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ひと夏の恋 18






つくしは目が落っこちるんじゃないかと思えるほどびっくりしている。


「楓さんと司が親子……、楓さんと司が親子……。」


呪文のように繰り返している。
ってか、メープルの社長室に入った時点で気づけよな。


「つくしさん、愚息がお世話になってるようね。」
「司は全然バカ息子じゃなくて…仕事も出来る素敵な人でしたよ。」


パニクり過ぎて、俺のこと呼び捨てにしてること気づいてないぞ。
つーか、バカ息子ってなんだよバカ息子って!!


「司、あなた浮いた話も全然無いと心配してたのに、中々見る目があるのね。」
「まあな。」


「つくしさん、明日の夜時間取れるかしら。
久しぶりに夕飯でも一緒にどう?
今日は、納品で忙しいんでしょ?」

「あっ、はい。明日なら大丈夫です。
ほんとだ、そろそろ行かなきゃ。
楓さん、ありがとうございました。また明日〜。」


手を振って社長室から出て行った。


「あなたも来たかったらどうぞ。」


俺が社長室を出る時にババァに声をかけられた。



「はぁ〜、楓さんと司が親子だったなんてびっくりした〜。
あたし達が付き合ってるって気づかれてないよね?」
「どうだろうな。」


がっつり気がついてるぞ。

パニクり過ぎてババァが俺に言った言葉、
理解出来てなかったみたいだな。


「さっ、残りも届けに行かなくっちゃ。」


どの取引先行っても、
牧野さんの為なら…と快く引き受けてくれた。

類やあきらのところで
それぞれ意味深な笑顔を向けられ
また奢れよと言われた。


「司の友達ってさ…西門さんもそうだけど、みんな美形揃いなんだね。」
「普通だろ、普通。惚れるなよな。」
「普通って…。あたしには司が居るでしょ。変な心配しないでよね。」


付き合いだしたばっかりだけど
ちゃんとつくしが俺のことを彼氏だと思っていてくれて
かなりテンションが上がった。


社に戻り、納品伝票と共に試食に5ケース置いて行った事などを美波部長に報告をした。


「流石だね。」


パラパラと伝票をめくりながら1枚の伝票で手を止めた。


「メープル東京…これは道明寺さんの…」
「いえ、社長と牧野さんは以前からの友人だったようでして。」
「そうなんだ。牧野さんは面白いよね。」


美波部長が言うには
男女問はず気難しい人がいる取引先に牧野さんが行くと
驚くほど簡単に契約を取ってくるんだと。

つくしは、人を惹きつける魅力があるから、
俺も他に取られないようにしないといけないな。


つくしが席に戻っ後
美波部長に今回の件の気になることを話した。


部長は、ため息をつきながら受け止め
「やっぱり、どうにかしないとダメかぁ〜」と言っていた。

営業部の美波部長は、確かここの社長の三男だったよな。
自分の立ち位置がわかってるからか
敢えてのらりくらりとしている気がする。
もったいねぇな。

この件は俺がどうこうすることじゃねーので、部長に任せる事にした。


席に戻ると、俺たちを嵌めようとしたヤツはすげー残念そうな表情をしていた。
こんな事しても、つくしの評価を上げるだけじゃねーのか。
つくしは、特に気にする素振りもなく明日の準備を進めていた。


仕事を終え、つくしのマンションに一緒に帰ると
玄関を入るなりつくしに抱きつかれた。


「どうした?」


何も言わずに、ぎゅーっと俺に抱きついて離れようとしない。


「悔しい…。」
「つくしはすげー頑張ってるぞ。
今日も惚れ直すぐらいカッコよかったぞ。」


先方から、連絡があった時に
ライバルだけどチームのはずなのに
誰もフォローに回ろうとしなかったからな。

つくしを抱きしめながら頭をポンポンと撫でていると、
体から力が抜けすぅーっと眠ってしまった。


「クッ、子供みたいだな。」


平静を装っていたけど、相当無理してたんだよな。
お疲れさん。

ベッドに運んで、スーツを脱がせてパジャマを着せてメイクを落とし、
俺はシャワーを浴びてからつくしの眠っているベッドに潜り込んで
つくしを抱きしめて眠りについた。


翌日、一度出社してからつくしと共にAZマートに向かった。
つくしは試食販売の裏方の仕事をし、
手が空けば店頭に立って商品を進めている。

つくしのアイデアの3種類の試食はどれも好評で、
フェアをしている期間中には20ケース十分に売り切れそうだった。







いつも応援ありがとうございます!

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今日は、18時に短編のお話をUPします。


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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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