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あたし副社長と結婚します! 10







重い扉を開けて『caprice』へ足を踏み入れると、カウンターの一部分だけ漂っている雰囲気が違う。

圧倒的なオーラを放っていて、女性のお客さんが見惚れているけど声をかけられない感じ。


2つ離れた席に座ってカシスオレンジをオーダーした。


「こいつの、アルコール半分な。それから適当に食うもの持ってきて。」


そう言って、顎で奥のボックス席を示して目が移動しろと言っている。
はぁ〜っと、息を吐いてから席を移動した。



「副社長ってお暇なんですか?」
「はぁ?」
「こんな時間にバーにいるなんて…。」
「普通の社員の3倍のスピードで仕事してるから問題ねーよ。」
「まだ1週間経ってませんよ。」
「中間報告だ。」
「ぷっ、何ですかそれ?」


副社長って時々ピントがズレてる時がある気がする。

仕事は完璧なのに…。


「まぁ、メシに付き合えよ。」
「副社長となら喜んでご飯に付き合ってくれる人ぐらいいっぱい居るんじゃないですか?」
「誰でもいい訳じゃねーだろ。」


そんな話をしていると料理が運ばれてきた。

きのこのアヒージョに野菜スティックにはフムスが付いている。


わぁ、美味しそう〜!


美味しそうな料理が引き金となって、お腹がグゥ〜っと鳴った。


「クッ!食っていいぞ。」
「今日はお昼を食べ損ねたんですっ!遠慮なくいただきます。」


キュウリにフムスを付けてパクリ。


「美味し〜!」


アヒージョも美味しくってパクパクと食べていると、ラムチョップとニョッキなどが運ばれてきた。


すごい!
バーなのにこんなにクオリティの高いお料理が出てくるなんて…。  


「なぁ、目が輝いてんぞ。」
「だって、バーなのに凄くないですか?もっと前から知ってたらお料理も頼んだのに…。」
「俺を前にしてそれだけメシが食えるって、おまえ面白いな。」
「だって、もったいないですよ。副社長はお酒ばかりで全然食べてないじゃないですか。ちゃんと食べないと体を壊しますよ。」


副社長の食べる量はあたしの半分以下で、あたしより大きな体を維持できてるのが不思議で仕方がない。

そんな事を考えながらお料理をいただいていると、


「俺に興味を持って来たか?」


とニヤリとしながら聞かれた。


「興味ですか?不思議な人だとは思いますけど…。」
「変なヤツ。」
「何がですか?」
「普通、女だったらカッコよくて仕事が出来る俺に惚れるじゃねーの。」
「それは自意識過剰ですっ!」
「ま、契約結婚するんだったら牧野みたいに俺に興味無い方がいいと思うんだけどな。」
「人の結婚をそんな風に決めないで下さいっ!」
「まぁ、後数日考えてみろよ。俺と結婚するって結論に至ると思うけどな。」
「何日考えても答えは一緒ですっ!」


これ以上、この話をしてもキリがないのでお料理をいただく事にした。


「わぁ、このラムチョップ柔らかくて美味しい。」
「ったく…。」


副社長は若干呆れてる?

でも、副社長と結婚なんて考えられないよ。


それに…あたしじゃなくても絶対にいいと思うんだ。




ご飯を食べ終え、電車のあるうちに帰ろうとしたあたしは副社長に「送って行ってやるからデザート食べていけ」と引き留められた。

結局、目の前に出されたミニパフェに負けてしまった。


「ズルイです。」
「はぁ?」
「食べ物で釣るなんてズルイです。」
「クククッ、釣ったつもりはねーぞ。」


もうっ、さっさと食べて帰ってやるんだからっ!


パクパクとパフェを食べ終え、「帰ります」と立ち上がろうとしたあたしより先に副社長が立ち上がって、会計を済ませてしまった。


「半分出します。幾らですか?」
「俺か誘ったんだし、女に出させるような教育受けてねーよ。」


いつも受け取ってもらえない。


車に乗り込み、あたしの横で優雅に座っている副社長。
何をしててもサマになっているんだよね。







あたしのマンションの前に車が到着した。


「ありがとうございました。これ、少ないかもしれないけどご飯代です。」


5千円を副社長に押し付けた。


「要らねーって言ってんだろ。」
「でも、奢ってもらってばっかりですし…」

「可愛くねーな。」
「どうせあたしは可愛くないですっ!!」

「牧野。」
「なんですか……んっ!」


言い終わらないうちに、グッと手を引かれ副社長の唇が重なった。 


「んんっ…んっ!」


必死で抵抗をしてみるものの、男の人の力には敵わなくてキスが深くなってくる。
頭がボーっとして来た所で副社長の唇か離れた。


「ごちそうさん。」


ニヤリとしながら副社長は自分の唇をペロリと舐めた。


「サイテー!!」


車から出ようとドアの取手をガチャガチャとしてみるも直ぐには開かなくて焦っていると、外からガチャリと運転手さんが開けてくれ、副社長をキッと睨んでから車から降り、運転手さんに頭を下げて部屋までかけていった。


鍵を開け、部屋の中に入り鍵とドアガードを閉めてから玄関にへたり込んだ。





**

ちょっとやりすぎたか?


言い訳をする気はないが、今日キスをするつもりで牧野と会った訳では無かった。

昼間に、お見合いパーティーで会った男と会ったと聞いていてもたってもいられなかった…ってのが正解か。

俺と一緒に居るとキャンキャン文句を言っていたりする事が多いが、美味そうに飯を食っていたり、クルクル変わる表情に目が離せなくなる。

初めは興味本意だったのかもしれないが、会うたびに彼女に惹かれているのは認めざるを得ない。


牧野のマンションの前に到着し、食事代を押し付けてくる彼女の名前を呼び、俺の方を向いた彼女の顔は俺の至近距離にあり、我慢できずにキスをした。


牧野にキスをしたら思いの外気持ち良く、すぐに離れるつもりが中々やめられず彼女の唇の感触を楽しんでいる自分がいた。
唇を離した後の彼女の表情に煽られ俺の中心が昂ってくる。


「サイテー!」と少し涙を溜めた目で俺をキッと睨んで車から降りて行った。


追いかけようと思ったが、昂りが治まらずに動けず、彼女が部屋に入ったのを見届けてから車を出させた。
キスをしただけなのに高校生のガキかと思えるような反応。
そんな自分に苦笑しながらもマンションに帰った。







いつも応援ありがとうございます!

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明日は連載をお休みして、短編をお届けします(*゚∀゚*)



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コメント

コメント(2)
くるみぼたん
拍手コメントぴよ〇〇様
コメントありがとうございます♪

ふふっ、キュンキュンして頂けて光栄です♡
そして、嬉しすぎる褒め言葉がいっぱいで…ニヤニヤしちゃっています(*≧∀≦*)

あんまりハラハラドキドキなお話は書けませんが、ホンワカしてもらえるお話を書けるように頑張りますね(^_−)−☆

くるみぼたん

2019/11/14 20:51 URL 編集返信
くるみぼたん
拍手コメントま〇〇様
コメントありがとうございます♪

いつも遊びに来てくださってたんですね〜!
楽しんで頂けて嬉しいです♡

余裕な司くん…本当に余裕なのかそうでないのか、2人はどうなっていくのか、まだまだお話が展開していくので、楽しんでもらえるとうれしいです(*´꒳`*)

くるみぼたん

2019/11/14 21:08 URL 編集返信
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訪問ありがとうございます!

プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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