりしてるらしい。
今が正念場だから、しょうがないんだけどね。


親も会社の立て直しに忙しく、
一人で寂しく過ごしているうちに検診日を迎え
つくしさんに再会した。


相変わらず幸せそうな雰囲気で、
隣にいた旦那さんを見て驚いた。


私が別れた元婚約者の司さんだった。



私は抱けなかったのに、つくしさんは抱けたんだ…。

それに、彼女を大切にしている様子がわかり
私にはそんな態度で接してくれなかったのに…とすごく悔しくなった。


酷い言葉を投げつけてしまったたけど、
結局は二人の絆を見せつけられて惨めになっただけだった。
去り際につくしさんは「早苗さんも幸せになってください」
と声をかけてくれ、なぜ司さんが彼女を選んだのかわかった気がした。





いつも応援ありがとうございます!

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後半、司くんの元婚約者の早苗さん視点のお話でした。
司くんの婚約者でなければ普通に幸せになれたのかなぁ。

元婚約者に制裁を…なんて声も頂いてたのですが、
道明寺との提携打ち切りと、仲が良さそうな二人を
見せるだけで十分かな…。


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コメント

コメント(3)
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2019/06/07 10:11 編集返信
くるみぼたん
童○様
司くんの元婚約者は、恵まれた環境に生まれ育って、
しかも婚約者が司くんで、更に上のレベルの世界で暮らすことに
気を取られて、司くんときちっと
向き合ってこなかったんですよね、きっと。

気がついたら、自分に目を向けてくれないことに
不満を感じて、あんな行動に走ってしまったのかな…
なんて、頭の中で考えながら書いてました。

今はちょっと寂しいけど、裕福じゃないかもしれないけど
旦那さんと幸せになりますよ…。

くるみぼたん

2019/06/09 23:06 URL 編集返信
くるみぼたん
拍手コメント H○様
そう言ってもらえると、安心しました^ ^
ありがとうございます♡

くるみぼたん

2019/06/09 23:07 URL 編集返信
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Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
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