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アットホーム・ビースト〜専業主夫司奮闘記〜 中編






朝食の片付けを済ませ、洗濯も咲希に文句を言われながらも干し終えた。


これなら仕事をしている方が数倍楽だ。
けど、つくしは仕事をしながら家の事も全部してくれてるんだよな。

結婚した頃は、無理して一人で何でもしようとするつくしにメイドやタマに頼れと言って喧嘩にもなったりしたが、今となっては家族だけでの生活が当たり前になっている。


感謝しかねぇな。


「パパ、おひるごはんはなに〜?」


ゆっくりする暇も無く、次々にする事が降ってくる。


「何くいてぇんだ?」
「うどん。きちゅねの。」
「じゃあ、買い物に行くか。」


出掛ける準備をしていると、ポイントカード絶対に忘れちゃダメだよと咲希に言われた。


「それから、これも。」


と小さく折り畳んだものを渡された。


「何だこれ?」
「エコバッグ。これ持って行ったら2ポイントもらえるの。」


俺の嫁がせっせとポイントを貯めているのなんてあり得ねーって思うんだが、つくしらしさを失わないで欲しいから、彼女のする事には文句はねぇ。


「大雅、トイレ行ったか?」
「まだ…。」


何か言いたげにウルウルとした目で俺を見てくる。
可愛いんだけどよ、さっき約束した所だろ?


「行ってこい。」
「………はい。」


少し目を潤ませながら、自分の部屋に入って行った。
5分ぐらい経ったか…


「パパ、ひとりでできた!!」


ドヤ顔をしながら自分の部屋から出てきた。


「すげーじゃん!ママが帰ってきたらビックリするぞ。」


頭をぐりぐりと撫でてやると、へへへっと笑っていた。





咲希と大雅、俺の三人でスーパーに出掛けた。

咲希に教えてもらいながらうどんの材料をカゴに入れ、レジに行こうとすると咲希が口を挟んできた。


「パパ、ご飯の度に買い物に行くつもり?」
「おお、そうか。」


夜はハンバーグがいいと言うので、ネットで検索したハンバーグの材料をカゴに入れていった。


「パパ、オヤツ買っていい?」
「いいぞ。」


二人が選んだお菓子もカゴに入れて、レジに行くと、すげー行列。

並んでいると大雅がおしっこだと騒ぎ出し、並ぶのを咲希に任せてトイレに駆け込んだ。
トイレを終え、列まで戻り会計をする。


『袋はお持ちですか?』
「ああ、持ってる。」

『エコポイントの2ポイントお付けしますね。』
「・・・」

『お会計は3,578円になります。』


1万円を出し、ポイントカードも出して支払いを済ませた。

お釣りを受け取ってハッとした。


手元には6,422円。


1日でこんなに使ったら足りなくなるなるだろ。


後6日間を6千円で過ごさないといけないじゃねーか。
1週間で、1万円なんて絶対に無理だろ!!


ネット検索をしながら、昼飯のきつねうどんと夕飯のハンバーグは何とか作った。
つくしの作る飯には到底及ばないが、食えなくもないレベル。


夜は大雅を風呂に入れ、夕飯の片付けをしてようやく1日が終了…かと思ったが、洗濯を干したままだったのを忘れていた。

ここならそのまま干せるよ…と咲希に案内されたのはゲストルームの一つ。
窓際にポールが設置されてて、洗濯をハンガーなどをそのまま干せるようになっている。
いつの間にこんなものを…。


