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ひと夏の恋 17

2019.08.25 09:00|ひと夏の恋《完》





つくしと付き合い始め、
俺の研修期間もあと3日となった時に
トラブルが起きた。

AZマートの注文のブリーチーズが
10ケースだったところ100ケース届いている…と。

確か、つくしが熱を出して
俺が契約を取ってきたものだった。

注文伝票を確認すると、
俺の字で書いてあるが後からゼロをつけ加えてあった。


チッ、下らない事するんじゃねーよ。


「とりあえず、配送車連れてAZマート行ってくる。」
「俺の責任だから、俺も行くから。」
「ん、わかった。トラックの運転お願い。」

移動中もつくしは引き取ってくれそうな取引先を
リストアップしていっている。


「俺に出来ることあるか?」
「後で、力仕事お願いするから今は運転に集中して。」
「わかった。」


道明寺HDでは、大きな契約をいくつも取って
それなりの地位にいる俺も研修先のここでは何も役に立たない。


AZマートに到着すると、
つくしは真っ先に店長を探して
「申しわけありません」と頭を下げていた。

もちろん俺も頭を下げたんだが…。


「10ケース以外を引き上げてくれるんだったら問題ないから。」
「はい。もちろんです。が、店長にお願いがあるんですが…。」

「なんだい?」
「この商品、試食販売してもらえませんか?」


こんな風に3種類ぐらいの展開でと資料を見せて、
試食分の経費はうちで持たせていただきますから…とお願いをしていた。


「へぇ〜、この使い方は斬新だね。
これなら相当売れそうだ。後10ケース置いてって。」

「はいっ!ありがとうございます。
試食販売分で5ケース置いていきますね。
なるべく早く引き取り先を探して手伝いに来ますから。」


つくしはそう言って、再び店長に頭を下げてから
トラックに積み込み作業に移った。

「つくし、ここは俺がしておくから引き取り先の手配に専念して。」
「ありがとう。」

つくしが必死になって引き取り先を探しているのは、
商品が生もので賞味期限が2週間と短いからだ。

荷を積み終えて車に乗り込むと、
つくしは電話をしている最中だった。


「はい、はい、ありがとうございますっ!」


電話を切って、③とリストに書き込んでいた。


「どうだ?」
「んー、引き取ってくれるところはあるんだけど、
みんな少しずつなんだよね。」

「後、どれぐらいだ。」
「50ぐらいかな。」

「俺もちょっとダチに当たってみるわ。」


類とあきらに連絡を入れると、
系列のレストランで5ケースずつ引き取ってくれることになった。

最終的に後15ケースになったが、
つくしのアテは出尽くしたらしい。

それでも20近くの取引先が協力してくれたんだから、
つくしの取引先からの信頼はかなり高い。


「後、15ケース…どうしようかな。」


メープルに引き取らせることは簡単だが…
つくしが努力しているのに、狡い手を使うようで気が引けた。


「あ、そうだ!楓さん!!」


誰だそれ??と思っていたら
あたしの奥の手…と言いながら
携帯の電話帳から目当ての相手を探し出し電話をかけた。


「もしもし、楓さん?つくしです。
えっ、日本にいらっしゃるんですか?
ラッキー!!
ちょっとお願いがあって連絡したんですけど…。
・・・えっと、ブリーチーズを手違いで多く発注してしまいまして…
・・・15ケース150個です。
・・・えっ、いいんですか!!
ありがとうございます!
・・・今からで大丈夫です。
・・はい、メープル東京ですね。
着いたら連絡しますね。」


電話を切って、つくしは笑顔でVサインをしていた。

めちゃくちゃ可愛いんだけどよ…

楓、メープル東京…と
かなり気になるワードが並んでいる。


「先ずはメープル東京に向かってくれる?
楓さんは社長らしくて忙しい人だから。」
「了解。なぁ、つくし。楓さんって…。」
「あたしの友達。大学生の頃に知り合ったの。」


ババァで間違いないんだろうけど、友達って…。


トラックをらメープルの地下駐車場に入れ、
つくしが電話をかけると
5階のオフィスまで持ってきてと言われたらしい。


「こっちだ。」


台車に商品を乗せて従業員用のエレベーターに乗って5階に向かった。
途中、俺に気づいた従業員には
目で何も言うなと威嚇しておいた。

5階に行くと社長室に案内され、
つくしは少し緊張している様子。


社長室に入ると
ババァが見たことのない笑顔でつくしを出迎えていて
つくしもババァの顔を見て笑顔になった。


「つくしさん、久しぶりね。
あら、あなたも一緒だったの。」
「楓さん、今日は無理言ってすみません。」

「いいのよ。頼ってもらえて嬉しいわ。
レストランとバーで使わせてもらうわ。」


それなら、参考に…と
つくしのまとめたレシピが載った資料をババァに渡していた。


「伝票を切らせてもらってもいいですか?」
「当たり前でしょ。仕事なんだから。」


つくしは伝票を切ろうとして、ふと顔を上げた。


「あのっ、宛先は…。」
「メープル東京でいいわよ。」
「はい。」


つくしは伝票を切り終えて
ババァにもらったサインをマジマジと見ていた。


「楓さんって、もしかして道明寺楓さんなの??」
「ふふっ、そうよ。」
「……ってことは、司のお母さん???」






いつも応援ありがとうございます!


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コメント

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no〇〇様

コメント残して下さってありがとうございます(≧∀≦)
私も、いつも話を読ませて頂いてますが
コメント残せずで…ごめんなさいm(_ _)m
そろそろ佳境を迎えますね。
次の展開に毎日ドキドキです(≧∇≦)

ふふっ、つくしちゃんは楓さんとまさかの知り合いでした!
どうやって知り合ったのか…などはまた後日出てきますよ。

確かに…
もしとか、たら、ればを想像していってるのが
二次ですね(*^▽^*)
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花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
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