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あたし副社長と結婚します! 14







こんな所に人が住めるのか?

そう思えるほどの建物で⚪︎△コーポと書いてあった。


「あのっ、副社長。ここまで付き合って下さってありがとうございます。まだ時間がかかりそうですし、帰っていただいても大丈夫ですけど…。」
「気にすんな。今日は付き合ってやるから。」
「すみません。」


部屋の中に入ると、ベッドと生活用品が最低限しかなく、大学生にしては地味な感じ。


牧野は、10分ほどで荷物をまとめて再び病院に向かった。


さっきから気になっていたが、牧野の表情が浮かない。
入院はしなければならないが、弟は無事だったし問題はないだろうと俺は思っていた。



病院の弟に荷物を届け、完全看護のため付き添いは必要ない為、東京に戻ることになるったんだが、東京への道中、牧野は終始無言だった。





マンションの前に到着し、意を決したように彼女が口を開いた。


「副社長、お話があるのでうちに寄ってもらえませんか?」
「ああ、構わないが…。」


一緒に車を降り、マンションの階段を登って部屋に入った。
前にこいつが酔った時に来た以来か。


「お茶でも入れますね。ソファも無いですが適当に座ってて下さい。」


小さなテーブルの近くに座り、ぐるっと部屋を見回した。
前の時には気づかなかったが、綺麗には片づけられているものの弟同様に必要最小限しかない部屋。


「すみません、安物のお茶ですけど…。」


出されたお茶を一口飲むと、上手く淹れてるのかさほど不味くはねぇ。


「で、話ってなんだ。」 

「・・・結婚のお話をお受けします。」

「なんでだ?さっきは断ろうとしてたよな?」


「お金を貸していただきたいんです。」


保険から返ってくるとはいえ、1週間後に支払う入院費、そして、しばらくバイトか出来ないから弟のアパートの家賃、生活費などが必要だけど、牧野にはそれを出す余裕は無いらしい。


「そんな事で結婚を決めていいのか?」
「契約結婚を言い出したのは副社長ですよ!」

「本当に良いんだな?」
「はい、女には二言はありません。」


すげー意志の強そうな目をしていて、もう気持ちを変える気はないんだろう。


「・・・わかった。契約成立な。よろしくな婚約者さん。」
「・・・・・はい。」


牧野は俺の婚約者になった。




 


**

副社長との約束の1週間が経ち、
断りの返事をしようとしたタイミングでなった携帯。

進が事故にあったと聞いて、何も手につかなかったあたしを静岡まで連れて行ってくれた副社長。

パニックで震えているあたしをそっと抱きしめてくれ、静岡までずっと背中をさすっていてくれたんだ。



病院で進の無事を確認し、先生から怪我の状況を聞きホッとしたのも束の間、入院費や当面の進の家賃や生活費の心配が出てきた。

あたしの貯金を切り崩してもきっと足りないだろうし、交通費もかかるから頻繁に世話をしてあげることも出来ない。


お金を借りるあてもないし…どうしようと思っていた時に、ふと副社長が以前話していたことを思い出した。



『俺と結婚する代わりおまえと弟の奨学金を返済してやる』 



お金を貸して下さいとお願いすれば、副社長は貸してくれるのかもしれない……
けど、そんなの都合が良すぎる話だからダメだ。




だったら……。


あたしの選ぶ道は1つ。
副社長と結婚すること…。



お金の為って思われても仕方がないけど、最悪だった初めの頃の副社長のイメージは随分変わっていて、契約で結婚するにしてもこの人だったらアリかもしれないと思うようになった。


静岡から東京への帰り道、ずっとどうすればいいのか考え自分の中で結論を出した。


気持ちが変わらないうちに…副社長に契約結婚を引き受けることを伝えた。

副社長は驚いたのか、一瞬だけ片眉を上げた。


レストランで断ろうとしていたこともお見通しだったようで、気持ちが変わった理由を聞いて来た。


素直に弟の進の件でお金が必要だからと素直に理由を伝えると、少し驚いた様子だったけど、了承してくれた。

こうしてあたしは副社長の婚約者となった。



副社長は、進の事故の保険手続きや病院の支払い等を全部引き受けてくれた。

あたしと副社長の距離感はそんなに変わらなかったんだけど、週に何度か一緒に食事に行ったり、バーに行ったりするぐらいだった。





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くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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