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明日が来ること… 18






「牧野は以前は俺のことなんて呼んでたんだ?」




「ゴホッ、ゴホッ…」
「大丈夫かよ?」
「だ、…大丈夫で…す。」


いきなりそんな事を聞かれ、食べていたピザを喉に詰めそうになった。
水をゴクゴクと飲んで、ハァっと息を吐いた。


「えーっと、怒ったりしません?」
「怒らねぇよ。」


自分の上司に当たる人を呼び捨てにしてるなんてどうかとも思うんだけど、素直に答えるしかないよね。


「・・・『道明寺』って呼んでました。」
「呼び捨てか?」
「……はい。」


道明寺はへぇ〜っと楽しそうに笑っていて、怒られなくてほっと肩を撫で下ろした。



「記憶を無くす前の俺はどんなヤツだったんだ?」



「聞いても怒りませんか?」
「だから、怒らないって言ってんだろ!」

「お金持ちの坊ちゃんだから俺様で我儘で強引で…赤札なんか貼って虐めなんかもしてたから、第一印象は最悪でした。だけど迷いが無くて、まっすぐで優しくて……。」
「……そうか。」


道明寺のいい所はもっと沢山あるのに、これ以上言葉が出てこなかった。


料理を食べ終え、デザートのドルチェとティラミスとエスプレッソが出てきた。


「また一緒にメシ食ってくれるか?」
「私で良ければ…。」


この日を境に仕事終わりに、道明寺と一緒にご飯を食べに行くことが増えてきた。


毎回、高校生の話だったり、記憶を失う前の自分について尋ねてきた。
あたしが答えるたびに、少し驚いた表情をしたり笑っていたり…と道明寺はそれ受け入れているみたい。

でも…
あたしと道明寺が付き合っていた事を知っているはずなのに、それについては触れて来ない。









あたしが秘書に戻って半年ぐらい経った。

道明寺の記憶はまだ戻ってないんだけど、畑中社長の条件はクリアしたらしく、そのまま契約は継続されることになった。
畑中社長は、あたしが戻って来たから…だなんて言ってるけど、道明寺が頑張っている姿を認めてくれたんだと思ってる。






**

「支社長、今週の金曜日何ですけど仕事終わりって予定ありますか?」
「特にないな。」

「みんなで集まろうって言ってるので、空けておいて下さいね。」
「あっ、ああ…。」


みんなってあいつらだよな。
デートの誘いかと思ったのによ…。



一緒にメシを食いに行くようになって、牧野の色々な表情が見れるようになった。

プライベートの時間だから…と以前呼んでいたように道明寺と呼ばせ敬語をやめさせた。


一緒に過ごす時間が増えていくにつれて、以前の俺が事を好きだった…ってのはなんとなくわかる気がする。
半年前より距離が近くなっているがそれ以上強く踏み込めないでいる。







「美作さんのところのアジアンレストランなんだって。」
「そうか…。」


一人で行こうとする牧野を引き止めて、リムジンで一緒に目的地に向かった。


「そんな楽しみなのかよ。」
「えっ、うん。だってみんなが揃うのって久しぶりだし。それに…今日は道明寺も一緒でしょ。」


そう言ってはにかんだ牧野。
不意を突かれた笑顔にドキリとした。

俺の気持ちに気付かれないように、視線を逸らした。


「えっ、もしかして嫌だった…?」
「別に嫌じゃねーよ。」
「ホントに?だったら良かった。」


俺も一緒だから楽しみだと言われると、悪い気はしないし、期待を持ってしまうだろ…。


レストランに到着し、牧野と一緒に中に入るとみんな⁈揃っているようだ。


「一緒に登場かよ。」
「つくしー、こっちおいでよ。」


女が3人も居るが…こいつら誰だ?


「道明寺、滋さん…は知ってるよね?大河原財閥の…」
「ああ。」

「隣は、三条桜子。で、あたしの幼なじみの松岡優紀。」
「・・・」

「仲良く…は出来ないかもだけど、威嚇とかしないでよね。」
「おっ、おう…。」


そんな会話をして、牧野は女達の俺はF3の側へ座った。


「道明寺とか呼ばれて仲良くなってんな。」
「もしかして付き合ってるとか?」
「いや…。たまにメシに行くぐらいか。」

「「ふーん…」」


意味ありげな視線を送ってくる総二郎とあきら。


「何だよ!」
「いや、別に…。」

「司は牧野の事好きになったの?」
「・・・わかんねぇ。」

「…らしくないね。」


記憶を失う前に付き合っていたと言っても、今は彼女でも何でも無くて…マジでどうしていいのかわかんねぇ。
隣のテーブルを見ると牧野は楽しそうに女達と楽しそうに話をしている。





「ねぇ、つくし。司とは最近どうなのよ!」
「どうって…。」

「ほら、先輩の事を、熱い目で見ているじゃないですか。」


道明寺の方を見るとバッチリと目が合って、恥ずかしくなって目を逸らした。


「で、どうなの?」
「時々ご飯を食べに行ってるぐらいだよ。」

「でも、名前の呼び方が前と一緒だったから…。」
「プライベートの時はそう呼べって言うんだもん。」

「迫っちゃえばいいのに…。」
「そんなの一番嫌がるの滋さんも、桜子も知ってるでしょ!」


他人事だと思って…。
道明寺だってそんなの困るでしょ。
それに…もしダメだったら、秘書でいられなくなるでしょ。




F3と一緒にいる道明寺は、仕事の時よりリラックスしていてこの場に参加出来て良かった…って思った。





いつも応援ありがとうございます♪

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コメント

コメント(2)
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2020/03/17 15:42 編集返信
くるみぼたん
na〇〇〇〇様
お久しぶりです♪

コメント残してくださってありがとうございます!
読み逃げ全然気になさらないで下さいね。

元気にはしてるんですけど…
なんか色々と落ち着かない日々で、中々更新できなくてごめんなさい(>人<;)

お話の方も、そろそろ少しずつ展開していくつもりです。
更新はのんびりになりますが楽しんでもらえると嬉しいです♡

くるみぼたん

2020/03/22 23:09 URL 編集返信
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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
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