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はじめてのキャンプ



IRIS * のAriaさんのブログ開設1周年記念に贈らせていただいたお話です((^∀^*))






【映画ファイナルから11年後】



「お父さん、俺グランピングしたい。」


新学期が始まり、久しぶりに友達と会った影響なのか、樹(いつき・10歳)が司にお願い事をしていた。


「グランピング??なんだそれ?」
「キャンプだよ。手ぶらで行っても道具が全部揃ってるんだって。」
「そんな誰が使ったかわからないものなんて使えるかよ。」
「でも、うちにはキャンプの道具ないでしょ。手っ取り早いでしょ。」
「よし、今度の連休キャンプに連れて行ってやるから楽しみにしとけ。」


今度の連休って言った??
仕事忙しいのに休めるの?


「ママ。パパが言い出したら止められないよ。」
「……だよね。」


陽奈(ひな・7歳)の言うことは正論で…
次の連休に家族でキャンプする事が決まった。


翌日から、邸にキャンプ用品が次々と運び込まれ執事さんやメイドさん達が対応に追われていた。
きっと西田さんあたりに無理を言って揃えさたんだろうな。



金曜日の夜、何故かキャンプ用品と共にプライベートジェットに乗せられ、向った先は…




ありえないっつーの!!!



「バカじゃないの?キャンプするためにわざわざこんな所まで来る??」
「こいつらここに連れてきたかったんだよ。俺たちの原点だろ。」


あたし達が到着したのは無人島。
結婚前に、司とあたしが連れてこられた場所。

最後に来たのは樹がお腹の中にいるってわかった時だったから、いつかは家族で来れたらいいなぁって思ったけど…わざわざキャンプしに来る必要なくない?


「グランピングなんて甘っちょろいもんじゃなくて、本当のキャンプは何か教えてやらないとな。」
「そう……。」

ここまで来てしまったし腹をくくるしかないか。。


「お父さん、携帯使えないよ〜。」
「パパ〜、シェフいないの?陽奈、ケーキ食べたい。」

子供達が異変⁈に気付いて文句を言い出した。


「そんなもんねーぞ。ちなみにここは無人島だ。最低限の食料は持ってきたが、食料は自分達で探すんだぞ。」
「「え〜〜〜〜!!!!!」」


そんな訳で(どんな訳??)であたし達のサバイバルキャンプが始まった。


「テント建てるから、樹、陽奈手伝え。」
「「はーーーい。」」


二人はかなりテンション低めで、司を手伝い始めたんだけど、テントが組み上がってくると楽しくなってきたらしくキャッキャッっと笑い声が聞こえて来るようになった。

あたしはその間に、食材のチェック。
お米に小麦粉にクーラーボックスの中に野菜、そして調味料もだいたいは揃っている。
一通りの調理器具しかも高級品が揃っていて、手配をしてくれたメイドさん達ありがとう…って感謝した。


「「出来た〜!!!」」


組み上がったテントは何人用なのってぐらい大きくて、中にはマットが敷き詰めてあり寝袋も準備されていた。

「ママ、すごいね。ここでお泊まりするんだって。」
「うん、楽しみだね。」


しばらくみんなでテントの中でゴロゴロしていると、司が次は火起こしするから木を拾いに行くぞと言った。
司と樹は森の中に入って行き、あたしと陽奈は海岸に打ち上げられている流木を拾い集めた。

ひとしきり木を集めたら、みんなで火起こし。
キリのような火起こし機を出してきて…え、そこまでするのってほどのこだわり様。
でも、子供達は初めてみる光景に目を輝かせていた。


火起こしが終わって、焚き火が落ち着いてきたら司と樹は魚を取りに行くと海に入っていった。


あの時を思い出すな。
お坊ちゃんで何にも出来ないと思ってた司が、無人島での生活ではものすごく頼りになったんだよね。
結婚しても大丈夫なのかってものすごく迷ってたけど、この無人島に来て過ごした期間に司とならどんな状況でも絶対に大丈夫って思えた。


