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17歳の約束 22






月曜日
パソコンを立ち上げて金曜日の続きをしようとファイルを探しても
どこにも見当たらない。



嘘……。

もしかして…。



金曜日に浅田さんから聞いた話もあって
疑惑が浮かんだけど、証拠がない。

泣き言を言うのも悔しいから
明日の朝一に必要なものだから
昼ごはんを食べる時間も惜しんで
夜の10時までかかって仕上げた。


「はぁ〜、出来たっ!!」


パソコンの前で座ったまま
大きく体を伸ばしをしていると
あたしの好きなミルクティーがデスクに置かれた。


「お疲れ。遅くまで珍しいな。」
「司?ありがと。」


「間違って、データを消しちゃったみたいでさ。
最近こんなミスばっかりで嫌になっちゃう。」


念のために…と持ってきてたUSBにデータ保存して
パソコンのファイルは司には気づかれないように
数値を少しいじって保存しておいた。


「一緒に帰るか。」
「うん。ロッカーから荷物を持ってくるね。」




**


パタパタと歩いていくつくしがロッカールーム入ったのを確認してから、西田に電話をかける。


「秘書室のセキュリティカメラをチェックしておいてくれ。
ああ、つくしが来てからの分全部頼む。」


電話を切ったところでつくしが戻ってきた。


「仕事の電話だった?もう大丈夫?」
「西田に連絡入れただけだから問題ない。」


お腹すいたねぇ〜って言いながら俺を見上げているつくし。


最近、悩んでいたようだが、もう心配ねえょ。




飯を食ってマンションに帰り、つくしを抱き潰した。

意識を飛ばして眠ってるつくしの髪をひと撫でし、
バスローブを着て書斎に入った。


西田から着信が来ているのを見て
折り返し電話をかけた。


「夜中にすまないな。
ああ・・・やっぱりそうか。
ああ・・ああ、わかった。
明日の朝早めに行って張ってくれ。
つくしがトラップ仕込んでるみたいだから。」


つくしの鞄の中からUSBを拝借し
パソコンに繋いでファイルを確認してから鞄に戻しておいた。




***

翌朝、つくしと一緒に出社し執務室に入ると
西田が神妙な顔をして入ってきた。


「司様の予想通り、今朝牧野様のパソコンからデータを移していました。
セキュリティカメラもチェック済みです。」

「サンキュ。じゃあ行くか。」
「はい。」



執務室を出て秘書室に西田を一緒に入った。


「牧野さん、H社に持っていくデータできてますか?」

「はい。今からプリントアウトします。あれっ???」


がっくりと肩を落とした。


「もしかしてまた出来てないんですか?」


若干、嬉々として島田が口を挟んできた。


「昨晩仕上がってますので、少しお待ち下さい。」


ロッカーに向かうつくしを見て、島田が口を開いた。


「牧野さんには第二秘書は無理なんじゃないですか?
ミスも多いですし、仕事も遅いですから。」

「なんでそう思うんだ。」

「私が、仕事の片手間に出来る事を2日かかっても終わってないんですよ。
それに、H社のデータなら私も纏めてますから。」


パソコンを操作して、データをプリントアウトした。

島田がプリントアウトされた書類を俺に差し出したところでつくしがUSBを持って戻ってきた。


一通り書類を見た俺は笑いそうになるのを堪えながら、つくしに尋ねた。


「つくし、昨日パソコンに残したデータには何で書いて保存したんだ?」
「えっ?」

「パソコンを落とす前に書き換えだろ?」
「気づいてたの?」

「ああ。で、なんて書いたんだ。」


「ふっ、ふざけんなって…。」


「流石だな。俺の出る幕無かったかもな。」


笑いを堪えながら、島田がプリントアウトした資料を牧野と島田に見せた。

パッと見では見落としそうなデータの真ん中に
色を変えて『ふざけんな』と書いてあった。


「自ら志願してこれですか?
お粗末にもほどがありますよ。
今回の件だけでなく、N社の誤ったデータを渡したのも
牧野さんのパソコンからデータを何度か消したのも
島田さんあなたですよね。」


西田が、タブレットで証拠のビデオを流すとがっくりとうな垂れた。


「副社長の婚約者だからって、
経験もない人が秘書として私より上の立場にいるのが許せなかったんです。」

「経験が無いからって、人の手柄を横取りしたり、
データを消していい理由にはならないだろ。
つくしは、薄々お前の仕業だと気付きながらも
泣き言1つ言わずに自分の責任だって頑張ってたよ。」

「副社長、もういいです。」

「はぁ〜、西田後は頼んだ。つくしH社に行くの同行しろ。」


もう用はないと秘書室を出てエレベーターホールに向かった。


「あっ、荷物取ってきます。」


慌てたようにロッカーに鞄を取りに行ったつくしを
エレベーターホールで待っていた。


「行くぞ。」

「H社のデータは?」

「昨日の夜、つくしが寝てからチェックしたから心配ない。」
「・・・・・」

「俺が何も気づかないと思ってのか?」


しまった…と言わんばかりの顔をして
首を横に振っているつくしの頭をポンポンと撫でた、


「心配ゴトがあるんだったら今度からちゃんと話せよ。」
「はい。ごめんなさい。」


結局、島田には自分で辞表を書かせて退職させた。
懲戒解雇にしないところで、次の就職先はないけどな。

つくしに実害があったら、容赦なく叩きのめすところだが…
つくしが悲しまないような手段を取った。
俺も随分丸くなったよなぁ。





いつも応援ありがとうございます!


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コメント

コメント(4)
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2019/08/01 10:28 編集返信
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2019/08/01 20:54 編集返信
くるみぼたん
童○様
今回は、司くんというよりつくしちゃんが戦いました!

島田さんは、前からちょっと問題あったんですよね…。
西田さんもそれを知った上での起用でした。

肩書きが全て…みたいな人確かに多いですよね。
コメントありがとうございました。

くるみぼたん

2019/08/02 07:33 URL 編集返信
くるみぼたん
スリ〇〇〇〇〇〇様
司くん…
間があったとはいえ、高校生の頃から
ずっとつくしちゃんを見てきましたからね(*´∀`*)
異変にはちゃんと気づいてました。

つくしちゃんが人を頼らずに頑張ってしまうのも
ちょっと頼りない両親の元で育ってきた所為もあるのかな…
と思います。

今回の事件を踏まえて
つくしちゃんの心境の変化が次のお話です♡

くるみぼたん

2019/08/02 07:50 URL 編集返信
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くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
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