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あたし副社長と結婚します! 4






「今日は遅くなっちゃったな。」


月末の締め日で、2時間ほど残業をする羽目になった。
今日はお惣菜でも買って帰ろうかな…と閉店間際のスーパーに駆け込んだ。


買い物を終えてスーパーを出ると、歩道を歩いている仲の良さそうなカップル。


あっ……元彼と美幸だ。


菜摘が美幸が嵌めたんじゃないか…って言ってたけど、そうじゃないみたい。
彼の美幸を見つめる目は優しくって…
彼氏だと思っていたのはあたしだけだったんだ…そう思うとなんだか虚しくなって、フラフラと歩きはじめた。


階段を上り歩道橋を渡っていると、大粒の雨が降り始めた。

はぁ〜、今日に限って傘持ってきてないんだよな。


早く家に帰ろうと慌てて階段を降りていると、滑って足を踏み外してしまった。

幸い3段ほど落ちただけだったけど、お尻を強く打ったらしくあまりの痛さにすぐに立ち上がることが出来なかった。

どんどん雨脚は強くなってくるし、横を通り過ぎていく人は知らんぷりだし…
お尻の痛みを堪えてなんとか立ち上がろうとした時、誰かから傘を差し出された。


「大丈夫か?」


どこかで聞いたことのある声。

顔を上げると、なぜか最近会社でよく見かける顔だった。


「副社長??」
「立てるか?」
「あっ、はい。痛っ!!!」


手を捻っていたようで、立ち上がろうと地面についた瞬間に激痛が走った。


「捻ったのか?起こすぞ。」
「副社長が濡れてしまうから自分で起きます。」


あー、めんどくせぇ…
そう言いながらあたしを抱き抱えた。


「えっ、副社長!!」
「あんまり騒ぐと落っこちるぞ。」


お姫様抱っこされ、副社長の乗っていた車に乗せられた。


「ちょっ…車が濡れるから下ろしてください。電車に乗って帰りますから。」
「いいから黙ってろっ!」


怒ったように言われて、バサッと頭にタオルをかけられた。

口は悪いけど、頭にかけられたタオルがほんのり暖かくて…ホッとしたのも事実。


「おまえ家どこだ?」
「えっ?」

「こんな格好で電車に乗れねーだろ?送って行ってやる。」
「大丈夫ですって!」

「あー、マジでめんどくせぇ!西田、こいつの住んでる所調べろっ。」
「待ってくださいっ!住所教えますからっ!」
「だったら、さっさと教えろよな。」


住所を言うと、運転手さんは「かしこまりました」と言って車を向かわせてくれた。



うちの前に到着すると、副社長は少し驚いたような表情であたりを見回している。


「副社長、ありがとうございました。」
「おまえ、マジでここに住んでるのか?」
「はい。」

「ウチの給料だったらもっとマシな所に住めるだろ。」
「放っておいてください!」


結局、お礼もそこそこに車を降りてマンションに駆け込んだ。


あたしの住んでるのは、築30年ぐらいになるマンションとは呼べない団地のような集合住宅。





あたしが大学に入ってすぐの頃、パパとママが交通事故で亡くなった。

大学の授業料はは奨学金をもらっていたから問題無かったけど、毎日の生活費や進の高校の授業料の為、授業以外は時間の許す限りバイトをして、成績を下げないために寝る間も惜しんで勉強をしていた。


そんな生活に余裕が出て来たのは、あたしが道明寺HDに就職してから。

進は奨学金をもらって地方の大学に行き、生活費のためにバイトを始めた。
仕送りはしているけど、負担額か減ったから生活は楽になった。


社会人になって、通勤用にスーツや服を揃え、今まで出来なかったら友達との付き合いをしたりと贅沢をしている訳じゃないんだけど、奨学金の返済もあるから、学生に住んでいる所から引っ越せないでいた。



だから彼氏が出来ても、恥ずかしくて家には呼べなかったりした。
そんな事も理由の1つだったと思うんだけど、今までの彼氏と付き合って半年ぐらいで離れていく事が多かった。



それなのに…
こんな形で副社長に知られてしまうとは思わなかった。
穴があったら入りたい…。



部屋に入って、お風呂を沸かしゆっくりと浸かりながら、色んな事が起きてぐちゃぐちゃになっている頭の中を整理していった。




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くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
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