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『うきわ⁈』の正体







邸の書斎で仕事をしていると、
カチャッとドアが開くなり
実乃莉(みのり)が質問してきた。

「パパ〜、うきわってなにぃ?」
「はあ?うきわ??」

4歳になったばかりの実乃莉は誰に似たのか若干ませているから
時々驚くような質問をしてくる。

「そーちゃんがね、ママにいってたの。パパがうきわしてるって…。」


はぁ??


浮き輪ってプールで使うもんだろ。
俺には必要ないぞ。

総二郎のヤツ訳のわかんねーこと言ってんじゃねーよ。


「うちわ、うちわぁ〜。」


実乃莉に便乗していつのまにか書斎に入ってきてた
2歳の穂乃香(ほのか)までが騒ぎ始めた。


「おい、『うきわ』か『うちわ』一体どっちだ!」
「うきわ〜!」
「うちわ〜!!」


あ〰︎〰︎こいつら当てになんねぇ!


「もういい、つくしに直接聞いてくるから。」


立ち上がってつくしを探しに行こうとすると…


「ダメっ!!」
「メッ!!」


両足を掴まれて引き止められた。


「ママ、ないてるからいっちゃダメっ!」
「えーん、えーん、メッ!」
「だったら余計に俺が行かないとダメだろ。」


二人を抱き抱えて書斎を出ようとすると、


「るいくんきてるから、だいじょぶ。」
「さーちゃんとぉ、しーちゃんもぉ。」


類は大丈夫じゃねーだろ。

桜子と滋まで来てんのか!
一体みんなで何を騒ぎ立ててんだよ。


「パパ、おこってるのこわい。」
「おにしゃんだぁ〜。」


実乃莉と穂乃香はあっという間に目にいっぱい涙を溜めて、
今にも零れ落ちそうだ。


「怒ってねーって。ほら実乃莉も穂乃香も泣くな。」


チュッ、チュッっと頬にキスをすると、
二人ともニンマリとしている。


「パパ?みのりのことすき?」
「ああ、好きだよ。」
「ほのは?」
「好きだよ。」
「パパのいちばんは?」
「ママ。つくしだな。」


しまった、油断してた…。
一番は鬼門だった。


ニンマリしていたはずの二人の目にみるみる涙が溜まっていく。


「うわぁ〜ん!!」
「え〜〜〜ん!!!」


「ごめん、ごめん。二人とも一番好きだよ。」
「ひっく…ほんとに?」
「…と?」
「ああ。嘘はつかねーぞ。」


一番愛してるのはつくしだけどな。
これはつくしだけが知っていればいい。


目尻に涙は残っているが、二人ともなんとか泣き止んだ。


「パパぁ〜、うきわってなにかわかった?」
「うちわ〜♪」
「プールで使うやつじゃねーの?」
「パパ、おさかなさんみたいにおよげるのにいらないでしょ。」
「じゃあ、扇いで風が来るやつか?」
「それをパパがもってても、ママはなかないでしょ!」


コントのようなやり取りを実乃莉としていると
左手に抱えている穂乃香がウトウトと船を漕ぎ始めた。


「穂乃香寝そうだし、つくし達のところに行くぞ。」
「うん。そーちゃんにおしえてもらうよ。」


二人を抱えて、みんなのいるリビングスペースに行くと
つくし以外のヤツらから冷たい視線を感じた。

そーちゃんのところにいくと言う実乃莉を下に下ろすと
総二郎のところに駆けていった。
内緒話をするように、耳元で実乃莉が話すと総二郎は吹き出した。


「あははっ!司、心当たりない訳?」

「はぁ?『うきわ』だか『うちわ』だか知らねーけど、
つくしを泣かすような事する訳ないだろ!」

ヒートアップしかけている俺から類が穂乃香を抱きとり
実乃莉に耳打ちをしてから手を繋いで部屋を出ていった。


「道明寺さん、本当に心当たり無いんですか?」
「司〜、ちゃんと白状しろ〜!」

よく見たら、あきらや優紀までいるし…
なんで俺が責められるのか意味がわかんねー。




いや、ちょっと待て…
もしかして実乃莉の言ってるのは『浮気』か?



「ふざけんなっ!俺が浮気なんてする訳ねーだろ!!!」
「ほんとかよ。つくしちゃん、最近司が抱いてくれないって泣いてたぜ。」
「それはっ!!!」

「抱いてない自覚はあるんだ。」
「だから、それはみんなの前で言うような事じゃねーよ。」

「ちゃんと、先輩の目を見て話せる事なんですか?」
「ああ。」
「じゃあ、今すぐ先輩と話してきて下さい。」
「わかったよ。」


つくしと話しをするために二人で寝室に入った。
つくしはすげー疑いの目で俺を見てるけど、
やましいことなんて一切ないんだからな。

まどろっこしい事はナシだ。
こんな時は、遠回しに話をしたら余計に拗れるからな。

「なぁ、おまえ生理ちゃんと来てるのか?」
「えっ、生理??えっとーこの前は……あっ!!」
「今すぐ検査薬で調べてこいよ。」
「あっ、うん。」


普段つくしとは避妊なんてしてねーんだから
自分の体調の変化にぐらい気づけよな。

しばらくして、「つかさぁ〜」と若干泣きそうな声が聞こえてきた。


「どうした?デキてただろ?」
「…うん。ごめん。」
「また安定期に入ったら、ゆっくり抱いてやるからな。」
「…うん。」
「ってかさぁ〜、俺がおまえにしか反応しないの知ってんだろ?くだらない事疑ってんじゃねーよ。」
「ごめん。」


