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ひと夏の恋 19






AZマートの店長さんから電話を受けた時は
頭が一瞬真っ白になった。

発注出来てないミスじゃなくて良かったんだけど…ね。

営業の仕事は楽しいんだけど
時々イヤになることがあるんだよね。



今回は、司が一緒だったからかなり心強かった。
近くに居てくれるだけでなんとかなるんじゃないかと思えたから
必死になって頑張れた。


でも、家に帰って司に抱きついたら
気が抜けて眠ってしまったみたい…。


朝起きたら、ちゃんとパジャマに着替えてて、
メイクまで落としてくれていた。


「司、ありがとう。」


頬にキスをしてから起きてシャワーを浴びた。


さぁ、今日も頑張ろう!



朝ご飯を作っていると司が起きてきた。


「おはよう。」
「ん。」


まだ目覚めてないからぼーっとしてて可愛い。


「もうすぐご飯出来るからシャワー浴びておいでよ。」


あたしにチュッとキスをしてからシャワーを浴びに行った。

早炊きでご飯を炊いたから
今朝はご飯とワカメと豆腐のお味噌汁
出し巻き卵にほうれん草のおひたし。

きっと司が普段食べているものとは全然違うんだろうけど…
あたしが作ったものは残さずに食べてくれる。


「司、昨日はありがとうね。」
「ああ。俺に抱きついたまま寝ちまうとは思わなかったけどな。」
「ううっ……。」
「ガッツリ寝て、今朝は元気そうだから安心した。」
「へへっ。」


二人でご飯を食べて、着替えてから会社に向かった。

昨日に準備をしたポップを持ってAZマートに行ったんだけど…
あたしのポップなんか出す必要ないぐらい素敵に売り場か作ってあって、
試食販売にも人を出してくれている。


「牧野さん、来てくれたんだね。」
「店長、この売り場素敵です。」
「そうか?よかった。
この催事で上手く行ったらプロパーで扱うからよろしく頼むよ。」
「はいっ!頑張ります!!」


試食販売員の邪魔をしないように手伝いながらも
商品をお客様にアピールしていく。

予想よりもお客様にブリーチーズは好評で
売れ行きもまずまず。


1日終えて、週末のフェア終了までには
納品した20ケース分売り切れそうな目処がたった。





夜は楓さんとご飯を食べに行く約束をしてたから
一度社に戻って報告書を作成し終えてから
待ち合わせの時間に間に合うように帰ろうとすると
先に上がったはずの司が会社の前で待っていた。


「あれ、どうしたの?」
「俺も一緒に行く。」
「えーっと…。」
「来ちゃまずいのかよ。」
「そうじゃ無くて…あたし達の事バレてもいいの?」
「ああ。…ってかもうバレてんぞ。」
「ええっ!なんで!!」
「まぁ、いいから行くぞ。」


リムジンに乗せられて、楓さんと約束をした場所に向かった。

到着したのは高級な料亭で
入るのを躊躇していたのに
司に手を引かれて中に入ることになった。


女将さんに案内された部屋には楓さんが既に到着していて…
あたし達を見るなりクスクスと笑っていた。


「やっぱり来たのね。二人ともお座りなさい。」


席に座るとタイミングを見ていたかのようにお料理が運ばれてきた。


「わぁ〜!綺麗!!」
「ふふっ、ゆっくりいただきましょう。」


司は若干怪訝な顔をしてるのが気になったんだけど…
美味しそうなお料理の誘惑に負けて食べ始めてしまった。


「で、どこで二人は知り合ったんだよ?」
「あれはつくしさんが大学2年生の頃だったかしら…」


楓さんがあたし達の出会いを話し始めた。


楓さんとの出会いは
あたしがバイト帰りに変な人たちに絡まれているのを
助けてもらった事だった。

そのまま、リムジンに乗せられて
一人暮らしをしているアパートまで送ってもらったんだ。

初めての高級車に、落ち着かなくて
あたしはべらべらと自分のことを話した気がする。


そして2度目は翌日。


友達からチケットをもらって行った美術館で
一枚の絵に釘付けになった。

有名な画家の絵じゃなかったんだけど
ずっと見ていると涙が溢れてきたの。

ズズッと鼻をすすっていると
近くから同じように鼻をすする音が聞こえた。

あたしと同じようにこの絵を見ている人がいるんだ…と横を見ると
昨日助けてもらった人だった。


その人もあたしに気がつき
自分と同じように真っ赤な目をしている
あたしを見てふふふっと笑った。


「あのっ、お時間あるようならお茶に行きませんか?
あんまり高いものは無理だけど…昨日のお礼に奢ります。」

「1時間ぐらいだったら時間が取れるのでお言葉に甘えようかしら。」


ちらっと時計を見て、そう答えてくれた。

スタ○に連れていくのもなぁ〜と、
近くにあったうさぎ屋に行ったの。

そこで結局、二人でパフェを食べて
連絡先を交換したんだった。
楓さんって名前と携帯番号と
どこかの会社の社長さんって事しか知らなかったんだ。


「・・・息子ぐらいの歳の子に奢られるなんて初めての経験だったのよ。
それに、つくしさんとの時間は自分の立場を忘れるぐらい
とっても楽しかったのよ。
それからよね、日本に出張の時は必ず時間を作って
つくしさんをデートに誘ってたのよね。」

「はい。」

「いつも困ったことがあったら
連絡してって言ってても全然連絡くれないから…
昨日はとっても嬉しかったのよ。」

「そんな…、昨日は助かりました。
ありがとうございました。」





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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
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