樹は司に似て、運動神経も良くて、少ししたらコツを掴んでモリを持ちながら魚を追いかけている。

「ママ〜、陽奈もやりたいな。」
「陽奈は泳ぐの苦手でしょ。ママと一緒にパンでも作る?」
「作るっ!!」

陽奈はどちらかといえば、運動より料理とか手芸みたいなことの方が好きなんだよね。
私が仕事の時は、メイドさんやシェフを捕まえては色々と教えてもらってたりしてる。


その辺は、準備してくれた人達も良く分かってるから、一回分ずつのパンの材料が分けてあった。
ボールで生地をこねて、発酵させて、伸ばして棒にクルクルと巻きつけ、もう一度発酵させてから遠火でゆっくりと焼き始めた頃に、司と樹は海から上がってきた。

「見て、これ俺が獲ったんだ。」

樹は自慢気にネットに入った魚を見せてくれた。

「お兄ちゃん、すご〜い!陽奈はね、ママとパン焼いてるんだ。」
「いい匂いがしてる。お腹すいた〜!!」

「ほら、樹。魚を焼く準備するぞ。」
「はーい。」

普段、キッチンになんて立ったことが無いのに、司は器用に魚の処理をしていく。
その間に、クーラーボックスに入ってる野菜を使ってサラダを作った。

パンも魚も焼きあがって…少し早めの夕飯。

「美味しいね。」
「パンもふわふわだな。」
「魚も塩だけなのに美味しい。」
「それ、俺が獲ったヤツ。」

いつもに比べたら質素な夕飯なんだけど、二人とも笑顔が溢れている。
そんな二人を見て司は満足そう。


夕飯を終え、シャワーを浴びたいとグダグダいう子供達
すると、司が簡易シャワーを組み立てて…
こんなものまであるなんて、道理で荷物が多いわけだ。

「汗流す程度だぞ。水を使い過ぎるなよ。」
「「はーい!」」

すごく助かるけど、サバイバルのようでサバイバルじゃ無い感じ。
キャンプ用品は全て高級品だし。


テントに寝に入った二人は、キャアキャアとしばらく騒いでたけど、疲れてたのかすぐに静かになった。



「寝たか?」
「うん。いい顔して寝てたよ。」
「こっち来いよ。」
「うん。」

砂浜に座って海を眺めている司の隣に座った。

「まさか、ここでキャンプするなんてね。軽井沢あたりに行くんだと思ってた。」
「そうか?俺はここしか思い浮かばなかったぞ。いつか樹や陽奈を連れて来たかったんだよな。」
「でも、二人とも楽しそうだし良かった。」

「なんでも手に入る生活ばっかりしてちゃダメだろ?」
「それに一番当てはまるのって司じゃないのっ。」
「そうだけどよ。俺だって随分つくしに鍛えられたと思うけどな。」
「かな?」
「おまえを手に入れるのが一番大変だったけどな。」


そう言って、肩を抱き寄せられ唇を合わせた。

「なぁ、シようぜ。」
「なっ、何馬鹿なこと言ってんのよっ!そっ、それにこんな所でなんて一体あたしたちいくつだと思ってるのよっ!」
「34と33か。まだまだイケるだろ。」
「絶対に無理だからっ!!!」
「チッ!帰ったら覚悟しとけよな。」


もうっ、何を考えてるんだか…





翌朝は、ご飯を炊いておにぎりにして残っていた焼き魚を使ったお味噌汁と一緒に食べ、島の散策に行くって言ってたから沢山おにぎりを作っておいた。

島を散策していくんだけど、行った事のある場所を回っていくにつれて、あたしはちょっとセンチメンタルになっていった。

少し一人になりたくて、子供達が水遊びをしているのを、少し離れた場所で見ていた。


「つくし?しんどいか?」
「ん、平気。ちょっと色んなこと思い出してさ。」
「一番しんどい時だったからな。でも、俺はこの島で何があってもつくしと離れないって強く思えたけどな。」
「うん。あたしも。」

