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ひと夏の恋 23






「楓さん、今お時間大丈夫ですか?」
『いいわよ。どうしたの。』

「ちょっと相談がありまして…。」
『だったら、仕事終わったら邸にいらっしゃい。
明日の朝まで、こちらにいますから。』

「はい、住所は…?」
『仕事が終わる頃に会社の前に車を待たせておくわ。
それでいらして頂戴。』
「はい。」


電話で話すにはちょっと込み入ってるから
楓さんに会えることが出来そうで良かった。




仕事を終え、会社を出て前に停まっていた高級者に乗って
楓さんのいるお邸に向かった。


到着したのは、お城かと思えるほどの大きな建物。

玄関らしきところで車を降ろしてもらうと
杖をついたお婆さんが出迎えて下さった。


「あんたが、つくしさんかい?」
「はいっ。牧野つくしと申します。」


ぺこりと頭を下げると、ニコリと笑顔を向けられた。


「ほぉ〜、元気そうなお嬢様だね。奥様がお待ちだよ。」


そう言って案内されたのは
楓さんのプライベートルームらしく
センスのいい家具が揃えられていた。


「つくしさん、来て下さってありがとうね。
タマ、こちらは牧野つくしさん、私の友達で司の彼女よ。」

「おや、まぁ〜。
こんな気難しい人達を手懐けるなんて中々のお嬢さんだね。」

「タマ!気難しいって誰のことかしら?」
「ふおっふおっふおっ…誰のことでしょうね。」


タマさんと呼ばれるおばあさんは
笑いながら部屋を出て行った。


「つくしさん、相談って何かしら?もしかして司のこと?」

「違わなくも、ないんですが…
それに、楓さんに相談するのもちょっと違うかもしれないんでけど。」

「いいわよ。なんでも話して頂戴。」

「はい。……」


司から、道明寺HDで働かないかと言われてること
今の仕事は大好きでずっと続けたいと思っているけど
人間関係が上手くいってないこと
司の彼女だからって、コネで入社するのは違うと思うこと
などを話した。


「あら、だったら入社試験受けてみたら。
ちょうど来週に中途採用の試験があったはずだったから。」

「試験ですか?」

「興味があるから悩んでるんでしょ。
コネが嫌だと言うなら、きちんと入社試験パスして
誰にも後ろ指さされない状態だったらいいでしょ。」


そっか。
受かるかわからないけど、入社試験受ければいいんだ…。


「楓さん、入社試験受けてみます!」
「わかったわ。人事に連絡入れておくわね。」
「よろしくお願いします。」

「悩みも解決したようだし、ご飯食べて帰りなさい。
そのまま泊まっていってくれてもいいけど…
流石に司に怒られそうね。」


楓さんと二人でご飯を食べていると
「そろそろかしら…」と楓さんが時計を見たと同時に
ガチャっとダイニングのドアが開いて司が入ってきた。


「やっぱり、こういうことかよ。
昼から俺に仕事を鬼のように押し付けやがって…。」
「あら、つくしさんとの事を優先させるのは当たり前でしょ。」
「まあ、いいけどよ…。」
「あなたもご飯食べて帰れば。」
「ああ。」


機嫌悪そうだけど、素直に楓さんに従ってあたしの隣の席に座った。
この親子、一見仲悪そうに見えるんだけど
案外仲が良いんだよね。


「変なこと言われてないか?」
「えっ?」

「何があったから、つくしのこと呼び寄せたんだろ。」
「えっとぉ〜。」


楓さんとの話をしようと思ったら
楓さんが悪戯っぽい顔をしながら小さく首を横に振っていた。
司には内緒ってことだよね?


「楓さんが、明日NYに帰るからってご飯に誘ってくださったの。」
「ふーん。」


司はあんまり納得いってないようだけど…。





翌日、道明寺HDの人事部から試験の内容や日程の連絡があった。
筆記や語学の試験、そして面接があるみたいで
一気に緊張感が増してきた。




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コメント

コメント(2)
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2019/08/31 19:13 編集返信
くるみぼたん
Re: No title
そうなんです!
コネで就職するのは、つくしちゃんの中で納得がいかないんですよね。
楓さんは、つくしちゃんの性格も気持ちもお見通しでしょうから、
つくしちゃんが納得いく方法で入社出来るように、入社試験を勧めました。

楓さんが入社試験を受けることを内緒にした理由…
単に司くんを驚かせたかった
そして、自分の方がつくしちゃんのことを理解してるのよと
司くんにアピールしたかったのかな…と(笑)

このお話の楓さんはつくしちゃんの一ファンですからね(≧∀≦)


そう、お誕生日だったんですよね〜!!!
気づいたのが、夜遅くて…
お祝いは諦めてしまいました(>人<;)

くるみぼたん

2019/09/01 06:57 URL 編集返信
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くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
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