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結婚式までの日々 ⑥ 『6月の花嫁』番外編






道明寺の両親に挨拶をしたかったんだけど、
忙しい人達だから会えたのは結婚式の前日の夕方。


道明寺は電話で結婚の報告したら
何にも言ってなかったから問題ないなんて言ってたけど、
お父さんに会うのは初めてだし緊張する。



一緒に夕食を食べるって言ってたけど、大丈夫かなあたし。


夕食の準備が出来たからと聞き道明寺とダイニングに向かった。


「ああ〜緊張するっ。」

「おまえ大丈夫か?めちゃくちゃ不細工になってんぞ。」
「えっ、嘘っ?」

「はははっ、冗談だよ。牧野は可愛いから…」


いきなり立ち止まってキスをされた。


「もうっ!誰かに見られるでしょ。」
「いいだろ?減るもんじゃないし…。」
「そう言う問題じゃないのっ。」


ギャアギャアと言い返していると、
ニヤリと笑って頭にポンポンと手を置かれた。


「そのままの調子でいけよ。取り繕う必要ないだろ。」
「……うん。」




「仲良いのね。」


突然後ろから声を掛けられた。


「お姉さんっ!!!」


振り返ってみると、お姉さんと旦那さんそれに娘さん…かな。


「つくしちゃん!会いたかったわ。」


あっという間に抱きしめられてしまった。

お姉さんは、あの頃と変わらずにパワフル。
ギュウッと抱きしめられて、く、苦しい。


「椿、つくしちゃんが苦しそうだよ。」
「あら、ごめんなさい。嬉しくってつい…。」


力を抜いてくれて、ふぅ〜っと息をすることが出来た。


「つくしちゃん、旦那さんの修(おさむ)と娘の鈴香(すずか)6歳よ。」

「初めまして、牧野つくしです。」

「初めまして。つくしちゃんの事は椿から良く聞いてるよ。司くんとの結婚が決まって大喜びしてたからね。」

「ママ、つくしちゃんかわいいね。」
「そうでしょ。司のお嫁さんになってくれるのよ。」

「つかさくん、よかったね。」
「ああ。」


鈴香ちゃんは6歳なのに椿さんに似て美人さん。
旦那さんの修さんもとっても優しそうな人。
お見合いだって言ってたけど、
そんな風に見えないぐらいお似合いの夫婦。


「そろそろ行かないとお母様たち待ってるわね。」


そうだった。


今から道明寺のご両親に会うんだった。


お姉さん夫婦に続いてダイニングに入っていくと
既に道明寺の両親は席についていた。


「親父、こいつが結婚相手の牧野つくし。お袋は知ってるよな。」
「初めまして、牧野つくしです。よろしくお願いします。」

「司の父の要(かなめ)です。妻の楓はもう知ってるよね。」
「はい。」

「そんなところに立っていないで座りなさい。」
「失礼します。」


椅子に座ったものの落ち着かない。


「おまえ大丈夫か?またブサイクになってんぞ。」
「……うん。」

「牧野、おまえそんなんで社長出来てんのか?」
「うん、たぶん…。」

「つくしさん、司のことよろしくお願いしますね。」
「はいっ!!」


道明寺のお母さんの声が聞こえたので
条件反射のように立ち上がって返事をした。

あれっ、周りを見回すとみんな肩を震わせて笑っている。


あれ?あたし何かした??


「緊張し過ぎだろ。とりあえず座れよ。」
「あっ、うん。」


道明寺は椅子を引いてあたしを座らせてくれた。


「こんな司な姿は初めてみるね、楓。」
「そうですね。」

「司はつくしちゃんには優しいのよ。」
「それに、司の方がつくしさんにゾッコンってところかな。」
「ええ、つくしさんの為にこの9年頑張ってきたようなものですから。」


道明寺のご両親は楽しそうに話しをしているんだけど、
今更だけどあたしのこと反対してないんだよね。


「つくしさん、高校生の時は楓がすまなかったね。
でも、あのままじゃ間違いなく二人とも駄目になっていたからね。」

「いえ、あの時はわたしも何も見えていない子供でしたから。」

「ありがとう。司のことよろしくね、つくしちゃん。」
「はいっ。こちらこそよろしくお願いします。」


あの頃に想像してたより道明寺のご両親は
普通で…緊張がほぐれたあたしは
出されたお料理を美味しくいただいた。


「あのホールを使うのは司の3歳の誕生日以来かな。」
「そうですね。」

「えっ、そんなに使われていなかったんですか?
手入れが行き届いてて、すごく綺麗なのに…。」

「楓が仕事をするようになって
つくしちゃんも知ってると思うけど
私達はほとんど日本に居なかったからね。」

「・・・」

「中学に入った頃から荒れ出した司に対しても、
お金しか出してこなかったからね。
だから、つくしちゃんと一緒にいる時の
司の表情を見た時は衝撃的だったよ。
こんな優しい顔も出来るんだと思ってね。」

「俺様で強引だけど、ど…司さんは優しさはずっと持っていたと思います。」

「それを引き出してくれたのはつくしちゃんだよ。
あの時の私達は、相手はつくしちゃんじゃなくてもいいんじゃないかと思ったのも事実。
でもそうじゃなかったんだよね。」

「そんなの当たり前だろ。誰でもいいってもんじゃないだろ!」


少し怒った口調で道明寺が口を挟んできた。


「私達もそう思ったから、楓があんな課題を課したんだよ。」
「ああ、10年で副社長の話な。」

「そう。司は死にものぐるいで努力して目標を達成したし、つくしちゃんも努力して今の地位があるんだから、私達は二人の結婚に反対しない、むしろ歓迎するよ。」

「私は、たまたま友達に誘われて初めてただけだし、社長と言っても社員は20名ちょっとしかいないし…。」


お義父さんは、ふふっと笑った。


「社員が少なくても、5年も会社を続けていくのって大変なんだよ。才能のない人には出来ない事なんだよ。」
「はい。」

「そうそう、海外に事業拡大する時は言ってね。私も楓も協力するよ。」
「ありがとうございます!」


緊張していた食事の時間は、思いの外温かい気持ちになる時間だった。






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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
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