FC2ブログ

俺と、あたしの… 6






散々悩んだけど思い切って、彼に電話をかけた。


Rurururu…


はぁ、緊張する。
3コール目で、彼が電話に出た。


「もしもし…」
「どうした?牧野から電話なんて珍しいな。」

「うん……ちょっと話があって……」
「何だ?」


思い切って話し始めようとした時に、電話の向こうで『司様、そろそろ会議の時間です』と言う声がした。


「悪りぃ。急ぎの話か?」
「ううん、いいの。ごめんね仕事中に。」
「後で電話するから。」


そう言って電話が切れた。
ちょっと出鼻を挫かれたみたいになったんだけど、ちゃんと話さなきゃ…と自分に言い聞かせた。



お風呂に入ってそろそろ寝ようと思ってた時に彼からの電話があった。


「もしもし。」
「俺。もう寝てたか?」

「今から寝ようと思ってたところ。」
「さっきはごめんな。」
「大丈夫。あたしこそ仕事中にごめんね。」

フッと笑ってそんなこと気にするなと言ってくれた。

「話があるんだったんだろ?」
「……うん。」

「別れようとか言うんじゃねーだろうな。」
「違うよっ!そうじゃなくて…」

「そうじゃなくて?」





「……あのね、……………あたし妊娠したの。」
「マジか??クリスマスん時の子だよな。」

「うん。それで、…あたし……産みたいんだけど……ダメだよね?」
「俺とお前の子なんだから、ダメな訳ねーだろ!!!」

「…ありがとう。でも、あんたのお母さんは…。」
「俺から話すから心配するな。」


彼は、あたしには迷惑をかけるけどすげー嬉しいとか、早く結婚しようぜとか、あたしが心配だからNYで一緒に暮らしたいとか、あたしのお腹に赤ちゃんがいることを喜んでくれていてホッとした。









彼に妊娠の報告をして1週間ぐらい経った頃。

大学から帰るとあたしのアパートの前に彼のお母さんが立っていた。


「少しいいかしら。」
「はい。狭いですけどどうぞ。」


あたしの住んでいる狭いアパートにいる彼のお母さん…違和感が半端ない。
座布団を出して座ってもらい、お茶を淹れてローテーブルの上に出した。


「あなた、司の子を妊娠したそうね。」
「……はい。すみません。」


「もう安定期なのよね。身辺整理をしてカナダのトロントに移りなさい。大学はそちらで通えるように手配しておくわ。」


えっ?
どう言うこと??
NYじゃなくて、カナダって??

意味がわからず頭の中でグルグルと考えていた。


「司があんな宣言をしてNYに行ったんだから、東京であなたが子供なんか産んだら目立つでしょ。まだ司は修行中の身ですから結婚も出産も発表するには早すぎます。だから誰も知らない所で産みなさい。」


産んでいいんだ…
反対されて絶対に堕しなさいって言われると思ってた。


「そんな鬼じゃないわよ。
この歳でおばあちゃんになるのも悪くないわ。
トロントには主人がいるからそこで暮らしなさい。」


彼のお父さん…どんな人なんだろう。
お母さんが魔女なんだから、お父さんは…魔王??


「仕事には厳しいけど普通の人よ。魔女でも魔王でもないわ。」


バッサリと言われた。


えっ、嘘??
もしかして考えてることが口から出てた??

慌てて口を押さえるも、もう遅いわよって言われてしまった。



彼のお母さんが帰って、ホッとしていると彼から電話がかかってきた。

さっき彼のお母さんがうちのアパートに来た話をしたらキレていたんだけど、反対されていないことに安堵していた。

トロントの彼のお父さんの所に行くように言われた事を話すと、「牧野、ごめんな」と言われた。

彼はNYに渡って、自分の不甲斐なさを痛感したらしい。
だから、本当なら一緒に暮らしたいけど、プライベートも寝る間もないぐらいだから、一緒にいられなくてごめんって言っていた。

あたしも、大学に行かせてくれるって言ってたから頑張るねと言って電話を切った。


翌日に、彼のお母さんはあたしの実家にも行ったらしく、ママから電話があった。


「つくし、あなた妊娠って本当なの?」
「うん。ママ、ごめんね。」

「あなたの決めた事だから反対しないけど、カナダに行く前にうちに来なさいよ。」
「うん。ありがとう。」


彼のお母さんがどんな話をしてくれたのかはわからないけど、ママにも反対されてなくて安心した。





それから、1ヶ月。
あたしはトロントに旅立つ事になった。





いつも応援ありがとうございます♪

関連記事

コメント

コメント(2)
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます

-

2019/10/23 15:11 編集返信
くるみぼたん
na〇〇〇〇様
うちの楓さんは基本的には優しいです(≧∀≦)

孫の可愛さには勝てないと思います♡

くるみぼたん

2019/10/26 07:54 URL 編集返信
コメント投稿
非公開コメント

訪問ありがとうございます!

プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
ブログ内のお話等の無断転載、無断掲載は固くお断りしています。

カテゴリ