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噂の二人(仮) 2







あたしの二十歳の誕生日。
本当はそっちに帰りたかったんだけど時間が取れなかったからと、道明寺はNY行きの飛行機のチケットを送ってくれた。



彼がNYに行ってから3年…
会えたのはフランスでの静さんの結婚式の時と彼の二十歳の誕生日の2回だけ。


高校生の時は、5年かかるって言ってたけど、離れていると愛しさが募って来て………
道明寺の二十歳の誕生日にあたし達は結ばれたんだ。

初めてはお互いが余裕もなくて、痛かったけど彼と一つになれたことが嬉しかった。


そして、あたしの二十歳の誕生日が2回目。


2回目はね…
初めこそ恥ずかしかったんだけど、触れる肌の温もりが心地良くて、二人で夢中になっちゃって、それでも避妊はきちんとしてたのに、お風呂で一度だけ避妊せずにシちゃったの。

中には出さなかったけど、それで妊娠してしまった……。


冬でも風邪をひかないあたしなのに、体調が優れなくて、お魚屋さんの横を通りかかった時に気持ち悪くなり……生理も遅れていたこともあって、まさかと思いながらも検査薬を買って調べてみたら陽性反応がでた。

妊娠がわかり、どうしたらいいのかわからなく頭が真っ白になってしまったんだけど、道明寺に伝えることにした。


突然の妊娠の報告に、道明寺は喜んでくれたけど、あたしは大学生だし、彼はNYに行ってまだ3年……大好きな彼との子供だから産みたいけど周り…特に彼の両親からは絶対に反対されると思っていた。


道明寺に連絡を入れてから一週間…
お邸に来て欲しいと連絡があり行くと、そこには、彼と彼の両親がいた。


「あのっ、申し訳ありませんっ!!」


部屋に入るなり頭を下げた姿を見て、彼の両親は驚いていたらしいんだけど、怖くて顔を上げられないあたし。


「そんな所に立っていないで座りなさい。」


そう言われても、足がすくんで動けない。


「牧野、大丈夫だから…。」


道明寺があたしに寄って来てくれて、ソファまで一緒に歩いてくれて自分の隣に座らせてくれた。


「急に呼び出して悪かったね。」

「いえ…。」


恐る恐る顔を上げると、彼の両親の表情が思いの外柔らかくて……。


「いつが予定日なんだい?」

「9月〇〇日です。」

「後半年ちょっとで爺ちゃんかぁ…。」

「えっ?」

「私がお爺ちゃんになるのは不服かな?」

「そうじゃなくて…。反対されると思っていたので。」


「あなた…。」


道明寺のお母さんがお父さんに嗜めるように声をかけた。


「ああ、そうだったね。
牧野さん、司がすまなかったね。」

「それは、私も気を付けなかったから…。」

「妊娠して負担がかかるのは女性の方だからね。」

「えっと…産んでもいいんでしょうか?」

「もちろんだよ。」


道明寺があたしの手を取って、ギュッと握りしめてくれた。
彼の顔を見ると、優しく笑っている。


ホッとしたのも束の間…


「但し、条件があります。」


突然口を挟んだ道明寺のお母さんの声に、高校生の時の頃が思い出され、条件反射のように身体がビクッとなった。



お母さんが話す条件って言うのが、

子供の為に入籍は認めるけども、道明寺はNYで、あたしはこのまま日本に残ること
結婚している事実は道明寺が副社長になるまで内密にすること
4月から1年間、大学を休学すること
バイトを辞めて、ここ、お邸で暮らすこと

だった。


もっと厳しい要求をされると思っていたのに…。



「楓も素直じゃないね。」


お母さんはちゃんとあたしのことを認めてるから、あたしが赤ちゃんを産むことで、将来のことを諦めたりしなくていいように考えた上での条件だとお父さんが話してくれた。


「ありがとうございます。」


お忙しい二人なのに、その足でうちの両親に挨拶にまで行って下さり、すぐに入籍をし、この日からあたしは道明寺邸で暮らす事になった。



**

道明寺の両親は、夜にはNYに帰っていった。そして、彼は一晩だけこちらに残ることに。


道明寺の部屋…今日からはあたしが暮らす部屋になるんだけど、そこでソファに二人で座っている。


「牧野、ごめんな。」

「何で謝るの?」

「だって、お前にばっかり負担かけるから。」

「もしかしたら、産んだらダメって言われると思ってたから、お母さん達の反応にちょっとビックリしたけど、大丈夫。」



「ごめん…。」

「道明寺は赤ちゃんが産まれるの嬉しくないの?」

「すげー嬉しい。」

「だったら、謝らないで。」

「ああ。・・・触っていい?」

「うん。まだ全然わからないよ。」


恐る恐る彼があたしのお腹に手を添えた。


妊娠がわかってからずっと不安だった気持ちがすうーっと消えて行くかのよう。


「約束の時まで後一年……で必ず帰ってくるから。」

「うん。待ってる。」


籍を入れたけど、一緒に過ごせるのは道明寺が日本に帰って来てから。
翌朝、朝ごはんを食べ終えてから彼はNYへと帰って行った。




いつも応援ありがとうございます♪

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少し過去に遡ります。





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プロフィール

くるみぼたん

Author:くるみぼたん
花男の二次小説にハマり、思い浮かんだ妄想を書いてみることにしました。
ホンワカと温まるハッピーエンドのお話をお届けできれば…と思ってます^ ^

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