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俺と、あたしの… 7






トロントに直接行くと思っていたら、道明寺邸から出発した飛行機はNYに到着した。
案内された部屋に入ると、そこには彼と彼のお母さんがいた。


「牧野っ!」


あたしを見るなり駆け寄って来た彼。


「体調は大丈夫か?しんどくないか?」
「うん、大丈夫。」

「お腹、触ってもいい…か?」
「いいよ。」


少しだけふっくらとしてきたあたしのお腹を彼はそっと触った。


「少し出てきてんな。」
「うん。もうすぐしたら動いてるのも分かるんだって。」


そんな話をしたら、彼がちょっと悲しそうな顔をした。
そうだった、彼とは一緒に暮らせないんだった。


「あっ、ごめん…。」

「二人とも、立ち話をしてないでお座りなさい。」
「「はい。」」


彼の隣のソファにかけると、彼のお母さんはあたし達の前に1枚の紙を出した。



ん?


こんいん……


婚姻届け??


保証人の欄にはすでに、パパと彼のお母さんのサインがされている。


「今日提出しますから二人ともサインしなさい。」
「いいのかよ。」

「もうすぐ子供が生まれるんですから、良いも悪いもありません。」


言い方はあれなんだけど、彼のお母さんはあたし達の事を認めてくれてるんだと思う。


「ね、道明寺。先に書いていい?」
「あっ、ああ。」


名前や生年月日など必要事項を記入し、持っていた印鑑を押すととすぐに彼も婚姻届にサインをした。
二人が書き終えたのを見て、


「提出しておきますから、今日は二人でゆっくりとなさい。つくしさん、明日の午後にトロントに行きますから。」
「はい。わかりました。」 


婚姻届を持って立ち上がった彼のお母さんは、「社長やお義母さんじゃなくて、楓と名前で呼びなさい。」
そう言い残して部屋を出ていった。




「「・・・・・」」



「なぁ。」
「ん?」



「俺たちって結婚したんだよな。」
「…みたいだね。」



「すげー実感無いんだけど…。」
「あたしも。」  



この時、彼が19歳、あたしは18歳だった。




彼も久しぶりの休みだったらしく、2人でゆっくりと過ごした。
今まで、彼とこんなにのんびりと過ごした事ってなかったかもしれない。


彼のNYでの事を聞いたり、あたしの体調やらお腹の赤ちゃんのことなど沢山話をして、キスもいっぱいした。

流石にエッチは彼もあたしもお腹の赤ちゃんが心配で出来なかったんだけど、彼に抱きしめられて眠った。




翌朝、彼はしぶしぶ大学へ行った。
午前中の講義が終わったら会社に行って多分夜中まで帰れないって言ってたな。


あたしは、午後に飛行機に乗ってトロントの道明寺邸に向かった。
日本やNYのお邸よりかは少し小さめのお邸らしいけどあたしの住んでいたアパートなんかに比べたら十分に大きい。

中に入ると、応接室のような部屋へ案内され、部屋の中には彼によく似たパパ世代の人…彼のお父さんがいた。


「初めまして、牧…あっ道明寺つくしです。よろしくお願いします。」
「ふふっ、今日入籍だったね。司の父の道明寺要(かなめ)です。」


彼のお父さんは、1年ほど前に倒れたって聞いたけど、思ったりお元気そう。


「突然お世話になることになって申し訳ありません。」
「いいんだよ。そろそろ1人なのも飽きてきた頃だから…。司より先に可愛い娘と一緒に暮らすのも悪くないな。」


そう言って笑っている顔は、彼によく似ている。


「あの、体調は…。」
「最近、随分調子が良くなったんだよ。ここで出来る仕事を少しずつ再開したところだよ。」
「よかった…。」

「つくしちゃんこそ、体はどうなんだい。」
「はい、6ヶ月に入って少しお腹が出てきましたが、体調はとっても良いです。」

「もうすぐ爺ちゃんかぁ。こんなに早くなるとは思ってみなかったな。」
「……すみません。」

「楽しみにしてるんだから、謝らなくていいよ。今日はゆっくり休んで、病院のことや大学のことなどは明日執事から聞くといいよ。」
「はい、ありがとうございます。」

「それから、ここにいる間は私と一緒に食事をとってくれるかな。」
「はいっ、もちろんですっ!」


昨日、彼にお父さんのことを聞くと曲者だって言ってたけど、想像よりも優しそうで安心した。


部屋を案内してもらうと、あたしの荷物はすでに運び込まれていて、タマさんが片付けようとしてくれていた。


「タマさん???」

「つくし、私に一言もないなんて水臭いねぇ。」
「ごめんなさい。」

「奥様から、ここでつくしの世話をするように言われたからね。」
「ホントですか?タマさんが居れば心強いですっ!」

「つくし、坊ちゃんの子を産む決心をしてくれてありがとうね。」
「お腹に赤ちゃんがいるって知った時に、産まないって選択ははカケラも思い浮かばなかったんです。反対されたら、1人でも産むつもりでしたから。」

「あんたって子は…」


疲れただろうからゆっくり休みなとタマさんは部屋を出て行った。






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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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