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星空の下で 〜『17歳の約束』番外編







「ね、ふたご座流星群だって。」



朝食を終え、テレビのニュースを見ていたつくしは
期待した目で司を見ている。


「おまえ安定期に入ったとは言え妊娠してんだろ。体冷やすからダメだ。」


えーっと文句を言いながらつくしは頬を膨らませている。




つくしと司が結婚して、2ヶ月。
もうすぐ妊娠6ヶ月になる。



「今年は綺麗見えるらしいのに…。」


諦めきれない様子でつくしはブツブツ言っている。


「プラネタリウム行くか?」


司の一言にパァッと花が咲いたようにつくしの顔がほころんだ。


「行きたい!!」


フッと司が笑って、準備しろよと言ったので
つくしは急いで身支度を終え、司の運転でプラネタリウムに向かった。




プラネタリウムはガランとしていて貸し切りのようだった。


「司、これにしようっ!」


つくしが見たがったのはふたご座流星群のスペシャルプログラム。


「いいぞ。」


チケットを購入して、プラネタリウムの中に入り座席についた。


「わー、プラネタリウムなんて久しぶりっ。」


子供のようにはしゃぐつくしを司は目を細めながら見ている。


「ほら、もうすぐ始まるぞ。」


司はつくしの手を握り、二人で天井を見上げた。
館内が薄暗くなってしばらくしてから上映が始まった。



ー まずは、今の冬の空から。
この時期で、真っ先に目がいくのは冬の大三角形……
学芸員が説明をする声が館内に響いている。


楽しそうに星空が映る天井を見つめているつくしを見て、
司は何かを考えている様子。




上映が終わり、プラネタリウムを出る時につくしがキョロキョロと周りを見回していた。


「誰もいなかったんだね…。二人の為だけに上映されてたなんてちょっと贅沢。」


そんな声を聞いて、貸切にさせたなんて言えなかった司であった。


「プラネタリウムも良かったけどさ、やっぱり本物の流星群見たかったな。」


つくしの発言に、司がニヤリと笑った。


「そう言うと思って準備してる。」
「準備??」

「ただし、つくしの体調がいいのが絶対条件だけどな。」
「いい、いい。お腹も張って無いし大丈夫っ!」

「ふっ、わかったよ。一度マンションに帰って準備するぞ。」
「はーい。」
「ゲンキンなヤツ。」


なんだかんだ言っても、
司はつくしの願いなら何でも叶えてやりたいと思っている。


マンションに戻り、一泊分の暖かい服を準備しろと言われつくしは準備を始めた。


「で、どこに連れて行ってくれるの?」
「軽井沢だ。」
「寒いのに?」
「別荘に、じいちゃんが作った天文台があるからさ。そこなら室内だしつくしでも大丈夫だろ。」
「ありがと。」
「その代わり、今晩は俺の相手してくれよな。」
「なっ/////……いいよ。」


二人分の着替えやベンチコート、
マフラーと手袋などを準備して
リムジンに乗り込み軽井沢へと向かった。

「ここが別荘なの?」
「ああ。来るのは高校ん時以来か。」
「えーもったいない。」
「本館は誰も使わないけど、別館は邸で働いている従業員の保養所になってるんだぜ。」
「そうなんだ。」


綺麗に手入れをされた別荘につくしは感動していた。


「つくし、とりあえず飯食おうぜ。」


突然訪れたのに、
食事の準備がされている事に恐縮しつつダイニングに行くと、
焼き立てのパンの香りが漂って、
つくしのお腹がグゥ〜っと鳴った。


「相変わらずお腹は素直だな。」
「こんないい香りがしてたらしょうがないでしょ。」



「つくし様、こちらの別荘の支配人をしております田上と申します。お目にかかれて光栄です。」
「つくしです。よろしくお願いします。急な事なのに食事の準備まで、ありがとうございます。」
「いえ、それが私どもの仕事ですから。」
「料理長にもよろしくお伝え下さい。」
「かしこまりました。」


ホカホカのお料理は妊娠中のつくしに合わせて
カルシウムと鉄分たっぷりのメニュー。

つわりの終わったつくしは、
料理長に感謝しながら美味しいお料理を堪能した。


「食い終わったら、天文台に行くか。」
「やった!」
「室内だけど冷えるから暖かくしろよ。」
「わかってる。」




食事を食べ終え、身支度をして
本館と別館の間にある天文台に続く螺旋階段を上って行くと
ドーム型のガラス張りの天井から見える満天の星空。


「わぁ〜!!すごい!!!」
「つくし、こっち。」


二人でソファベッドに横になって星空をゆっくりと眺めた。


「冬の大三角があそこだから、双子座は……あっ、今!!司見た??」
「そんなに騒がなくても見てるよ。」


笑いながらも、司はつくしを抱き寄せた。


「ぷっ、モコモコだな。雪だるまみてぇ。」
「だって、暖かくしろって言ったの司でしょ。」


今日が流星群のピークで、二人が話している間も星が流れている。
30分くらい眺めたところで、つくしがくしゃみをした。


「冷えてきたな。そろそろ部屋に戻るか。」
「うん。」


螺旋階段を降り、二人が泊まる部屋へと入っていった。
ベンチコートやマフラー、手袋などを脱いでから
司の希望でお風呂に入った。

お風呂の天井には小窓があって
浴槽に浸かりながら星空が眺められる。


「司、連れてきてくれてありがとうね。嬉しかった。」


つくしは司に身体を預けて、星空を眺めながら呟いた。
背後に座っている司は
つくしの少しふっくらしてきたお腹にそっと手を当てると
つくしも自分の手を司に重ねた。


「お腹張らないか?」
「ん、平気。」
「今日はよく動いてるな。」


数日前につくしが胎動を始めて感じてから
まだまだ小さいはずのつくしのお腹の子は
特にお風呂ではよく動いてる。


「あたしの嬉しい気持ちが分かっちゃうのかな。それに、司の声がするとこの子も嬉しいみたい。」
「そろそろいいか。」


司のお腹に当てていた手が
上にあがってきてつくしの胸をゆっくりと揉み、
つくしのうなじに唇を寄せた。


「んっ……」


湯船から上がった司はつくしの身体を拭き
髪もしっかりと乾かしてからベッドに入り
満点の星空の下でゆっくりと二人の世界に入っていった。





END









いつも応援ありがとうございます!

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『17歳の約束』番外編です。
初めて三人称でお話を書いてみたのですが…上手く書けてるでしょうか(*´∀`*)

お話の流れ上ちょっと季節外れのお話ですが…
少しでも暑さがマシになればいいな。
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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
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