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あたし副社長と結婚します! 5







「牧野さん、副社長がお呼びだから副社長室に行って。」


内線を受けた課長が少し焦ったようにあたしの所まで伝言を伝えにきた。


「…はい。」
「牧野さんに限って、何かやらかしてないよな?」
「全く心当たりがありませんよ。」


もしかして、この前の事で副社長を怒らせてしまったのかも…

平静を装いながらも心臓はバクバクしながらエレベーターに乗って最上階の副社長室を目指した。



初めて足を踏み入れる最上階フロア。
あたしがここにいるのは場違いな気がして前に進めないでいると、カチャリと扉が開いて、副社長秘書の西田さんが出てこられた。


「牧野さん、お待ちしておりました。どうぞ中へ。」
「……はい。」


あたしが中に入るのを確認してから西田さんが部屋から出てドアを閉めた。



「あのっ、副社長お呼びでしょうか?」

「牧野つくし。19⚪︎×年12月28日生まれの26歳。東京出身、両親は死別。大学4年生の弟アリ。奨学金の返済が残り50万円。・・・・・」


いきなりあたしの個人情報を読み上げられた。


「なっ、何なんですか?」
「おまえ、俺と結婚するか?」
「何言ってるんですか?」


副社長はニヤリと意味ありげに笑った。


「おまえの元彼、友達と結婚するらしいな。」
「何ででそれを?」

「それぐらいちょっと調べればわかることだ。だから見返してやろうと、お見合いパーティーに行こうと考えてたんだろ。」
「なっ!!!」



だからって副社長と結婚だなんて意味がわからないんだけど〜!!



「2か月…」
「え?」

「2か月で、俺が結婚相手を見つけられなかったら、政略結婚させられるんだよ。」
「そんなのあたしに関係ありませんよね!」
「人助けだと思え。」
「そんなに結婚したいなら別の人にお願いしてください。副社長なら選り取り見取りじゃないですか。」
「どいつもこいつも俺の容姿と財産目当てで寄ってくるだけだ。」
「私だって、財産目当てで結婚した途端散財するかもしれませんよ。」


クククッと肩を震わせて笑われた。


「おまえが財産狙いだったら、この前みたいなチャンス逃すわけねーだろ。」
「でもっ…そんなの分からないじゃないですか!」
「まぁ、そこら辺は俺のカン。それから、仕事中のおまえの表情を崩したいってのも理由の1つだな。」
「ふざけないで下さい!そんな理由で結婚なんて絶対お受けしませんから!!」


今話していたのが副社長の執務室なのも忘れて、ドアを開けて部屋を出てバンッと力任せに閉めた。




あームカツク!!

一体なんなのよっ!!

あんなのが副社長だなんて、あり得ないっつーの!!!


怒りが収まらず、エレベーターを使わずドスドスと音を立てて階段を降りながら発散させた。



スーハー、スーハー…
よし。



経理部のある階に到着して、気持ちを落ち着けてドアを開けた。

席に戻ると、課長が寄ってきて一応心配をしてる素振りをみせた。


「牧野さん…」
「経理から上げた資料の確認でした。私の印が押してあったので呼ばれたみたいです。」
「そうか…」
「特に問題はありませんでしたから。」


ホッとしたように肩を撫で下ろし、自分の席に戻っていった。
部長とは違って自分の保身しか考えていない課長はかなり苦手。


午後からの仕事を終え会社を出た。


仕事から解放されると、昼間の副社長の件での怒りが込み上げてきて…

『お見合いパーティー行くから!』

菜摘にLINEを送った。

『OK!つくしがその気になってくれて嬉しい♡』







**

バンッ!!と閉まったドアを見て笑いが込み上げてきた。

面白れぇ〜。

びっくりした顔、怒りの表情、呆れている顔…牧野のコロコロと変わる表情に惹きつけられている自分がいた。


「副社長、牧野さんに何をなさったんですか?」
「いや、何も。強いて言えば結婚するかって言ったぐらいか。」
「はぁ…?」


流石の鉄仮面の西田も呆れている様子。


「牧野さん、すごい剣幕で階段に向かわれましたけど…。」
「クッ、ちょっと見てくるわ。」


階段って、あいつの所属の経理部まで10階以上降りなきゃダメだろ。

扉を開けると、ドスドスと階段を降りていく足音と、「ムカツクっ!」とか「あり得ないっつーの!」とか大きな声で文句を言っていた。


しばらくして、バタンと扉が閉まる音がして階段は静けさを取り戻した。


ニヤニヤしながら執務室に戻ると、西田が難しい顔をして待っていた。


「副社長、本気なんですか?」
「まぁ…な。」
「牧野さんは優秀な社員なんですから、軽い気持ちだったらやめて下さいよ。」
「わかってる…。」


どうやって堅物の彼女を落とそうかと、思案を巡らせるのだった。




いつも応援ありがとうございます♪


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コメント

コメント(1)
くるみぼたん
拍手コメントLU〇〇様
コメントありがとうございます♪

男じゃなくてご想像通り『弟』です。
教えてくださってありがとうございます(*^^*)

くるみぼたん

2019/11/14 20:44 URL 編集返信
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訪問ありがとうございます!

プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
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