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Classmate 7





結婚の約束って言っても口約束だけだし…と思っていたある日、司のお母さんからお茶に誘われた。
司のお母さんは、日本出張のたびにあたしをお茶や食事に誘ってくださるんだ。


「つくしさん、司のNY行きの後押ししてくれてありがとうね。」
「いえ、私は何も…」
「そんな事ないわよ。つくしさんがいなかったらあの子は絶対にそんな決断しなかったもの。」


道明寺HD近くの喫茶店。
シフォンケーキが美味しいからって、注文してくださったものを食べていると、ふふふっと司のお母さんに笑われた。


「美味しそうに食べるのね。」
「だって美味しいですから。」

「こんな可愛かったら司が手離したくなくなるはずね。」
「えっ?」

「司から結婚を申し込まれたんでしょう。」
「はい……。」

「その指輪をしてるって事は、返事はYESなのよね?」
「はい。あのっ、反対されないんですか?」

「どうして?」
「私は、普通の家庭の生まれですし、地位も名誉も何も持ってないから…。」

「あら、そんな事気にしてたの。司のことを好きで居てくれるだけで十分よ。」
「それは、誰にも負けない自信がありますっ!」


そう、司を好きなのは誰にも負けない。
それに、結婚するとか高校生のあたしには現実的じゃないけど、ずっと一緒に居たいって思うんだ。


「ふふふっ、ホントに真っ直ぐなのね。」


司のお母さんは、あたしも一緒にNYに来ないかって誘ってくださった。
すごく嬉しいんだけど、すぐには返事ができなかった。
司のお母さんは、ゆっくり考えてと言ってくださった。


NYに行けば、司と一緒にいることが出来るんだけど…。
弟の進の進学だって援助してあげたいし、あたしは日本に残り奨学金を受けながら英徳大学に内部進学をする事に決めた。


司のお母さんは、「それならうちで授業料を出します」と言われ、断ったんだけど、「未来のお嫁さんに先行投資です」と押し切られてしまった。

司に相談しても、「一度言い出したら引かないし、無駄なモノには絶対に金を出さないから、遠慮せずに受けとけ」と言われてしまい…受けることにした。

少しずつお金を貯めて、いつかお返ししようと思った。










卒業式。
英徳では大半が英徳大学に進学するから、普通の高校みたいにお別れ…な雰囲気は無いんだけど、司とあたしにとっては特別。

卒業式が終わって、午後からのプロムの途中で司はNYに旅立つのだ。
プロムに出るためのドレスなんて持ってないし、司も忙しいんだから出なくていいよって言ったのに、あたしとプロムに出たいと言う司はドレスも準備してくれた。


卒業式を終え、お邸で着替えさせてもらい司と一緒にプロムの会場に向かった。


「そのドレスすげー似合ってる。」
「よかった。司が何も言ってくれないから、変なのかと思った。」


司があたしに用意してくれたのはロイヤルブルーのドレス。
少し大人っぽくて、あたしに似合うなんて思えなかったんだけど、スタイリストさんがドレスに合うようにメイクやヘアメイクをしてくれた。

司は、パーティースーツって言うのかな、それをめちゃくちゃスマートに着こなしていて、カッコ良すぎ。
ボーっと司を見つめていると、急に司の顔が近づいてきて頬にキスをされた。


「見惚れてんなよ。」
「だって、カッコ良すぎるんだもん。」
「はぁ〜、NY行きたくねーな。」
「でも、楽しみにもしてるんでしょ。」
「……まあな。」


会場に到着し、司にエスコートされて車を降りた。


「ね、プロムって何するの?」
「今更それかよ。」


司は肩を震わせて笑っている。


「だって…」
「ダンスパーティーだな。」
「え?嘘??あたし踊れないよっ!」
「俺がリードしてやるから心配するな。」
「……うん。」


心配するなって言われたけど、ヒール履いて歩くだけでも大変なのに、ダンスなんて出来ないよ。。


プロムが始まって、みんなパートナーと一緒に踊り始めた。


「つくし、踊るぞ。」
「あっ、うん。」


司にピッタリとくっつく形でリードされるんだけど、司の足を踏みそうで足元が気になって下を向きながら踊っていた。


「つくし、俺を見て踊って。ちゃんとリードするから。」
「でも、足…」


おまえに踏まれたぐらいで痛くも痒くもないぞって余裕な司を信じて顔を上げた。
司と目を合わせて踊り始めると、司の気持ちが伝わってくるようで、始めよりスムーズ踊れるようになってきた。


会場が暗くなってチークタイム。
みんなキスするんじゃないかってほどの距離に顔を近づけて踊っている。


「つくし、これが終わったら俺行くから。」
「…うん。見送りに行くね。」


一気に寂しさが込み上げてきたけど、絶対に笑顔で見送ろうと思ってたから、絶対に泣かない…。



二人でプロムを抜け、司の家に戻り着替えてからお邸の裏手にある飛行場に。
手を繋いで、お互い言葉を発することも出来ずに飛行機の前に立っていた。


『司様、そろそろ出発の時間です。』


執事さんが司に飛行機に乗るように声をかけた。


「もう行くな。」
「……うん。」


名残惜しそうに繋いでいた手を離し、背を向けようとした司の腕をぐっと引き寄せて、司に抱きついた。


「いってらっしゃい。頑張ってね!」
「ああ。」

「ちゃんと電話してね。それから浮気はダメだからね。」
「浮気なんてするかよ。」


「それから…」


言いたいことは沢山あったはずなのに、言葉が出てこない。
抱きついていた腕を緩め、首に手を回して司にキスをした。


「大好きだよ、司。」


あたしからのキスに少し驚いた顔をした司は、あたしの両頬を手で包み込むようにして唇を重ねた。


「俺も。大好きだよ、つくし。」


もう一度、あたしにキスをした司は「行ってくるな」と言って飛行機に乗り込んだ。
間もなくして、飛行機は飛び立って行った。




「はぁ〜、行っちゃった。」

「あんたも一緒に行けばよかったものを…。」
「タマさん!いいんです。あたしがいない方が司にとってはいいと思うから。」

「休みには遊びに行ってやりなよ。」
「はい。」

「坊ちゃんが居なくても、私の相手をする為にここに来るんだよ。」
「ふふふっ、オヤツ出ますか?」

「あんたって子は…。」


タマさんのおかげで淋しい気持ちが少し和らいだ。





いつも応援ありがとうございます!

--------------
皆さま、台風は大丈夫だったでしょうか?
私の住んでる地域は風はほとんど無かったものの、
一日中雨が降り続き…
近くの川が決壊寸前でした。

まだまだ、雨の降り続いてる地域もありますが
これ以上被害が大きくなりませんように…。

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コメント

コメント(2)
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2019/10/13 10:15 編集返信
くるみぼたん
スリ〇〇〇〇〇〇様
コメントありがとうございます♪

一緒にいる事を選ぶのも簡単だけど、
お互いの為につくしちゃんは離れる選択をしました。

楓さんに反対されてませんから、遠距離だけど会いに行けますからね。

時間が経つにつれて、台風の被害が大きくなってきましたね。
自然災害の怖さを思い知らされました。
被害に遭われた方々が少しでも早く元の生活に戻れるように祈るばかりです。

くるみぼたん

2019/10/14 16:55 URL 編集返信
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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
ブログ内のお話等の無断転載、無断掲載は固くお断りしています。