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Bitter sweet 26







司がNYに行ってから残り1年の私の高校生活は寂しさを感じないぐらい忙しかった。
学校とバイト、そして、今まで司との時間をレッスンの時間に当てた。


司のお母さんが日本に来た時には、バイト先の喫茶店に来てくれ、芽衣子さんと思い出話に花を咲かせていた。

「楓がね、つくしちゃんがメープルホテルで働きたいって言ってるってものすごく喜んでたのよ。」
「そうですか?」
「もう、楓の娘のようね。」
「へへっ。良くしてもらってます。」
「この後もご飯に行くんでしょ?」
「はい。」
「司くんの話、いっぱい聞いておいでね。」
「……はい。」


こんな風に、彼がいない間、司のお母さんやお姉さんが時々日本に来ては、ご飯に連れて行ってくれて、司の近況を教えてくれるようになった。








夏休みには、司が飛行機のチケットを手配してくれてNYに1週間遊びに行くことに。 

彼とゆっくり出来るのは1日しかないけど、半年ぶりに会った司は更に大人びていて少し戸惑ってしまい俯いてしまった。


「つくし、顔見せて。」
「だって…。」
「久しぶりなんだからちゃんと見せろよ。」


おずおずと顔を上げると、私の知っている優しい顔をしていて、ちょっと安心して笑ったら優しいキスが降ってきた。
でも、やっぱり恥ずかしくて俯いたら、司が私の顔を覗き込んだ。


「どうした?」
「久しぶりだし、司が大人っぽくなってて、カッコよくなってるんだもん…。」
「つくしだって綺麗になってんぞ。惚れ直した。」
「……//」
「つくしは変わってねぇって思ってたけど、テレビ電話じゃ意外とわからないもんだな。」
「……だね。」


変わったのかなと思ってたけど、司は変わってなくて…安心したんだ。


NYは初めてなんだろ…と1日かけて、あちこち観光に連れて行ってくれた。


タイムズスクエアに向かって歩いているときに、メイン通りから一本入った路地で見つけた食器屋さん。
私が目を止めたのに気づいた司はお店に入ろうと言ってくれた。

お店の中を見て回っていると、一角に置かれたシリーズ物の食器。


素敵だなぁ。


うちのお皿がこのシリーズだったら、お料理も楽しくなるだろうなぁ〜なんで思いながら見ていると…


「全部揃えるか?」
「え?」
「欲しいんだろ?それに、将来のために必要だろ?」
「このお皿たちがあったら、お料理も楽しいだろうな…って。でも…使えるのいつになるかわからないし…。」
「全部買おうぜ。」


店員さんを呼ぼうとする司を引き止めた。


「ちょっ、ちょっと待って。今日はね、マグカップだけにする。」
「なんでだよ?無くなっちまうかもしれないだろ?」
「きっと大丈夫。だから、また次に遊びに来たときにまた別の物買うから。全部揃うのを楽しみにしながら、少しずつ揃えていくのって良くない?」
「……わかったよ。じゃあ、俺はこの皿にする。二人で集めていったら早いだろ?」
「うんっ!!」


私の我儘だったのに、それに付き合ってくれる司。やっぱり優しいな。
二人でマグカップとお皿を買ってからお店を出た。 


「買っちゃった。ちょっと気が早かったかなぁ〜。」
「いいんじゃね。俺の気持ちは絶対に変わらないから。」
「うん、私も…。」



この後は、私が好きそうなドーナツ屋さんやカップケーキ屋さんに寄ってくれたんだ。
NY滞在中は、司の部屋に泊まらせてもらい、彼が仕事に行っている間は司のお母さんやお姉さんが美術館やミュージカルを観に連れて行ってくれた。





NY滞在最後の夜。
司は早く仕事を上がってくれ、NYのお邸で一緒にご飯を食べることに。


「つくしは、このまま内部進学するのか?」
「んー、ちょっと悩んでて…ホテルの専門学校もいいかなって思ってるんだ。」


そんな話をしたら、司から専門的な事は仕事を始めてからでも問題ないし、必要ならメープルでバイトするのもアリだから大学はちゃんと出た方がいいって言われた。


「そうだね、奨学金もあるし大学にしようかな。」


本当は大学に行きたい気持ちはあったんだけど、うちの家計を考えたらかなり厳しい。先生にも奨学金があるから進学を考えてみてはとも言われていた。
誰かに背中を押してもらいたかったのかもしれない。


「授業料は心配するな。俺が出すから。」
「でも…そんなのダメだよ。」
「なんでだよ!俺がつくしのために使うんだから問題ないだろ。」
「でも……。」





「だったら私が出すわ?」


ダイニングの扉の方から声が聞こえた。


「お義母さま?」「はぁ?」

「道明寺の嫁になるつもりなら、大学は出ておくべきです。それに、メープルホテルに就職する意思があるのなら先行投資です。きっちり働いて返してもらうわ。」
「ってか、横取りすんなよ。」
「下らない言い合いをしてるからよ。」


結局、お義母様に説得されて大学の費用は司に甘えることにした。少しずつでも返して行こうって思ってるんだ。



こうして、私の初めてのNY滞在は終わった。



いつも応援ありがとうございます♪


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明日の更新はお休みさせていただきますm(_ _)m
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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
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