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ヤドリギの下で




Happy Birthday, Sojiro !!

このお話は、去年の誕生日に書いたお話
『ダチの彼女』続きです。

※総優のお話になりますので苦手な方はそのまま閉じて下さい。






誕生日は女と一緒に過ごさないようにしてた俺。

それを知ってんのか知らないのか牧野の策略で優紀ちゃんと会うことになった。
俺にとっては願ってもない事なんだけどな。


待ち合わせの場所に到着すると、もう彼女は到着していて急いで来たのか白い息を弾ませている。


「なあ、あの子可愛くない?」
「ホントだ。声かけてみる?」


明らかに優紀ちゃんを見て話している男の子達の横を素通りし、真っ直ぐ彼女に向かって歩いて行った。


「優紀ちゃん、待った?」
「西門さんっ、わたしも今来た所です!」


ふわりとした笑顔を俺に向けた時、後ろから残念そうなため息が聞こえた。
おまえらが優紀ちゃんに声をかけるなんて10年早いんだよ。


「どこか行きたいところある?」
「えーっと、少し歩いてもいいですか?」


いいよ…と腰に腕を回すと、少し驚いた表情をしたが素直に俺に身を任せた。


いつの間にか街はクリスマスに様変わりしていて、イルミネーションが街を幻想的にしている。


「ちょっとあっち寄って行く?」
「いいんですか?」
「もちろん。」


広場の大きなもみの木が電球で装飾されて巨大なクリスマスツリーとなり暗闇に浮かび上がっている。


「わっ、色が変わりましたよ!」


そう言って俺を見上げた優紀ちゃんの笑顔に心を持ってかれた。


「素敵…って、西門さん見てます??」
「(優紀ちゃんを)見てるよ。」
「もうっ、そんなこと言って全然見てないじゃないですか〜!!」
「ごめん、ごめん。」


ちょっと拗ねたような顔も可愛いなんてな。


腰に回していた腕を解き、手を恋人繋ぎにすると俺の真意を探ってるのか少し潤んだ目で俺を見てくる。


「マーケット見て行こっか。」


手を繋いで、店を見て回っていると優紀ちゃんはスノードームの店で立ち止まった。
彼女が手に取ったのは背景が東京の街並みのスノードーム。


「それ買おうよ。貸して。」
「えっ、いいです。見てただけですから…。」
「いいからって。」


会計を済ませて、紙袋を渡すと、「ありがとうございます」と受け取って大事そうに鞄の中にしまった。


「西門さんのお誕生日なのに、買ってもらっちゃってすみません。」
「じゃあ、俺のお願いも叶えてもらっちゃおうかな。」
「え?なんですか?私に出来ることならなんでも…。」


