FC2ブログ

Bitter sweet 11






彼女として付き合えてないものの、キスをしたり、話をしたりと一緒の時間は楽しく、つくしとの関係は良好で俺は少し浮かれていたかもしれない。





「司、ここにいたか。」


珍しくあきらが焦った様子で俺に声を掛けた。


「どうした?」
「噂で聞いたんだけどよ。彼女…牧野だっけ、2年のおまえのファンに裏庭に連れて行かれたってよ。」
「マジかよ!」


俺は迷う事なく中庭に向かって走り出した。


「おいっ、司!」


あきらの声はとう俺には聞こえてなかった。




中庭に到着した時には、つくしは一人の男に押さえられ、もう一人の男がスカートに手をかけようとしていた。


「何やってんだ!!」


俺の声に反応して近づいてきた女を突き飛ばし、つくしの近くにいた男たちの鳩尾にパンチをお見舞いし、つくしを見ると制服は切り刻まれ髪まで切られていた。


つくしの肩に俺のジャケットをかけ、怒りの感情のまま主犯格の女に殴りかかろうとした瞬間…


「暴力はだめぇ〜!」


つくしの叫び声が聞こえ、俺は我に帰った。


彼女の為…とはいえ、これからの俺を見てくれって言ったのは自分なのに…。




「つくし、ごめん。俺…」


それ以上の言葉をつなぐ事が出来ずに、彼女を抱き抱えてその場を離れた。


「司、後は任せとけ。」
「頼む。」


後のことはあいつらに任せた。






**


唖然として司を目で追っている女の子達。

 
「君たち自分たちが何したかわかってるの?」
「でも、あの子が…。」


まぁ、今まで司が側に置いた女の子はいないから、そんな風な思うのも無理も無いけどな。


「ひとつだけ教えてあげる。司は彼女に片想いしてるんだ。」


類の言葉に女の子達の半数はその場に崩れ落ちた。


「この事はもう先生に伝えてあるから。ま、退学もあり得るだろうけどね。」


顔色を変えて駆けつけてきた先生達に連れられていった。


「こいつらどうする?」


司のパンチが効いて意識を失っている柄の悪い男たち。


「警察突き出しておくか。不法侵入と婦女暴行未遂…でいけるだろ。」
「だな。道明寺から圧がかかるだろうし実刑もあり得るんじゃない。」




警察が来て、男たちも引き渡した。


「無事に終了か。」
「「だな。」」


総二郎と類と拳を合わせた。


「司変わったな。今までだったら半殺しだったんじゃねーの。」
「彼女の声を聞いて殴るのやめたもんな。前だったら女でも容赦なかったし、血が昇ってたら人の意見なんて聞かなかっただろ。」
「ああ。」

「凄いな、彼女。」
「だな。司をあんな風に変えるなんてな。」
「早く想いが届くといいな。」


殴るのをやめたのにも驚いたが、あんなに大事そうに女を抱えている司の姿なんて見たことなかったよな。








**


車に乗った司さんは私をお邸に連れて行くと言う。


「司さん、私、家に帰ります!」
「そんな格好で家に帰れるのか?」
「あっ!」


私の髪は左右長さが違うし、制服は切られてボロボロ。
こんな姿で帰ったらママ達を心配させちゃうよね。


「……ありがとう。」
 

お邸に着くと、タマさんが司さんが抱き抱えている私を見て目を丸くしている。


「おや、どうしたんだい。」
「詳しい話は後だ。タマ、姉ちゃんの服でこいつが着れそうなもの持ってきて。」
「はいはい。坊ちゃんがした訳じゃ…」
「んな訳ねーだろ!」



前にも入ったことのある司さんの部屋に入り、そっとソファに下された。


「気持ち悪いだろ。シャワー浴びてスッキリして来いよ。服はタマが準備してるから。」


男の人の部屋でシャワーなんて…って思ったんだけど、さっきの事を忘れてスッキリしたくて、お言葉に甘えてシャワーを借りる事にした。シャワーを浴び終えるとタオルを借り、タマさんの持ってきてくれた服に着替えた。


トレーナー地のワンピース。元々はミニなんだろうけど、私がきたら膝丈でミニじゃなくなってる。



「服に着られてんな。ま、可愛いけど。」
「だってしょうがないでしょ!お姉さんって背が高いんだね。」
「まーでかい方か。」
 
写真を見せてもらったら、美人さんでモデルみたいな体型の人だった。


「うちの美容部員呼んでっから。髪何とかしてもらってこいよ。」


タマさんに連れられて、行った先には美容室みたいな部屋があって、そこで私の髪を切ってもらった。

長さが違う髪を綺麗に切ってくれ、肩下10センチほどあった私の髪が肩スレスレの長さのボブカットになった。 


「長いまま残せなくて申し訳ありません。」
「いえ、素敵にしてくださってありがとうございます。」


美容師さんにお礼を言って、元来た廊下を歩いて司さんの部屋に戻った。


コンコン

「はい。」
「あの〜、入って良いですか?」


言い終わったと同時にドアが開いた。


「すげー、可愛い。似合ってんな。」
「そう?久しぶりにこんなに短くしたよ。」
「ごめん。俺の所為だよな。綺麗な長い髪だったのに。」


私の髪を一筋すくって、司さんは申し訳なさそうな顔をしている。


「司さんの所為じゃありませんよ。それに…髪が長いのだって切りに行くお金が勿体無かったからですから。」


そのまま司さんに抱きしめられた。



「もうすぐ制服届くから。」
「え?」
「俺の気が済まないから受け取れよ。」
「…ありがとう。」


断っても、私の切り刻まれた制服を直せるわけもなく、今日はお言葉に甘えて、バイト代を貯めて返そうと思った。






いつも応援ありがとうございます♪


関連記事

コメント

コメント(0)
コメント投稿
非公開コメント

訪問ありがとうございます!

プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
ブログ内のお話等の無断転載、無断掲載は固くお断りしています。

カテゴリ