FC2ブログ

ひと夏の恋 25






中途採用試験を受けた翌日、試験に合格したと連絡があった。

あたしが子会社の美波商事に勤めているため
退職の手続きを取らないでいいらしく
異動という形で来月から道明寺HDに行くことになった。

あたしの仕事の引き継ぎをどうしようかと思ってたら、
新しい人が入ってきてその人にお願いすることになった。

半月ほどは、担当が変わるのを伝えるために取引先を回った。
皆さんに残念がられたけど、新天地で頑張ってと応援してもらった。



道明寺HD初出勤の前の日から緊張でなかなか眠れなくて、
ソワソワしてると司に笑われてしまった。


配属先も気になるし…
あたし大丈夫だろうか…



司は心配するなと言ってあたしを抱きしめてくれ
司の腕の中で気持ちが落ち着きぐっすりと眠ってしまった。



翌朝、一緒に行くか?なんて言われたけど、
そんな事で来るはずもなく、電車で会社に向かった。




今日からここで働くんだ…


そびえ立つビルを見上げ、
両頬をパンパンと叩いて気合いを入れてから
ビルの中に入っていった。

受付で名前と今日から働く事を告げ、
IDカードを受け取って指定された階にエレベーターで向かう。


目的地は最上階のようで、
エレベーターを降りると
何度かお会いしたことがある司の秘書の西田さんがいた。


「お待ちしておりました。
支社長がお待ちですので付いてきて下さい。」
「はい。でも、あのっ…」


なんで中途入社の社員がいきなり支社長に会うの??


「牧野さんの配属は支社長秘書になります。」
「えっ!!」


嘘〜!!
突然秘書だなんて〜!!
しかも支社長だって!!!


何故か西田さんは肩を震わせているんだけど…


「牧野のさんは語学も堪能ですし
秘書検定もお持ちのようですから問題ないかと思われますが。」
「……はい。」


支社長って、ここでは一番偉い人でしょ?
そんな人の秘書だなんて、あたし本当に大丈夫かなぁ。


緊張しながら、支社長の執務室に入り挨拶をしようと顔を上げると…


「え?なんで???」


思わず大きな声が出てしまった。


「牧野さん、こちらは道明寺司 日本支社長です。
支社長、今日から第二秘書になります牧野つくしさんです。」

「待ってたぞ。…って、
おまえびっくりし過ぎて目が落っこちそうだぞ。」


ククッと笑っているのは、紛れもなく司で…


「日本支社長って…」
「ああ、今日からな。朝一で報道もされてたはずだけど、おまえテレビとか見る余裕なんて無かっただろ。」
「そ、そうなんだ…。おめでとう。」


まだ、頭が上手く働いてないんだけど…
司と一緒に働けるのはかなり嬉しかった。


その後、西田さんから仕事の説明を受けた。
あたしは基本的には内勤で
スケジュール管理と資料の作成などを行うけど、
必要に応じて支社長に同行することもあるらしい。

初日の今日は、まずは支社長の業務を把握して下さいと
沢山の書類があたしのデスクに置かれた。


ひょえ〜!!!


流石は道明寺HD…なんて思いながら資料を読み進めていくと、
いつの間にか周りが見えなくなるほど熱中していた。

司が担当している案件はどれも発想が斬新で
惹きつけられるものばかりで面白いの。


「…さん。牧野さん。」


気づかないうちに商談に出ていた西田さんが帰って来ていた。


「はいっ。すみません。」
「支社長にコーヒーお願いしてもよろしいですか。」
「はい。」


コーヒーの淹れ方を教えてもらい、
淹れたコーヒーを持って執務室に入ると
司はパソコンで入力をしていた。

迷いなくタイピングしている姿は
カッコよくて…見惚れてしまった。


「つくし?」
「あっ、ごめんなさい。コーヒーをお持ちしました。」
「サンキュ。あっちのテーブルに置いて。」


テーブルにコーヒーを置くと
移動してきてソファに座った司が隣をポンポンと叩いた。


「ほら、座れよ。」
「でも…」
「おまえ飯食ってねぇだろ。ここで食っていけ。」


時計を見ると、2時をとっくに過ぎていて…


「食堂行ってくるよ…」
「今日は、就職祝いだから食っていけ。」


美味しそうなお弁当を目の前に出されて、
お言葉に甘えて頂くことにした。


「ん〜美味しい!」
「おまえさぁ〜、1日目から飛ばしてんなよ。」
「えっ?」
「この時間に昼も食ってね〜なんてよ。」
「西田さんにもらった資料に夢中になってたからつい……。」
「なんの資料だよ?」
「司…じゃなくて支社長の今まで担当した案件とか。。」
「ククッ、そんなもん読み耽ってたのかよ。」
「だって、発想とかが斬新ですごく面白いかったんだもん。」
「サンキュ。でも、時間配分も考えろよ。」
「はい。わかりました…。」

初日は資料を読んだだけで終わってしまったんだけど…
翌日からの仕事が楽しみになった。





いつも応援ありがとうございます!


関連記事

コメント

コメント(0)
コメント投稿
非公開コメント

訪問ありがとうございます!

プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
ブログ内のお話等の無断転載、無断掲載は固くお断りしています。

カテゴリ