FC2ブログ

あたし副社長と結婚します! 1







「ダメと言ったらダメです!!」

「そんな事言わずに頼むよ、牧野さん。」

「〇△palace…それ接待じゃありませんよね?」


会議が終わり、廊下を歩いているとそんな男女の会話が聞こえて来た。


確か、海外事業部の山田だったか。
もう1人は、経理部の牧野。


「今月、金欠だから頼むよ〜。」
「無理です!!」


バッサリと切り捨て、小さな紙を山田に押し返した。


「何やってんだ?」
「ふっ、副社長!?なんでもありませんっ。」


山田が隠すために背中に回そうとした手をつかんで、紙を抜き取った。


「〇△palace…キャバクラか。これは接待の域を超えてるよなぁ。」
「は、は、はいっ!!申し訳ありません!!」


慌てて頭を下げて、山田は逃げるように去って行った。


そんな山田を見ながら、牧野は一瞬だけ口角を上げたが、元の無表情に戻し「失礼します」と俺にお辞儀をして去って行った。


相変わらず、愛想のねーやつ。

経理部の牧野って言ったら、超がつくほど真面目で仕事中はニコリとも笑わないと有名だ。
しかも、かなりの堅物で融通が効かないとか。




俺は一度だけ、彼女が笑っている姿を見た事がある。

仕事を終えて行った総二郎行きつけのバー『caprice(カプリス)』

店に入ってすぐのカウンターに、牧野が男と一緒に居て、仕事中の無表情とは違い花のように綺麗に笑っていた。
こいつこんな表情も出来るんだ…とすげぇ印象に残った。


仕事中に仕事以外の事を考えてる自分を珍しく思いつつも、執務室に戻り机に山積みになった決済を片付けていった。





**

「来るんだったら連絡しろよ。」
「ん?西田に連絡したよ。今日は執務室に缶詰だって聞いたからさ。」


ふわぁ〜っと欠伸をしながら、ソファに横になる類。


「おまえマジで大丈夫か?会社うまく回せてるのかよ。」
「んーなんとかなってんじゃない。」


俺たちも27歳になり、それぞれの会社で重要なポストを与えられている。
類は花沢の日本支社の支社長をしている。

こいつの気まぐれに付き合ってたら、いつになっても帰れねぇと思い、寝そうになっている類を横目に決済書類をチェックしていく。



コンコンコン。

執務室の扉がノックされ、「入れ」と返事をすると扉が開き、「失礼します」とさっきも見た経理部の牧野が入ってきた。


「山本部長から副社長に直接渡すように…あっ、来客中でしたか、申し訳ありません。」
「いや、こいつは客じゃねーから。」


引き返そうとする牧野を引き留め、封筒に入った書類を受け取った。


「出来ればすぐに目を通して頂きたいのですが…。」
「わかった。ちょっと待っておけ。」
「ありがとうございます。」



「あれ、牧野じゃん。道明寺にいたんだ。」


寝ていたはずの類がムクリと起き上がり、彼女に声をかけた。
声をかけられた牧野は、一瞬だけ目を泳がせて「……はい」と返事をした。

牧野のこれ以上話しかけるなと言うオーラを感じたのか、類はそれ以上話しかけ無かったが、再び横になって牧野の様子を観察していた。


「これで進めろと山本に伝えておけ。」
「かしこまりました。それでは失礼します。」


牧野の持ってきた書類は国内営業部の不審な金の流れの調査。
中身が見えないとはいえ、これを預けるぐらいだから、山本は牧野を信頼しているのだろう。



パタンた扉が閉まると、類が再び起き上がった。


「おまえ牧野のこと知ってんのか?」
「あーうん。彼女英徳にいたでしょ?」
「そうらしいが、知らねーな。」

「まぁ、司はさ、女に興味が無かったからしょうがないよ。でも、雰囲気が全然違ってて別人かと思ったよ。」
「あいつは、いつもあんな感じだぞ。無表情っつーか、感情が無いっつーか。」 
「ふーん。高校生の頃はもっと笑ってたと思ったんだけどな。」


ちょっと首を傾げ、もう冷めたであろうコーヒーを一口飲んだ。


「で、今日の用件はなんだ。遊びに来たわけじゃ無いだろ?」
「ああ、飛鳥M建設の件なんだけど。」
「うちの営業部も関わってたな。担当者が資金の横流ししてやがった。」
「政界にもパイプがあるらしくて一筋縄でいかないらしくてさ。」
「あきらん所と総二郎に協力を頼めば解決すんだろ。」
「面倒だから、司に任せるよ。」


よろしくね〜と言って類は帰って行った。
 

ちっ、面倒な事を押し付けに来たのかよ。
まぁ、さっきの書類で事実関係が明らかになったから徹底的に叩くつもりだけどな。




いつも応援ありがとうございます♪


--------------
新連載です!
第2話は『俺と、あたしの…』が完結してからお届けする予定です♡


関連記事

コメント

コメント(0)
コメント投稿
非公開コメント

訪問ありがとうございます!

プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
ブログ内のお話等の無断転載、無断掲載は固くお断りしています。

カテゴリ