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可愛い後輩 〜音と晴

カラーン♪

ドアが開いてお客様が入ってくる。


「いらっしゃいませ〜、空いてるお席にどうぞ。」


英徳の制服っぽいけど、黒いジャケットを着た男の子。
高校生だよね。
このお店に高校生の男の子1人って珍しい。


お冷やを持ってきた音ちゃんが、固まっている。


「か、神楽木?どうしたの?」

「偶々、時間が空いたから、友達がどんな所で働いてるか見に来たんだよ。」

「あっ、そう。注文は?」

「コーヒーで。」

「はい。」


プイッとつれない感じにカウンターに戻り、コーヒーの準備をしている音ちゃん。


「音ちゃん、知り合い?」

「道明寺さんを崇拝してる神楽木晴です。」

「へぇ〜、あの子なんだ。」


友達…だなんて言ってたけど、彼の方は音ちゃんが気になってしょうがない感じ。
音ちゃんには確か馳くんっていう彼氏がいるんだよね。。


音ちゃんから聞いていた話もあって、単純に彼に興味が湧いた。


「ねっ、音ちゃん、この後ご飯食べに行こうよ!神楽木くんも一緒にさ。」

「つくしさん?」

「ほら、聞いてきて。」


ぽんっと音ちゃんを押し出す。


「あのっ、神楽木。この後、つくしさんとご飯に行くんだけど、一緒にどう?」

「つくしさん?」

「バイトの先輩なの。」

「今日は、偶々時間が空いてるから、一緒に行ってやってもいいぞ。」

「ありがとう。」


ぷっ、可愛い。
口調は強がってるけど、しっぽ振ってる犬みたい。



バイトが終わって店を出ると、店の前にはデーンっとリムジン。
はぁ、お坊っちゃまなんだから。


「ほら、リムジンなんか乗らないで行くよ!」


音ちゃんと2人先に歩いて行くと、慌てて後から追ってくる。


「今日は、私のおごりだから高い所は行けないけどねモンク言わないでね。」

「いや、女に出させる訳には…。」

「つべこべ言わない!嫌なら来なくていいよ。」



やって来たのは、洋食屋さん。
美味しいのにお手頃価格なお値段で、最近のお気に入り。


「好きなの頼んでね〜!ここはオムライスがおススメだよ。」


私はトマトソース、音ちゃんはクリームソース、神楽木くんはビーフシチューのオムライスをそれぞれ頼む。



「あっ、自己紹介がまだだったね。私、牧野つくし。英徳大学 経済学部の1回生。」

「神楽木 晴。英徳高等部の2年生です。」

「神楽木、つくしさんは喫茶店のバイトの先輩で、どう・・・。」

「音ちゃん!」


言わないで…と目で訴える。


「あの、牧野さん道明寺さんの彼女知ってますか?」

「うん、まぁ。」


ははは、流石に私だなんて言えないね。


「俺、道明寺さんを崇拝してるんですけど、道明寺さんの彼女が庶民なのが納得いかないんですよね。」

「ふーん。神楽木くんはさ、彼女の条件に家柄とか収入とか必要なんだ。」

「俺たちの世界では、政略結婚が当たり前だし…。最終的には選択をする権利ってないんですよ。」

「はあぁ、これだからお坊ちゃんは…自分ってものが無いの?」

「なんですかそれ!」


ちょうど、注文したオムライスが運ばれてくる。


「あっ、美味しそう〜!ほら、食べよ。いただきま〜す。」


一口パクリ。


「やっぱりここのオムライス美味しい。」


ポカーンとこっちを見てる2人。


「冷めないうちに食べて!神楽木くん、続きは食べてからね。ほら、音ちゃんも。」


神楽木くんは、一口食べて、


「悪くねぇな。」


その後は無言で黙々と食べていた。



みんな食べ終え、コーヒーが運ばれてくる。


「さっ、続きの話する?」

「・・・・・」

「あんたたちの世界はさ、私からしたら到底分かり得ないんだけど、決められた道をただ歩くだけって幸せなのかなぁ?」

「それは、選べるものじゃないし、道明寺さんだって、当たり前に財閥を継ごうとしてるじゃないですか。」

「道明寺?道明寺だって高校生の時は家を捨てようとした事だってあるし、今の道明寺があるのは、この道に進むって自分で決めたからだよ。」

「でも、俺は…道明寺さんみたいに完璧じゃないし、親にだって認められてないし…。」

「はぁ〜っ、道明寺のどこが完璧だって?あのバカで単細胞で…。」

「つ、つくしさん。」

「あーごめん。あまりにも道明寺の事を褒め称えるからさ。えーっとなんだっけ…。」



やっちゃった。
神楽木くん鳩が豆鉄砲食らったみたいにポカーンとしてる。


「道明寺だけじゃなくて、みんな今の地位だったり、立場にいるのは、ちゃんと努力して勝ち取ったものだと思うよ。神楽木くんの家の事はさ、よくわからないけど、完璧じゃなくていいじゃない、認められないって逃げてないでさ。自分らしくがむしゃらに立ち向かってみてもいいんじゃない?そしたら何かが変わるかもしれないよ。」

