FC2ブログ

Bitter sweet 18






「司、あなた…。」



背後から声がして、怪訝そうな顔をしながら振り向いた司。
声をかけたのは品の良さそうなお母さんぐらいの女性。


「ちゃんとパーティーに出るんだから問題あるか?」


若干…いやかなり喧嘩腰な口調なんだけど、誰なんだろう?


「そちらは?」
「俺の彼女。」
「あなた、一緒にパーティーに出るつもり?」
「ああ。」


二人の張り詰めた雰囲気に言葉を挟めないでいる。


「それが何を意味するのか分かってるのかしら?」
「当たり前だろ。」

「そう。だったらちゃんと紹介しなさい。」
「牧野つくし。英徳の1年。俺の大事な人だ。こいつと将来を考えている。これでいいか?」


「あのっ、初めまして。牧野つくしと申します。えっと…」


なんとか二人の間に言葉を挟むと、女性はクスクスと笑い始めた。


「ごめんなさいね。この子ったら、もう少し言い方ってものがあるのにね。」



もしかして…



「自己紹介がまだだったわね。私は道明寺楓、司の母親よ。」


やっぱり司のお母さんだったんだ。


なんだろ、顔はそんなに似てないんだけど雰囲気というか纏っているオーラが似ている気がする。


「母親らしいことなんて何もしてねーだろ。」
「こんな子供っぽい司とお付き合いしてくれてるのよね。」
「はい。でも、司さんはとても優しい人です。」
「ふふっ、司のことを優しいだなんて言う子に初めて会ったわ。芽衣子の言う通りみたいね。」
「芽衣子さん…?」


突然彼のお母さんの口から出てきた知っている名前に少し戸惑った。


『お話中申し訳ありません。パーティーの始まる時間ですが。』


秘書さんみたいなスーツを着た人が、彼のお母さんを呼びに来た。


「今行くわ。つくしさんと仰ったかしら。パーティーが終わったら、少しお話し出来るかしら?」
「大丈夫です。」

「パーティーには色々な人がいるから、彼女を守ってやりなさい。それが出来ないようだったら、あなた達の将来はきっとないわよ。」
「…わかってる。」

「じゃあ、つくしさんまた後ほど。」


すっと表情を引き締めて、会場の中に入って行った。

芽衣子さんの事も気になるけど、後でお話し出来るって言ってたし、その時に聞けるかな。


「つくし?大丈夫か?」
「うん、平気。」
「何があっても俺を信じろよ。」
「うん。」


彼のお母さんも言ってだけど、そんなに大変なパーティーなのかな?


司と一緒に会場の中に入っていくと、会場の人達がみんな私たちを見てるんじゃないかと思えるぐらいの視線を感じる。


好奇の目、彼をうっとりと見つめている視線、そして私に対しては敵意や蔑むような視線…。


俯きそうになる気持ちを抑えるために、グッと手に力を込めると、司が私に大丈夫だからと言わんばかりの優しい目を向けてくれた。
うん…と頷くと、彼はニッコリ笑ってから表情を引き締めて前を向いた。


彼に声をかけてくる人は、いろんな会社の社長さんだったり、有名な政治家だったりと目上の人が多いんだけと、物怖じする事なく対応をしている。

時には彼の隣にいる私を完全に無視して、娘さんを嫁にどうですかなんて言ってくる人も数えきれない。その度に彼は、私を引き寄せて「心に決めた人がいますから」と断っている。


あまりにも彼が堂々としているので、そのまま引き下がっていく人が大半なんだけど、どの娘さんもグラマーで美人で、私なんかが隣にいていいのかなって思っちゃう。


「よう、司。」
「お前ら来てたのか?」
「招待状送っといてその言い草かよ。」
「そんなの、勝手に送ってんだから知らねーよ。」


彼の友達との砕けた雰囲気。

私の知っているいつもの司だ。


「今日は、パーティーの主役とはいえ、お前ら相当目立ってんぞ。」
「えっ??」



私変なことしたのかな??
もしかして司に迷惑かけちゃってるんじゃ…。



「司が女の子連れてるからでしょ。」
「だな。司が女の子連れてるなんて今まで無かったもんなぁ。」
「それにデレデレだし。」

「意外と化けるもんだな。女は嫉妬だけど、男は牧野のこと狙ってる奴ら沢山いそうだよな。」
「お前らつくしのこと見んなっ!!」


彼は私を腕の中に仕舞うように抱きしめた。


「司くん、独占欲丸出しじゃん。」
「こんな姿滅多に見れないよな。」


西門さんも美作さんも笑っている。


「ね、司のお袋さんは?何も言われなかったの?」
「守ってやれってよ。」


「「マジか?」」
「反対されなかったんだ。」

「よくわからねーけど、そうらしい。この後、つくしと話がしたいって言ってたな。」

「司のお袋さんなら、ダメだったらどんなことをしてもパーティーにも出席させないんじゃね。」


司のお母さん、そんなに怖い人なのかなぁ?さっきお会いした時には、そんな風に感じなかったけどな。


「ま、頑張って。」


彼らと別れると、また別の人達が司の所に寄ってきて話しかけられる。今度の人が連れてるのは息子さんだし少しホッとしていると、司が私の腰に手を回しグッと引き寄せられた。




「はぁ〜、ムカつく。」


さっきの社長さんと息子さんが離れてから、司がボソッと呟いた。


「どうしたの?」
「アイツつくしのことをジロジロ見やがって…。俺の彼女だっつーの。」
「ふふっ。」


そんな訳ないのに、あの息子さんを見て司はやきもちを妬いたってこどたよね。
こんな時に不謹慎だけど、ちょっと嬉しい。


「笑ってんじゃねーよ。」



お互い顔を寄せながら小声で話している私たち。
周りからは、ものすごく親密に見えたらしい。






いつも応援ありがとうございます♪


関連記事

コメント

コメント(0)
コメント投稿
非公開コメント

訪問ありがとうございます!

プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
ブログ内のお話等の無断転載、無断掲載は固くお断りしています。

カテゴリ