総二郎なんかは、色気がねーとか散々言うけど
おまえの良さは俺だけが知ってたらいいんだよ。


額に頬にそして唇にキスを落とした。


「毎回、俺が先に気づくなんて一体どれだけ鈍感なんだよ。」
「だってぇ〜。」

「しかも子供の前でくだらねー話をしてんじゃねーよ。」
「西門さんが勝手に…。」
「あいつ絶対シメてやる!ほらみんなの所に戻るぞ。」
「…ん。」


つくしの腰に手を回して、リビングに戻っていった。







「仲直りしたのかよ?」
「そもそも喧嘩なんてしてねーよ。」
「先輩、誤解は解けたんですか?」
「……うん///」


そこに、実乃莉と穂乃香を連れた類が戻ってきた。


「パパ〜、うきわがなにかわかった?」
「ああ、わかったぞ。」
「なんだったの?」
「つくしと総二郎の勘違いだ。だから気にしなくていいぞ。」
「えー!パパ、ずるい!おしえてくれてもいいでしょ。」

「総二郎、責任持って教えておけ。
俺とつくしは病院に行ってくるからな。」










「ねぇ、実乃莉置いていって大丈夫かなぁ?
あの子の相手結構大変だよ。」
「総二郎が下らない事吹き込んだんだから自業自得だろ。」


俺もさっき十分振り回されたぞ。
俺にとっては可愛いもんだけどな。


病院で診察してもらうとつくしは妊娠4ヶ月に入った所だった。
特に問題ないと聞き安心して邸に帰ることにした。


『司、そろそろ限界みたいだよ。』


類の電話越しに二人の鳴き声が聞こえる。


「もしかして、総二郎がハマったのか?」
『正解!その前はあきらだったけどね。』
「今帰りだから、15分ぐらいでつく。」
『泣き止まなくても、このままでいいの?』
「構わねーよ。」
『了解!司、おめでとう。』


そう言って電話が切れた。


「実乃莉達、また泣いてるの?」
「ああ、総二郎がハマってる。」
「ふふっ、一番…ね。」
「まぁ、あれだけコロコロと泣いたり笑ったり出来るもんだよ。」


言ったら怒られそうだけど
そんな所はつくしに似ててすげー可愛いんだよな。


邸に戻ると総二郎は疲れ果てていて、
実乃莉と穂乃香は俺たちの所に走ってきた。


「パパ、ママ、おかえり〜!」
「かえり〜!」
「ママ、どこかいたかったの?」
「痛くないよ。」

「あのな、ママのお腹に赤ちゃんがいるんだ。」
「えっ、ホント?ママ?」
「うん、ホントよ。」
「やったぁ〜!!」

「みーたん??」
「ほのか、ママのおなかにあかちゃんがいるんだって。
ほのかのいもうとかおとうとができるんだよ。」
「あかちゃん?おとーと?」


まだ穂乃香には難しいか。
それでも実乃莉につられて穂乃香も喜んでいた。


結局、実乃莉は類から浮気について教えてもらったらしく…
浮気するのは総二郎やあきらみたいなヤツだと認識したらしい。




いつも応援ありがとうございます!

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結婚5年目、司30歳、つくし29歳ぐらいのイメージです。
二人の子供の出てくるお話を書こうと思って書き始めたのに…なぜかこんなお話に。
えっと、子供達に振り回される司くんが書きたかったんです( ̄▽ ̄;)

楽しんでもらえたら嬉しいです(≧∀≦)

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コメント

コメント(2)
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2019/08/27 07:44 編集返信
くるみぼたん
Re: タイトルなし
そうなんです^ ^
実はこのお話、浮気疑惑はあんまり大事ではなくて…
子供達と司くんのシーンを書きたかったんです(*≧∀≦*)

目に入れても痛くないぐらい可愛い娘たちに
振り回されてるようで…
娘たちならなんでも許してしまうんでしょうね(*^^*)

実乃莉ちゃんは『うきわ』は何かわかったかな(笑)
ちゃんと理解しなくても、もう少し経ったらわかるかな〜。

『ひと夏の恋』は、山を超えましたが、
ちょっとお話を広げてしまったので完結までにはもう少しかかりそうです。
続きも楽しんでもらえますように…。

くるみぼたん

2019/08/28 07:47 URL 編集返信
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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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