なんでも…って言ったよね。
簡単にそんな言葉言っちゃダメだよ。

暖かい飲み物を買って、ログハウス風の建物の横に回って飲むことにした。


「ねぇ、優紀ちゃん。ヤドリギって知ってる?」
「ヤドリギですか??…知らないです。」


突然ヤドリギの話をし始めた俺を不思議そうな顔をしながら見ている。


「寄生性の常緑樹なんだけど、他の木の枝に緑色の玉のようなものがあるの見たことない?」
「あっ、あります!」

「それがヤドリギ。ヤドリギに関しては色々と神話があるんだけどさ、クリスマスの話が有名なんだよね。」
「そうなんですね。」

「聞きたい?」
「……はい。」

「ヤドリギは『愛の木』って言われてて、クリスマスの季節にヤドリギの下にいる女性はキスを拒むことが出来ないんだ。」
「拒んでしまうと?」

「(翌年の)結婚のチャンスが無くなるんだって。」


そう言って、優紀ちゃんに顔を近づけていった。


「え?西門さんっ!!」
「優紀ちゃんが今立ってるのってヤドリギの下だよ。」


彼女がハッとしたと同時に柔らかい唇にキスを落とした。
「甘っ。」


ココアを飲んでいた優紀ちゃんとのキスはめちゃくちゃ甘かった。

状況が飲み込めていない彼女に更に追い討ちをかけることにした。


「ヤドリギの言い伝えには続きがあってね、恋人同士がヤドリギの下でキスをすると結婚の約束を交わしたことになるんだよ。」

・・・・・ですか?」 

「何?」

「いつもそうやって女の人を口説いてるんですかっ!?」


目にいっぱい涙を溜めて怒ったように言い放った。


そんな風に言わせてしまったのは、今までの俺の行いの所為なんだけど…。 


「学生の時に遊んでたのは否定出来ないけどさ、本気になれる相手を見つけてからは、下らない遊びは卒業したんだ。」
「・・・・・」 

「それに、結婚なんてワードは優紀ちゃんにしか出したことないよ。」
「……信じていいんですか?」

「それは、これからの俺を見て判断してよ。だから…優紀ちゃん、俺と真剣に付き合って下さい。」
「私なんかでいいんですか?」

「優紀ちゃん、『私なんか』は使っちゃダメだって言ったよね?」
「はい。よろしくお願いします。」


さっきの涙が目尻に残っていて、泣き笑いのような顔で答えた優紀ちゃんにもう一度キスを落とした。


「今度は正真正銘の恋人同士のキスだからね、優紀。」
「………はい。」


「寒くなってきたね。そろそろ行こうか。」


再び彼女の手を取って、急遽予約を取ったレストランへと歩いて行った。


レストランに入り席についた優紀は口数も少なく、若干俯いている。


「なんでそんなに緊張してるの?」
「だって…信じられなくて。」


高校生の頃から、優紀が俺のことを好きなのはずっと気がついていた。

あの頃の俺は、優紀に惹かれて本気になるのが怖くて、逃げてたんだよな。
でも、時々会う彼女はどんどん綺麗になっていってて、他の誰かの物になるのかと思うと気持ちが抑えられなくなってきた。


「ちゃんと大事にするから、俺を信じて。」
「…はい。」


食事を終え、このまま帰したくないと思ったが、大事にすると言った手前、付き合い始めた初日に…はダメだよなと、夜の街を歩いて帰途に向かうことにした。


「あのっ、西門さん。西門さんお誕生日なのに、まだ私何もプレゼントあげてません。欲しいものとかありませんか?」

「あるにはあるけど…。2つあるんだけど言っていい?」
「いいですよ。なんですか?西門さん。」

「総二郎・・・彼女なんだから西門さんじゃなくて総二郎って呼んで。それから敬語もナシな。」
「はい、頑張ります。もう一つは?」


「優紀・・・優紀が欲しい。」


俺の願望を聞いて、一瞬目をまん丸にして驚いた様子だったが、次の瞬間、顔を真っ赤にしながらもコクンと頷いた。


「行こうか…。」


やべぇ、俺としたことが声が上ずっている。


「そ…総二郎も緊張してるの?」


初めての名前呼びにズキュンと俺の心は打ちのめされた。


ホテルに行き、歯止めが利かなくなった俺は欲望のまま一晩中優紀を求めまくった。


俺の印を身体中に散りばめて眠っている彼女を見ているだけでこんなにも幸せを感じるなんてな。





END



いつも応援ありがとうございます♪










【おまけ】


「牧野、俺優紀と付き合うことにしたから。」

『そっか、おめでとう。優紀のこと泣かさないでよね。』
「ああ。」


誰からだよ。
ああ、西門さん。優紀と付き合うことにしたんだって。
ちょっと電話貸せ。


『総二郎、やっと覚悟を決めたのかよ。』
「おまえも気付いてたのかよ。」

『そんなのおまえら以外みんな知ってただろ。』


マジかよ?
上手く隠せてると思ってたんだけどな。


『まぁ、困ったことがあれば相談しろよな。』
「ああ、サンキュ。」



優紀と付き合えるようになったのは牧野のおかげ…ってのが若干シャクだけどな。






(おしまい)





--------------
初めて総優を書きました(⌒-⌒; )
ちゃんと書けてるといいのですが…。

※ヤドリギに関しては、諸説あるようですが…
総二郎くんの都合のいいような説を使わせていただきました。


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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
ブログ内のお話等の無断転載、無断掲載は固くお断りしています。