FC2ブログ

Bitter sweet 28







「はぁ、間に合った。ギリギリまで仕事をさせやがって…。」


十分聞き覚えのある声に、びっくりして言葉が出なかった。



「つくし?」
「えっ?あっ?うん……。」


私の前に歩いて来たのは、会いたくて会いたくて、恋い焦がれていた彼…司。


「どっ、どうしたの?仕事?」
「な訳ねーだろ。帰ってきた。」

「・・・・・・・・ホントに?」
「ああ。ただいま。」
「……おかえり。」


おかえりと言ったものの信じられなくて、自分の頬をつねってみた。


「痛っ!夢じゃないんだ…。」
「5年も待たせちまったな。」
「司が頑張ってたの知ってるよ!経済誌にもいっぱい載ってたし。」

「ヤベッ、このまま押し倒したいぐらい似合ってる。」
「もうっ!今から卒業式なんだから…。」
「わかってるって。卒業生代表で挨拶すんだろ?そのために早く帰ってきたんだから。」


司は私を抱き寄せて、そっとキスをした。


「そろそろ時間だろ?行くぞ。」
「えっ?司も行くの?」
「ああ、当然だろ。」


メイクさんに、口紅を引き直してもらい司と一緒に卒業式が行われる会場へと向かった。


一緒に車に乗っていても、まだなんだか信じられなくて…


「ねぇ、もうNYには帰らないの?」
「ああ。日本支社の支社長になるからな。」
「凄い‼︎だって、司まだ23歳でしょ?」
「この5年寝る間も惜しんで頑張ったからな。」
「そっか、おめでとう。」



凄いな…。
大学を卒業して、ようやく社会人の私なんて司の足元にも及ばないよ。


「そんなこと無いだろ?」
「えっ?」

「考えてること口から出てんぞ。」
「うっ…。」

「大学で首席だったんだろ?それに、4…いや5ヶ国語マスターしたんだろ?つくしの方が十分凄いって!」
「それでも足りないよ…。」

「んなことねーって。俺の原動力になってるってだけですげーだろ?」
「ふふっ、何それ?」


日本支社長になるって聞いて、変わったのかなって思ってたけど、話をすると高校生の彼のまま変わって無くて安心した。






**

卒業式会場に到着し、司は私の両親と合流して観覧席へ。


私も、自分の席につき卒業式が始まった。


学長の挨拶に始まり、卒業証書が順番に授与されていく。
私の番になり、卒業証書を受け取り壇上を降りる前に前を向くと、笑顔で私を見ている司の姿が目に入った。
パパやんママよりも前のめりで…ちょっと笑っちゃった。


卒業証書授与式が終わり、来賓の挨拶が終わり、卒業生代表の挨拶。
ふぅ〜っと息を吐いてから再び壇上へ向かった。



『桜の蕾もあちらこちらで見かけるようになり、春の訪れを感じれる季節になりました。本日は、諸先生方並びにご来賓の皆様のご臨席のもと、このような盛大な式典を催して頂いたことに、卒業生を代表して厚く御礼申し上げます。


私は高等部から英徳に入って7年。
高校時代は特殊な環境になかなか馴染めなかったのですが、大学では沢山の人たちとの出会い、そして諸先生方や職員の皆様のサポートのお陰で、楽しく充実した大学生活を送ることが出来ました。



(中略)



最後になりますが、今日までご指導、ご支援して頂いた諸先生方、職員の皆様、支え合い励まし合ってきたクラスメイトや友人たち、どんな時にも一番近くで支えてくれた家族、そして、私の進学を支援してくださった皆様に心より御礼申し上げます。本日ご臨席して頂きました皆様方のご健康と英徳大学の更なる発展をお祈りし、卒業生代表の挨拶とさせて頂きます。



20〇〇年3月×日 
卒業生代表 経済学部 牧野つくし』



お辞儀をして壇上から降りて席に戻った。


ちゃんと話せてたかな?
会場の雰囲気も悪くなかったから大丈夫かな。。



卒業式を終え、ゼミの友達などと写真を撮っていると、騒めきと共に司が私の所に歩いて来た。


「つくし、おめでとう。挨拶も良かったぞ。」
「ありがとう。ちゃんと出来てた??ちょっと不安だったの…。」
「十分だろ。」
「そっか、よかった。」


司と話をしていると、周りの友達が私達を見ている。


「ね、つくしちゃん?」
「えっと、私の彼の…」「知ってる!道明寺司さんだよね?新聞とか雑誌で見たことある!!」


紹介する前に、バレてたのね。。


「高校生の時からお付き合いさせていただいてて…。」
「噂は本当だったんだ!鈍感なだけかと思っていたけど、通りで色んな人にアプローチされてもなびかなかったわけだ。」
「えっ?ちょっと…和泉ちゃん!」
「あ、ごめん…。つくしちゃん、また連絡するね〜。」


和泉ちゃんは、半ば逃げるように他の友達を連れて行ってしまった。


「どういう事だ??」




いつも応援ありがとうございます♪


関連記事

コメント

コメント(0)
コメント投稿
非公開コメント

訪問ありがとうございます!

プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

大したお話は置いてありませんが、
ブログ内のお話等の無断転載、無断掲載は固くお断りしています。

カテゴリ