「・・・・・」

「失敗しても、またチャレンジしたらいいじゃない。道明寺はさ、失敗を失敗と思わずにバカなぐらいまっすぐ前を向いてたよ。」



「神楽木?」


「あっ、はい。」



「どうしょうもなくなって行き詰まったら、私がケリいれてあげるよ。あっ、それは音ちゃんの担当か。」

「もう、つくしさんっ!」


「あっ、こんな時間だ。そろそろ出よっか。2人とも付き合ってくれてありがとうね。」


お会計を済ませて、店を出る。


「つくしさん、ごちそうさまでした。」

「ごちそうさまでした。」

「神楽木くん、音ちゃん送ってあげてね。じゃあ、またね。」


✳︎✳︎


つくしさんの走って行った方を神楽木と2人、ぼーっと見送る。


「なあ、牧野さんって道明寺さんの彼女…」

「だね。」

「パワフルな人だな。」

「うん。すっごく魅力的な人。」

「道明寺さんが選んだ人だもんな。」

「この前ね、つくしさんの友達が言ってたんだけど、つくしさんは肩書きとかじゃなくて中身をちゃんと見てくれるんだって言ってたよ。」

「道明寺さんの彼女が、庶民なのが納得いかない…って言ってた自分が恥ずかしいな。」

「だね。でも、神楽木も変わろうとしてるんでしょ。」

「自分らしく…俺に出来るかな?」

「応援してるよ!私も自分らしくいられるように頑張らなくっちゃ。」




いつも応援ありがとうございます!

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切るところが見つからなかったので、長くなりました^^;
ちょっとヘタレな晴につくしちゃんなりに檄を飛ばしてもらいました。


↓このお話を書くと司不足になるのでおまけです。

------------
Rurururu…

「牧野?どうした、お前から電話なんて珍しいな。」

「うん。ちょっと声が聞きたくなってさ。今大丈夫だった?」

「移動中だから大丈夫だ。珍しいな、何かあったのか?」

「今日さ、道明寺のファンの子に会ってさ。」

「2人でか?」

「違うよ。音ちゃんも一緒。」

「で?」

「なんだかグダグダ思い悩んでるみたいだから、ちょっと強い事言っちゃってさ。」

「ふっ、お前らしいな。」

「ちょっと反省してるの。」

「いーんじゃねーの。それでこそ牧野だろ。」

「それって褒めてるの?」

「もちろん。」

「ありがと。ちょっと元気出た。」

「出れない事も多いけど、遠慮せずに電話かけてこいよ。お前、来月来れるんだろうな?」

「うん。ちゃんとバイト休みにしたよ。」

「ずっとは無理だけど、なるべく時間作るから。」

「楽しみにしてるね。」

「俺も。そろそろ切るな。」

「じゃあね。仕事頑張ってね!」

「ああ、またな。」


道明寺の一言で、落ち込みかけてた気分が浮上する。
いつも、そのままのおまえでいいって、言ってくれるんだよね。
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コメント

コメント(3)
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2018/06/07 18:28 編集返信
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2018/06/07 19:55 編集返信
くるみぼたん
ありがとうございます♡
ぱ○○○○様
初コメ&1番拍手ありがとうございます!
読み逃げ大歓迎ですよ(*´∇`*)
拙いお話ですが、楽しんでいただけますように。。

スリ○○○○様
ちょっと強引だったかな〜と思いつつ晴につくしちゃん合わせちゃいました^ ^
晴も司くんも、つくしちゃんにとっては常識を知らないお坊ちゃんかな。
司くんの彼女なのを隠しても、道明寺呼びしてる時点でバレますよね(笑)

まだ、音ちゃんに会ってない人は3人いますからね(⌒▽⌒)
ホント、このお話書いてると司不足になるので、最後は電話だけどつくしちゃんに素直になってもらいます♡

くるみぼたん

2018/06/08 07:15 URL 編集返信
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Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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