こうやって司はいつもあたしのことを見ててくれてる。
だからこの11年ちょっと、大変なことがあっても頑張ってこれたんだ。


「ママ〜、見て!!カニ捕まえた!」
「陽奈っ、捕まえたのは俺だろ!」
「いいでしょ、どっちでも。」
「ほら、喧嘩しないの。あんまり騒いでると、クマ出てくるかもよ。」
「ヤダ〜!!!」
「マジッ!」

半泣きになっている陽奈と、ちょっと引きつってる樹。

「クッ、情けねぇなぁ。つくしなんか一発KOだったよな。素手でやっつけてたらしいぞ。」
「もう、その話はいいから…。」
「え?何その話。」
「結婚する前に、俺たち二人がこの島に連れてこられた時の話。」
「ふーん。相変わらずパパ達ぶっ飛んでるね。」

子供達はF3からあたし達の高校生の時の話とか色々聞かされてるんだよ……ね。

「陽奈、心配するな。他の島に移したからクマはもう居ねーよ。」
「はぁ〜、よかったぁ〜。」


しばらく森の奥に進んでいくと、色々なフルーツがなっている場所が。
あれ、こんな所無かったよね?
あの時は、食べ物なんてほとんどなかったんだのに…。

「いつか来ようと思って植えさせたんだ。ちなみに、この島もうちのもんな。」
「………………そうなんだ。」

結婚して11年、あたしにとって驚く事の連続で、少しぐらいの事では驚かなくなったはずだったけど…これは最大級の驚きだったわ。


何種類かのトロピカルフルーツを取ってテントへ戻った。


フルーツをおやつに食べた後、司と樹は魚を獲りに海へ、陽奈はまたパンが作りたいと言って、今回はダッチオーブンでパンを焼いてみた。

「ママ、すごい!昨日よりもふわっふわだっ!!」
「ほんとだ!味見しちゃおっか。」

二人で味見をしていると、司と樹が戻ってきた。


樹は10歳だけど、背はあたしとほとんど変わらないし、出会った頃の司を少し小さくした感じ。
まだまだ子供だと思っていたのに、樹はこの2日間で一気に逞しくなった気がする。


そんな樹が獲った魚で夕飯はアクアパッツァを作り、残っていた野菜でスープを作りパンと一緒に食べた。


夜は花火をして、子供達が眠ってからは司との時間。

「ねぇ、樹が急に逞しくなってない?」
「それを言うなら陽奈もだろ。」

確かに、二人ともなんでも与えられる環境に慣れていて甘えん坊なんだけど、この2日間は初めこそ文句を言ってたけど、文句や泣き言を言わずにちょっと不便な今の環境を楽しんでる。


「こうやって、子供って少しずつ巣立っていくのかなぁ。」
「子供達が巣立っても俺がいるだろ。なんなら子供増やしてもいいぞ。」
「んー、それもいいかもなぁ〜。」

「マジか?じゃあ今から…」
「ここでは絶対にダメっ!」
「邸では、大胆なのによぉ。」
なんだかんだ言っても、司はあたしの嫌がることはしないんだけどさ…。


2日目の夜は更けていき、3日目の朝、朝食を終えた頃には迎えが来た。
子供達は最後まで片付けも手伝ってくれて2泊3日のキャンプが終わった。




子供達の成長を感じ、結婚前の気持ちを思い出すことが出来たキャンプだった。






End




いつも応援ありがとうございます♪


☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+

改めて、Ariaさん、ブログ開設1周年おめでとうございます♡
All couple を自由に書き分けているのには頭が下がります。
これからも、つくしちゃんの幸せのために…ステキなお話を書いて下さいね(≧∀≦)


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☆お知らせです。
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よかったら覗いてくださいね♪


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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
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