ハンガーに洗濯物をかけ、知らなかった自分に苦笑しつつ、1日目の主夫業を終えた。







**

Pipipipi……

Pipipipi……


一向に鳴り止まない目覚まし。


「つくし…、朝だぞ…。」


俺の横を手で探ってみるも、つくしの気配がない。


「!!!」


ヤベッ、寝過ごすところだった。


昨夜は疲れ過ぎて、酒を飲む気にもなれず、ベッドにダイブしたらいつの間にか寝てたらしい。


取り敢えず、洗濯と朝食の準備か。
昨日の失敗を踏まえつつ、作っていく。


今日は目玉焼きにするか。
あらかた準備ができたところで、咲希起こしにいった。

「咲希、起きろ!今日は学校だろ。」
「はーい。」


返事をするものの布団から出てこない。


「おいっ!起きろっ!!」
「わかってる〜。」


渋々起き上がってベッドから出た。


次は大雅か。


「大雅起きろ!朝ごはん食べるぞ。」
「ウインナーたべたい…。」


起きるなりメシのリクエストかよ。


「ウインナーは明日な。今日は目玉焼きだぞ。」
「わーい!」


メシを食い終え、俺は片付け、咲希は学校に行く準備、大雅はテレビを見ていた。


「ギャー!!!パパ!!変な虫がいるの〜!!!」


洗面所で突然咲希が叫び声をあげた。


「どうした?」


咲希の所に行ってみると、昨日大雅の置いたどんぐりから虫が出てきている。


「どんぐりの中から出てきたんだろ。大雅これ捨てるぞ。」
「ダメ!!」
「ほら、虫が出てきてるんだからしょうがねーだろ。」
「ダメなの〜!!!」


あ、ヤベッ…
大雅が火がついたように泣き出した。


「ママぁ〜…ック……ヒック…
ママにあいたいよぉ〜!
わああぁぁぁ〜ん!!!」


大雅がギャン泣きするとつくししか止められない。。


「ほら、泣くな。
パパが虫が出ない方法調べててやるから
明日拾いに行こうな。」

「・・・やくそく?」

「ああ、約束だ。」

「…ック、ぜったい?」

「ああ、絶対な。」



「……ック、…………だったらすてていいよ。」


ふぅ〜。
なんとか長引かせずに泣き止ませることに成功した。


咲希を時間通りに送り出し、携帯を取り出すとつくしからのメッセージが入っていた。


『色々大丈夫かな?主夫頑張ってね♡』


愛してるとかはねーのかよ。


『なんとかやってるぞ。早く帰って来いよ。愛してるぞ。』


メッセージを送り、西田に電話をかけた。


「西田、どんぐりが拾える所を調べてくれ。それから虫が出てこない方法も。」


一瞬、電話の向こうでフッと笑ったような気がした。


『主夫頑張っておられる様ですね。調べてメールしておきます。』
「悪いな。頼むわ。」


今日は邸で大雅はレッスンがあるのか。
洗濯を干して、リムジンに乗り大雅と二人邸に向かった。


「今日は何のレッスンがあるんだ?」
「えーごといちにいさん。」


英才教育なんて受けさせなくてもいいと思ってたが、つくしも働いているから邸で預かってもらってる時に試しに講師をつけてみたら、二人とも案外楽しんでレッスンを受けていたから、そのまま継続してレッスンを受けている。


「自己紹介を英語で出来るんか?」
「じこ??」

「Please introduce yourself 」
「まいねーむ いず たいが。あいむ すりー。あい らぶ まむ♡」

「Good job, Taiga!!」


つくしのことが大好きな大雅らしいな。
楽しく身についてるんだったら問題ねぇ。



車が邸に到着し、大雅はそのままレッスンに行ったので、俺は書斎でメールのチェックをすることにした。

仕事のメールは、西田が俺が1週間休むことを伝えているらしく急ぎのものは無かった。


1番重要なのは、これか。
西田から送られてきたメールを開いた。


どんぐりが拾えるところが、リストアップされており、その中には屋敷の庭も。


そして、虫の出てこない方法…

1週間冷凍する
沸騰したお湯で煮る
レンジでチンする

どれもナシだろ。
食いモンと一緒にするなんてあり得ねー。



タマに相談すると、庭師が消毒用に使っているものがあるからそれを使えば…との事だった。
取り敢えず、この件は解決か。




「坊ちゃん、ちゃんと主夫出来てるんですかね?」
「まぁ、なんとかな。」
「あの子達もつくしも考えたもんだねぇ。坊ちゃんに主夫をさせるなんてね。」
「うっせぇな。」


タマが淹れてくれたコーヒーを一口飲んだ。昨日も今日もコーヒーを飲む余裕なんて無かった事に、今気付いた。


「お昼ぐらい食べていって下さいな。何なら夕食もシェフに作らせますか?」
「夕食は俺が作るからいらねぇ。」
「ふぉっふおっふぉっ…、ちゃんとつくしの言いつけを守ってんだね。」
「仕方ねーだろ。」



つくしとの約束は絶対だろ。


約束を守らずに黙って島を買ったのはまた別の話だ…と自分に言い訳をした。






いつも応援ありがとうございます♪





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コメント

コメント(2)
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2019/12/24 08:41 編集返信
くるみぼたん
ぴ〇〇〇〇様
司くんの主夫奮闘記…
楽しんでもらえてるようで嬉しいです♪

コメントありがとうございます(*'▽'*)

くるみぼたん

2019/12/25 18:57 URL 編集返信
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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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