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Bitter sweet 21






お邸に着いて、タマさん達に挨拶をして司の部屋に入るなり彼に抱きしめられた。


いつもより力が強くて…
何かあったのかな?


「司っ、どうしたの?」
「…会いたかった。」
「私も会いたかったよ。」


ギュッと司に抱きつくと、フッと彼の腕の力が緩んだ。


「なんかあったの?」
「いや・・・何でもない。コーヒー淹れてくれるか?」
「うん。」


どうしたんだろ。
NYで何かあったのかな?


話があるって言ってたし、ちゃんと話してくれるよね。


彼の部屋にあるミニキッチンでお湯を沸かしてブルーマウンテンを淹れ、ソファに座っている彼の前に置いた。


「はい。」
「サンキュ。」


自分の紅茶も淹れて司の隣に座った。


「なんか食うか?」
「ん、大丈夫。」


その後も司は言葉少なめで、私が一人で話しをしている。


「飛行機長かっただろうし疲れてるみたいだから、私帰るね。今日はゆっくり休んで。」


自分の紅茶の入ったカップをミニキッチンで洗っていると背後から抱きしめられた。


「つかさ?」
「帰るなよ。」
「どうしたの?」


振り向いたら、かぶりつくようなキスをされた。いつもより余裕のない感じ。


「んんっ…!」


息をする間も与えてもらえなくて、苦しくなって彼をグッと押した。


「悪りぃ。」


はぁ、はぁ…と息をしていると彼はバツの悪そうな顔をしている。


「ねぇ、司。何か話したいことがあるんでしょ?ちゃんと話してくれる?」

「・・・NYに行こうと思ってる。」
「ん?また行くの?」

「じゃなくて、高校卒業したらあっちの大学に行きながら仕事を覚えようと思ってる。」
「・・うん。」


「だから………
帰ってくるまで待っててくれるか?」

「・・・いいよ。」


えっ…と驚いたような顔で私を見てきた。


「マジか?何年かかるかわかんねーんだぞ。」
「うん。待ってる。」

「いいのか?遠距離恋愛になるぞ?」
「いいって言ってるでしょ。」


ホッとしたような顔をして司は私を抱きしめた。


「別れようって言われるのかと思った。」
「それは、俺のセリフ。遠距離なんて嫌だから別れるって言われるのかと思った。」

お互いに同じことを考えてることがわかって、
二人で目を見合わせてクスクスっと笑った。






**

夏休み、2週間NYでババァが仕事をしているのに付いて回った。

毎日分刻みのスケジュール。一瞬でも気を抜けば食われるかもしれない中で的確な判断を下している。初めてババァの事をすげぇって思ったかもしれねぇ。


「あなたも、つくし さんとの将来を考えるのなら、周りに文句を言わせないぐらい一人前になりなさい。」


「…わかってる。」


それは俺の誕生日に、つくしをババァに認められた頃からずっと考えていた事だ。


NYに来て、ババァに付いてみてここで経験を積んで行くのが力をつける近道だと思った。


「高校を卒業したらNYに来なさい。」
「ああ。」

「あら、もっと悩むかと思ったのに…。彼女のおかげかしら?」
「…そうかもな。でも…。」


NYで経験を積むのが近道だが、何年かかるかなんてわからねぇ。つくしにどうやって話すんだ…。


待っててくれって言っていいのか?
何年も待てないから別れるって言われたら…。


「ふふっ、ちゃんと二人で話し合いなさい。」


俺の気持ちなんてお見通しなババァがちょっとムカつくけど、話すしかねーんだよな。



2週間のNY滞在から日本に帰り、そのままつくしに会いに来た。
ちょうどバイト上がりの彼女と一緒に邸の俺の部屋まで帰ってきた。


久しぶりのつくしはめちゃくちゃ可愛いし、NY行きの話しをして別れるなんて言われたらどうしたらいいんだって思うと何も話せなくなった。


そんな俺を疲れているのと勘違いしたつくしが帰ろうとしているのを背後から抱きしめ、振り向いた彼女にキスをした。



俺から離れていくな。
ずっと側にいてくれ…。

彼女を手放さなければならない不安をぶつけるようにキスをしていた俺をつくしはグッと押した。


「ねぇ、司。何か話したいことがあるんでしょ?ちゃんと話してくれる?」


俺が話があるって言ったんだよな。



高校を卒業したらNYに行くから、帰るまで待ってて欲しいと言ったら、迷いもなく『いいよ』と言ってくれる彼女。
俺が仕事を始めた頃から、こんな日が来るんじゃないかとずっと覚悟してたらしい。


「一緒にNY来て欲しいって言ったらどうする?」
「気持ちは嬉しいけど行かないよ。」


俺は仕事を覚える為に行くんだし、自分が近くにいない方がいいんじゃないかって。だから、彼女は日本で頑張るって。




お互い別れを切り出されると思っていたみたいで、目を見合わせて笑った。 





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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
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